Interview

MIFUNE/KROFUNE 4

“今はブランド活動の方が面白いですね。帽子の活動をして自分の考えも変わっていくし飽きないんですよね”

M-萱場真鳥 A-萱場麻子

‐最初の頃と比べて作っているものは変わりましたか

M-僕の意識も変わったし帽子を作ってくれるつっちーとのコンビネーションも最初はぎくしゃくしていたんですけど今は物凄くスムーズに出来ていますね。

‐一点物と普通の帽子の値段はあまり変わらないんですね

A-そこまで一点ものだからと値段を変えることはしないですね。そんな値段にしても買いづらいなって。勿論もっと手が込んでくればそれだけ高くはなります けど。

‐コラボレーションに関しては取り組みが違うんですか

M-相手のブランドさんから言ってもらうことが多いのでまずそっちの考えを聞いて打ち合わせの中でどの程度うちの考えを入れていいのかという兼ね合いです ね。
A-最初に仲良くなってそれからという感じなのでいきなりはないですね。HIRO君の時は帽子さえ作ってくれればなんでも良いからという感じで凄く楽し かったですね。
M-ものよりも別の考えを持った人達とコミュニケーションが取れれば楽しいかなって思うんですよね。うちの帽子も買ってくれたお客さんが誰かにあった時に それ被って「その変な帽子」とか、会話のとっかかりになれるような、コミュニケーションを取れるような感じになればいいかなって思うんですよね。コミュニ ケーションの方法というか。事務所をここ(渋谷)に構えたのも色んな人と話したかったからなんですよね。

‐ブログを見ると色んな方が来ていますよね

A-そうですね。載せられない方もいるんですけど。

‐テレビ番組の写真とかもあったんですけど

A-合成なんですよ。あれはあの時自分の中で流行っていて入江(Jvenile Hall Roll Call)さんも入江大陸とかやっていたんですよね。

‐リアルすぎて気付かないものもありますね

A-リアルにしないと面白くないじゃないですか
M-(ルックブックも)うちのは全部合成なんですよ。モデルも全部。体は僕でモデルの顔はフリー素材というか。それにうちの商品を履かせたり被せたりして いるんですよね。
A-なんでそういうことするかというとMIFUNEの帽子をやりすぎというくらいのコーディネートにのせられることが多かったんですよ。そんな楽しげに 被ってもらわなくていいからこういう風にちょっと着るだけ、のせるだけでそういう感じで着て欲しいんだよねということでやったんですけど。どれが自分の商 品かわからないくらい。

‐トータルブランドとして洋服を作りたいとは思わないんですか

M-思わないですね。Tシャツはテキスタイルとかグラフィックの延長なんですけどトータルの中でアクセントとなる小物、それが全体の中でイニシアチブ握る みたいなそういうところが面白いのかなって。だから洋服作りたいとは思わないですね。
A-入江さんて良くここにも来てくれるしお家にも遊びに来てくれるんですけどそういう人の話を聞くと物凄く洋服に対する思い入れがあったり、物凄く知識が あるじゃないですか。そういうのを聞くとじゃー入江さんの服買おうとか友達のデザイナーの服を買えばいいのかなって。帽子とかって顔に近いアイテムだし覚 えてもらえるじゃないですか。そういうのも面白いなって。

‐以前のようにアート的アプローチをしようとは思わないんですか

M-アートって展覧会やるじゃないですか。それで知り合いに来てもらって、100人くらい来てもらって「あー良かったね」って。「ありがとう」でそれで終 わりなんですよ、その期間が終わったら。写真くらいしか何も残らないんですよ。だけどブランド活動というのはアートと一緒で展示会開きますよね。東京のみ ならず全国から来てくれてそれを持ちかえり更にその土地の人達に広めてくれてどんどん広がるじゃないですか。芋づる式に。一つのアクションで色んな人達が みてくれるのが面白いなって始めた時に思ったんですよね。全然知り合いじゃない人が知っていたりも驚きだしその辺歩いている人が被っているのも嬉しいです よね。
アートは今は切り離して眺めていますね。嫌いになったとかじゃなくて。見るのは好きなので。興味が出てきたらまた入っていくかもしれないし、でも今はブラ ンド活動の方が面白いですね。帽子の活動をして自分の考えも変わっていくし飽きないんですよね。見てくれる方もいるし、期待してくれる方もいるし、受注会 とかで実際にお客さんにあったりしそういうのを見ていると次頑張ろうみたいな。

