Fashion Show

Z Zegna

「ジー ゼニア」の2012年秋冬コレクションは、新デザイナーのポール・サリッジによって、新しく生まれ変わった。コンテンポラリーで明確なビジョンを持ったサリッジは日常生活の複雑さや、人との繋がり、そして常に進化する現実を受け止め、勇気を持って邁進する強い精神を持つ若い男性像を表現した。

サリッジは、現代的なカメラマンのように、レンズのフォーカスを絞り、被写体をバリエーション豊かに表現していく。ゼニアブランドの伝統に裏付けられた多彩なテキスタイルや伝統的なテーラリングを重要視し、独特な感性を取り入れて、モダンなコレクションを完成させた。ディテールへのこだわりと機能性を重視しながら、新たな感覚で技術を取り入れ、独自性をさりげなく演出することによって、特別感を表現している。

コレクションのメインカラーは、長く着用できるべく、シンプルな色合いが特徴。ネイビーブルー、チャコールグレー、エボニ―(漆黒)、カーキ、バーガンディなど、深みのある色相に鮮やかなグラフィック効果をもたらすエレクトリックブルーやサファイア、レッドオレンジ、エメラルドなどをコントラストカラーとして加えた。

厳選されたガーメントのファブリック、パターンやコンストラクションは、力強い男性的なシルエットを作り上げ、ソフトにテイラードされたジャケットは、フィット感のあるショルダーとスリムなパンツと合わせることによって細長いシルエットを表現。そして、実際の「ポートレート」のように、上半身にフォーカスをあてることによって、顔を際立たせる。1920年代にインスピレーションを受けたナローカットのダブルブレスト ジャケットのように、ウエストラインはやや高く、4つボタンのラペルポイントが重要になる。
今シーズンの「ジー ゼニア」のルックは、スマートなクラシックスタイル。それは、ナイロンフード、テクノジャージーのインサーションや3Dメッシュなどにより独自性が表現され、エクスクルーシブなツイード、ラムウール、ストレッチウールやフルボディーのモヘアなどの素材を取り入れることによって、変化に満ちた新感覚のクラシックスタイルを提案する。そして、現代の必需品であるワイヤレス機器を収納する大きな内ポケットや直線的なシルエットのミリタリー コートによりフォーマルスタイルが完成する。

Photo:Hiroyuki Ishimizu

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