Interview

Ohne Titel

有名ラグジュアリーブランドを多数取り扱うニューヨーク発の会員制フラッシュセールサイト「GILT」が、ギルト・ジャパンとして上陸して4年。これまでの4年間の感謝と、これからも画期的なショッピングをもっとみなさんに体験して頂くことを願うギルトの思いを形にするべく11月22日(金)、23日(土)、24日(日)の3日間、表参道のラウンジレストラン「モントーク」にて期間限定のポップアップショップがオープンした。
このポップアップショップに合わせギルト・ジャパンでも取り扱いのあるNYコレクションブランド、「OHNE TITEL」のデザイナーが来日した。
「OHNE TITEL」はNYのパーソンズで出会ったFLORA GILLとAlEXA ADAMSが2006年よりスタートしたブランド。これまでにファッションのアカデミー賞とも呼ばれるアメリカのCFDAアワードに2度もノミネートされるなど世界中から注目を集めるブランド。
今回はデザイナーの2人、そしてギルト・ジャパンのCEOであるジョアンナ・ドゥービン氏に話を聞いた。

―まず先日発表された2014S/S Collectionについてお聞かせください。

今回のコレクションはコンテンポラリーアーティストやスペイン出身の建築家カラトラーバからインスピレーションを受けています。リニアエレメントと言って色んな直線をニットで表現しているのですが彫刻のようなボリュームと線のストロングな要素、それとスポーティな要素を兼ね備えています。新しい機械を開発しリバーシブルのニットを編んでいます。少し興味深いものだと織り込んであるニットもあります。
色んなテクスチャーのものを揃えています。メタルな素材をメッシュな素材に編み込んだり、レザーとシアーな素材の組み合わせ、スカートとショーツを組み合わせたもの。異なる素材を組み合わせたり、強く見せるためにスポーティな要素も加えたりします。そうすることで予期してないものが生まれるのです。着方によってパーソナリティーを出すことが出来るアイテム、商品を着ることで自分の個性を出せるアイテムを目指しています。
あとはグラフィックの要素も私たちの特徴だと思っています。

―Ohne Titelというブランドを語るうえでニットの存在は無視できないと思います。ニットに対する思い入れはありますか?

私たち自身もニットにこだわりを持って作っています。出来るだけ新しい技術を使いながらニットで表現したいと思っています。
フローラは自分一人でニットを全部やってしまう。緻密な計算で成り立ちまるで数学のようです。美しいシェイプを作るには細かい計算が必要なんです。

―日本に来るのは今回で何回目ですか?

今回で2回目です。前回は京都に行きました。今回は日光に行くことを予定しています。

―なぜ日光に行くんですか?

まず東京から近いということと東照宮にとても魅力を感じています。それに日光には美しい自然もあります。みんなからもおすすめされましたし。

―日本という国に対する印象、日本のファッションに対する印象を教えてください。

東京はNYとはまた違った意味でモダンな都市で大都会です。私たち自身日本のファッションにも色んな意味でインスパイアされていますしこれまでも日本のデザインから着想を得たコレクションを発表してきました。NYではパーソナリティを出すためのインディビジュアリティの為のファッションだと思うのですがそれとは違った形のファッションが日本にはあると考えています。

―デザインのインスピレーションはどういうところから受けているのですか?

コンテンポラリーアートをはじめとして様々なところからインスピレーションを受けています。フローラはNASAと一緒に仕事をしたりもしていました。今後一般向けの宇宙旅行が予定されていますがNASAのスタジオで宇宙服用の素材を見たり、アスレチック的なもの、テクニカル的な部分も吸収したいと思っています。

―デザインの工程は全て2人で一緒にやるのですか?

全て一緒に2人で考えています。

―なぜブランドを2人で始めようと思ったのでしょうか?

私たち二人はパーソンズ(スクール・オブ・アート)でクラスメイトでした。そこではお互いに素晴らしい作品を作っていると認め合っていました。Karl Lagerfeldの元でも一緒に働いていました。長い間お互いの実力を認め合いやってきたのでブランドを2人で始めようと思いました。

―2人でブランドをやろうと考えたということはお互いの作品を認め合うという以外にも感覚が似ている部分などもあったのでしょうか?