‐MIFUNE/KROFUNEの帽子をかぶっている人を見たら声を掛けたりするんですか

M-しないです。でも微笑ましく見守っていますよ。
A-ちょっとだけ追いかけますね。

‐今回macaronicで受注会されていましたが受注会は昔からやられているんですか

A-でもお店までは滅多に行かないですね。
M-目の届くとこでしかやってないですよ。東京とか。全国回ったりはしてないですよ。
A-出身地でもあるからということで仙台には行くんですけどそれはやっぱり地元だから行くというくらいで帽子目がけて何百人も来るというものじゃないじゃ ないですか。服だったら着るか着ないかってはっきりしてくるけど。そうなると目の届く範囲で東京でやるとかくらいでいいと思うんですよね。
M-東京は色んな土地の人が出入りしているじゃないですか。人口も多いし。だからいっぱい売れてもそんなに同じ帽子を被っている人とすれ違わないんですよ ね。でも東京を離れてしまうと遊び場とか決まってくるじゃないですか。そうするとそこで売れてしまうと被ってしまうんですよ。洋服被ってるのはまだいいん ですけど帽子ってうちみたいのだと凄く特徴があるのでお客さん同士が嫌な感じになると思うんですよね。そうするとちょっとずつ離れていっちゃったりとか。 なかなかそこら辺の量のバランスも難しくて。だから受注会でいっぱい売ればいいという気分にもなれなくて。うちにとっては受注会がどうとか地方に行って PRしてくるのはいいんですけどやっぱり最近では東京くらいしか出来ないですかね。

‐どういう方がメインで帽子を買われているんですか

A-男の子が多いですね。歳で言うと18,9から20代が一番メインだと思いますね。ファッション大好きでファッションのことしか考えてないみたいな人が 多いですね。
M-普通に僕の年代の人達とかも来てくれるんですけどそういう人達も買ってくれますね。
A-そういう年代の方はデザイン系の仕事をしている人がどうしても多くなってしまうんですけど。で買ってくれた人がまた同僚を連れてきてくれたり、プレゼ ンの時にこれ着ていったら良かったよとか。帽子被って行ったら話のネタになったよとかまんまとそんな感じで商品が生きているわけで。
M-客層は結局のところ置いているお店に左右されるんですよね。

‐芸能人の帽子とかもやられていますよね

A-貸し出しや作ったりもしているんですけど一から作るというわけではなくてそれまでに作ったやつからどれかはまるんじゃないかというのを見てもらってそ の中から選んでもらって。だけどライブ用に「これつけたい」とかそういうリクエストをもらって作った感じですね。

‐PRは付けられないんですか

M-凄いその商品を短期間で売りたいとかそういうものであればそういう人の力は必要かもしれないですけど今33回とか展示やっているんですよね。期中展を やっていた時もあって、100回まではやろうと思っていて。それを目標としてやっていると必要無い気がするんですよね。

‐帽子のデザインのインスピレーションはどこからですか

A-日々のことだと思いますよ。ここの事務所に場所を移してから色んな人が来てくれるし、今まで交流の無かった人もここじゃなくても外で会うようになった りとか。今日インタビューに来てもらったのもそうですしほんと色んな人に会う機会が増えたんですよね。前よりは刺激は受けているのでインスピレーションを 受ける機会も増えましたね。
M-人に会ってるからデザインできるかといったらそうは思わないですけどね。人と会いながら刺激を受ける機会をうかがっているというか、本をめくるのもそ うですし映画見るのもそうだし。

‐ブログはどちらが書いているんですか

A-2人で書いていますね。文字が少ない画像が多いのが私で文字ばかり綴っているのが彼ですね。
M-ブログはブログで毎日とは言わないけど適当に更新しています。
A-みんな今はブログ出来たから簡単に日記感覚で書いていますけど更新されていないHPって死んでるようなものだから「更新はしてください」ってずっと 言ってHP自体の更新はリニューアルを前にして滞っていますけど。でもリニューアルはします。こっそりと。

‐影響を受けた人はいますか

M-その都度ですね。若い時は一々影響を受けてましたけどやっと何からも影響を受けずに出来るようになったのでここからかなって思いますね。
A-傍から見てても影響を受けている期間て短いんですよ。その時々であるんですけど「もう終わったの」っていうくらい短いですね。
M-10秒くらい考えて出てこないんで無いと思います。でも(影響を受けたのは)僕を育ててくれた両親ですね。

‐一番印象に残っている仕事、作品はなんですか

M-みんな前向きに生きていますよね。振り返らず。

‐お店は出したいと思いますか

A-無いですね。帽子だけ並んでいるのって気持ち悪くないですか。あんまり帽子ばかり並んでいてもって思っちゃうんですよね。
M-帽子屋さんてあまり好きじゃないんですよね。やっぱり帽子と洋服、全部ですね。お店って別物だと思うんですよね。僕らが作る、販売のプロが売ってくれ る。バイヤーさんてお店のプロじゃないですか。そういう人に何回か会っているとやっぱり僕らにはこういうことには出来ないなと、販売のプロとは別物だっ て。
A-数少ない受注会で売っている現場を目の当たりにしてこういう風には進められないなとか凄いなって。
M-それもやっぱり一つのコミュニケーションの取り方というか。ダイレクトに言葉でやっていく方法というのがちょっと僕には向いていないというか。だから モノでなにか伝えるというか、ブログとか文章に書いてそれを発信するというか。

HP:http://mtrism.com/top.html

Interview & Text:Masaki Takida

コメントは停止中です。