ひねりを加えたイタリアクラシコスタイルが脚光を浴び、昨シーズンからTrussardiのデザイナーも努めますます注目されているUmit Benan (ウミット・ベナン)。

ミリタリーをテーマに、休戦後故郷に帰る直前の兵士達を描いたという今回のコレクション。ショーでは冒頭にデザイナー自身が登場しテーマの説明がなされ、幕を開けたUmit Benan劇場。舞台は帰路につく直前のドミトリー、トレーニングをするマッチョな黒人からカードゲームに供するアジアン、全裸でシャワーを浴びる青年などそれぞれの時間を過ごす個性的なモデル達。そして身支度を終えた者からランウェイへ。

テーラードジャケットがミリタリーグリーンになる一方で、オフィサージャケットやミリタリーパンツなどはグレイフランネルで製作され、都会的なアイテムとミリタリーアイテムが持つそれぞれの表情を逆転、融合。ボリューミーなアイテムとタイトなアイテムを組み合わせシルエットには程よくメリハリをつけた。

ドイツ、スイス、アメリカ、ロンドンなど様々な地で経験を積み現在はミラノを拠点とするトルコ人デザイナーは、ミリタリーにおける人種や社会的地位が関係のないマルチカルチュラルな点を掘り下げ、個々のキャラクターをリスペクトしエレガンスと人間らしさが共存したニューアーミースタイルで平和への願いを込めた。

Photo:Hiroyuki Ishimizu Texr:Yasuyuki Asano