私たち2人は凄く似ている部分もあるけど全く違う部分もあります。フローラはカラーやパターンが大好きで、私はシルエットやシェイプが好きです。その二人の組み合わせからこのブランドができているんです。

―デビューから今までずっとNYを拠点にしています。NYを拠点に制作活動をする上でのメリットはどのような部分に感じていますか?

まずNYは自分たちのホームであるということです。この街には若いデザイナーがたくさんいて、有能なデザイナーがどんどん輩出されている。そういうのを見るのもとても刺激的です。それにそういったクリエイティブな才能に対してとてもサポートがある街だと思っています。だから今後もNYを拠点にファッションショーも行っていきたいと思っています。

―これまでにファッションのアカデミー賞とも呼ばれるCFDAに2度ノミネートし、世界で10か国以上で販売されています。凄く順調に見えますがブランド当初のビジョンと比べてどうお考えでしょうか?

ブランドを始めた当初からどうやって成長させたらいいのかという部分まで考えていました。今は凄く順調だと思っています。毎年毎年事業が拡大していっていますし、計画していたことは実現できていると思います。
今後はオンリーショップをオープンして、次のステップとしてメンズウェアも始めたいと思っています。

―ブランド当初と変わった部分、また変わらない部分がありましたら教えてください。

ブランドを始めた当初はもっと職人的なブランドでした。それが少しずつ色んなところで販売されてくるにつれてニッチな層の為のブランドになってきました。ブランドが広がっていくにつれて、3年くらい前から値段の方もお届けしやすくなってきました。商業的に拡大したのもその頃からです。今では洋服だけでなくアクセサリー、シューズも発売しています。

―今後のビジョンについて教えてください。

もっと自分たちの得意な部分にフォーカスを当てていきたいと思っています。それに先ほども言いましたがショップをオープンさせたり、メンズをやったりカテゴリーは増やしていきたいと思っています。

―東京での展開は考えていますか?

今は取引の始まった(日本最大級の会員制ファミリーセールサイトである)ギルトジャパンと一緒にやっていくというのが大事だと思っています。それを続けていくことにより日本での自分たちのブランドの認知度も上がっていくと思います。日本の方々に私たちのブランドを知ってもらう上でのスターティングポイントとしてギルトさんと取り組みが出来ることはブランドとして良い展開だと思っています。

―Ohne Titelというブランドが日本のカスタマーにも受け入れられやすいものだと思っていますか?

そう思っています。日本で今までに私たちの服を見てもらった人の印象、反応を見る限りは非常に良いものです。
日本の消費者の方たちは私たちが提案しているコーディネートとまったく違った着方をしています。そういうのを見るのも楽しみの一つです。

―NYと東京ではやはり着こなしは違いますか?

全く違いますね。日本のみなさんの着こなしは素晴らしいと思います。独自の着方を追求しつつ個性をちゃんと出せているなと思います。

―(ギルトジャパンCEOであるジョアンナ・ドゥービン氏に聞きます)なぜOhne Titelをギルトジャパンのセレクトに加えたのでしょうか?

彼女たちのコレクションはシェイプとカラー、素材の組み合わせが完璧で、日本人のお客さんに好まれると思ったからです。まずギルトのお客さんはクオリティにフォーカスをあててています。それと同時にきちんとした価格設定も求めています。クオリティ、商品を見てOhne Titelがお客さんのニーズにフィットすると思いました。最善の価値でお客さんにおもてなしできるのではないかと。色んなブランドを色んなところから買い付けてお客さんに提供しているのがギルトですのでデザイナーの考えている個人の個性を出す商品の着方というのも私たちのサイトにぴったりだとおもいました。

―Ohne Titelは東京の市場にもはまると思いますか?

完全にはまると思います。でも東京だけじゃなくて、日本全国だと思います。私は日本のお客さんの為に9年も買い付けを行っていますので日本人の方々がどのようなものを求めているのかもわかっているつもりです。彼女たちのコレクションを見た時にセレクトするのはマストだとおもったんです。

Interview & Text:Masaki Takida

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