Interview

JUNYA SUZUKI 前篇

エスモード在学中、ブランド発足前にもかかわらず次世代のデザイナーとして取り上げられ、Hedi Slimane撮影によるDazed&Confusedでは表紙を飾り一躍注目を浴びる存在となったJunya Suzuki。神戸ファッションコンテストでグランプリを受賞しパリへの留学を経て09年正式にブランドをスタートさせた鈴木淳哉氏に話を聞いた。

‐簡単なプロフィールを教えてください

青山学院大学の理系の学部を卒業してからエスモードに行きました。(エスモード)2年生の時に神戸ファッションコンテストで賞を頂いて、パリに2008年 の8月から2009年の10月まで留学しました。パリではサンディカというクチュール組合に所属している学校に行っていたのですが僕はその学校を卒業出来なかったんです。なぜかというと学校のレベルがあまりに低すぎて途中から出席しなくなってドロップアウトする形になってしまったんです。

‐オートクチュール組合の学校がレベル低かったんですか

オートクチュールの組合学校にはなっているんですけど時代に流されて手作業の仕方ではなく授業内容もプレタポルテ寄りになっていて、技術を持った先生もいなくなっていたんですね。立体裁断の授業は為になるということをうかがっていたんですけどその授業もエスモードとは比べ物にならないくらいレベルが低かったんです。

‐大学を卒業してからエスモードに行こうと思ったのはなぜだったんですか

大学の時にファッション好きが花開いたんですよね。高校の時から興味はあったんですけどその時は部活一本で。

‐大学は何を専攻していたんですか

経営システム法学科でシステムエンジニアの内容と数学的に経営を勉強していく学科だったんです。数字が好きというよりは理論的になんでも詰めていくタイプ ですね。

‐理系の部分は洋服にも生かされていると思いますか

それはあると思いますね。最終的には自分の感覚を信じるしかないんですけどその感覚にたどり着くまでのデザインの進め方はロジックというか戦略的に進めていきますね。

‐自分のブランドを始めたのはいつですか

自分のブランドでやっていこうと思ったのは帰国してからですね。

‐帰国してからなんですか。それ以前にもCandyでエキシビジョンをやられていますよね

あれは学校で作っていた物をそのまま置かせてくれということだったのでそのままの形で置いた感じですね。

‐ではその時はまだちゃんとしたブランドという意識は無かったんですか

そうですね、自分のブランドとしての意識は無かったですね。初めて置いて欲しいと仰ってくれたお店だったので最初は売るつもりもなかったですし。でも「値段は付けてくれた方がありがたいんだよね」ということで値段をつけさせてもらったんですけど。自分のブランドを本当にやっていこうというのは今からです。その中でほんとに社会的に向き合っていかなければいけないというのはこれからで今は変わる時ですね。帰国してもう学生じゃないわけで自分のブランドをやっていきたい。でもお金にどうやってしていくかという部分で非常に悩んでいる部分もあります。今日僕が来ているコートなんですけどこういう感じで着れるレベルでも自分のテーストを落とし込めるのかなと思ってそういう感じでどんどんやっていこう、今は自分のデザインで仕事に出来るものがあればなんでもやりたいと 思っています。

‐これからはもう少しストリートにも落とし込んだ洋服を提案するということでしょうか

スタイリストさんには受けがいいんですけどそれだけでなく市場に出したいという気持ちは凄くありますね。雑誌の撮影で使ってもらえればコマーシャル的にはいいかもしれない。でも嬉しいという実感が無いんですよね。もっと別の次元の話というか。

‐自分の服を着ている人を見た方が素直に実感できるということですか

出来ると思いますね。

‐今の自分のデザインは着やすいものではないと感じているんですか

それは感じています。だからこそ提案のし甲斐はあると思うんですが。

‐今までより幅広い人に受け入れられる服を作ろうと

そうですね。そういう形でやっていくにしても譲れない部分がある。素材だとかパターンだとか市場に出ている服ではなかなか拘りきれない部分にこだわっていきたいと思っています。立体的な構造だったりそういう自分の売りを削ってまでやったら市場に出てる質の良い服に勝てるわけはないですし(お客さんが)買わないと思いますし。

‐ハンドメイド、全て自分でやるということにはこだわりはありますか

そうですね。現実的に考えて工場に出す服というものも必要になってくると思うんですけど。でも自分が関与できるだけ関与した服というのがあってはじめてそっちが許せるのでそこは譲りたくないですね。

‐今までは展示会という形でのコレクションの発表はされていませんがシーズンベースに乗せようという考えはありますか

乗せてやりたいですね。writtenafterwards, MIKIO SAKABE, AKIRA NAKAさんがThis is Fashionをやられていますよね。彼らの活動を見ていて社会的に何かやろうと動いているところに共感するしそこで自分の服も出せたらと思って一度坂部さん山縣さんとお食事に同席させていただいてお話をうかがいました。発表の場としてThis is Fashionに参加できるのは大きいと思いますので。

-具体的になぜTHIS IS FASHIONでやりたいと思ったのか教えてもらえますか

自分の満足する格好良いものを作ろうとする事で、すでにある価値観の中でデザインしてしまっていると感じる。グローバルの視点で考えたときに、どうやって彼らに対等、対抗するかと言ったら、同じ価値基準の中で勝負するのではなくて、新しい独自の価値基準を作るしか無い。新しい価値基準というのは、既存の価 値基準から見たら、一見ダサくて、格好悪いものかもしれない。もしかしたらダサい服かもしれない、でも、それを格好良いという見方も有るんだよ、という提 案を彼らはしている。そういう方法に憧れるし、自分もやっていきたいと思う。独自の価値観は、自分の過ごす環境の中からしか生まれない。世界に通用する価 値観を、日本で過ごす自分と、日本で過ごす消費者との近い距離感の対話の中で探っていこうという活動に僕も参加したい。対話の中で自分の持っているもの以上の素晴らしいものが生み出せるのではないかと期待しています。山縣さんの考え方に僕は物凄く賛同しているんです。それと日本で一番いけている若手の集団 はあそこだと思うのでそこで一緒にやれるかもしれないという権力的な欲望は勿論ありますよね。上に行ってどうするんだというのはあるんですけど僕にとって あそこは上であってそこに一緒に参加したい気持ちはあるんです。

‐Junya Suzukiとしてショーをやりたい気持ちがあるんですか

僕はインスタレーションで参加したいですね。

続く

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