アントワープを拠点にAn VandevorstとFilip Arickxの二人から成るデュオブランドA.F. Vandevorst。
2012A/Wでは恋に落ちた夢見る女性を描いている。ミューズであるJoseph Beuysと彼らが心をひかれたPina Bauschの二人が恋人だとしたらとイメージしそこからインスパイアされている。
彼女(Pina)が彼(Joseph)のハットやシャツ、ジャケット、ロングフェルトコートなどをこっそりと持ち出し、彼のワードローブで彼女自身のアイテムを創りだす。後ろにポケットやプリーツが付いたロングフェルトコートは、彼のパンツと同じディテール。それに透明感のあるバイアスカットのシルクシフォンドレスとコーディネート。画家風のホワイトシャツには彼に借りたブラックジャケットをレイヤード。構築的でマスキュリンなジャケットやトップスと、フェミニンなチュールやラップスカートと組み合わせることでA.F. Vandevorstらしいフェミニンとマスキュリンのコントラストが表現されている。
Pina Bauschがパフォーマンスで多用していたような、流動性のあるシルクサテンのロングドレスを使用することで、官能的な雰囲気を醸し出している。ゴールドでコーディングされたブラックシルクジョーゼットのドレスやエメラルドグリーンのサテンドレス、マルチカラーのクチュールエンブロイダリーのアイテムが彼女のパフォーマーとしての輝きを現わしている。
グレーのニット柄プリントのシルクドレスに同色のマフラーを合わせたり、ファープリントのイブニングガウンとラビットファーのストールと合わせることでトロンプルイユの遊び心を加えた。全てのルックはJoseph Beuysからインスピレーションをうけたハットを被ることで完成。片手だけのレザーグローブは、二人で歩いている時に彼が彼女の背中にまわした手をイメージしている。