2013年秋冬レディスコレクションは、贅沢なニットで和らげられたクリーンで構築的なシルエットが、ホワイト、チョーク、プラリネとキャラメルトーンと鮮やかなコーンフラワー(ブルー)と海のブルーといったカラートーンで提案されている。1960年代の影響が、コートやテーラーリングにおける構築的なシェイプと丸みを帯びたシームに顕著にみられる。
伝統的なニットの技術が革新的に用いられている。クローシェ・ファーのステッチを用いたハンドニットのカシミアセーターは入り組んだマルチステッチとバブルステッチが組み込まれたドレスとコーディネートされている。平らなプリーツとレースは、チューブ状に編まれたニットドレスとカーディガンに採用され、ハンドニットの感覚を生み出している。ハンドニットセーターに、フェザーを編み込むという実験的な試みがなされ、このテクニックはニットコートに用いられ、ボリュームのある流動的なシルエットを作り出している。
コレクションを通じ、ニットウェアのアイテムは、ニットらしくというよりは生地のように扱われ、また逆に生地はニットのように扱われることで両義性が生み出された。透ける素材への転写技術によって、ブロークンアーガイル柄はニットのみならず、ジャカードトラウザーとして登場した。またアーガイルジャカードのリバーシブルセーターは、生地のブロケード柄を想起させるテクスチャーを生み出した。ニットのジレとコート、そしてセーターはファインメリノとテクニカル素材とのコンビネーションによって、オットマン素材のような風合いに仕上げられている。
ブランドの象徴であるアーガイルは様々な形状で表現されている。たとえばデヴォレ加工されたダイアモンドパターンといった文字通りの解釈から、アーガイルの形状をわずかに残したピクセル画像のようなパターン、またアーガイルパターンのとがった部分を強調した、タキシードジャケットのVネックゾーンやカシミアニットの裾に用いられたダイアモンドなどその形状は様々。
ツインセットのコンセプトはさらに革新を続けている。セーターと、トラウザーのポケット部を同じニットで使用したコンビネーション、またスカートやトラウザーは二重織のファブリックが用いられたセットアップ、インナーのパイピングとニットドレスとカーディガンのトリミングをそろえたものなど、多様な解釈でツインセットが表現されている。
今回のプレゼンテーションで使用されたシューズはすべてマノロ・ブラニクによるもの。