Martim Margiela, Rick Owens, Raf Simonsなどのハイファッションブランドを中心に世界中に散らばる良いものをセレクトするオンラインストアoki-ni。東京に来日した6月oki-niのクリエイティブチームに話を伺った。
—oki-niのコンセプトについて教えてください
昔のoki-niのコンセプトは限定物であったり、コラボレーションであったりだったのですが新しいコンセプトは「世界中で手に入れることが出来る最高のもの」をテーマにしています。色んなところに良いものは存在していますが誰もそれをオンライン上で売ろうとしていません。だからそういった世界中に散らばっているベストブランドを探して1つのスペースに集めるということをしています。
—現在メンズを中心としたセレクトですが本格的にレディースを始めることを考えていますか
勿論レディースをやりたいとは思っていますね。来年の秋冬くらいから本格的に始めることが出来れば良いなというのはあります。女性的なレディースではなくどこかマスキュリンを感じさせるようなそういった洋服を提案したいですね。
—オンラインだけではなく(以前のように)実際のショップを立ち上げることは考えていないんですか
今考えられるのは期間限定店ですね。ただそういうことをやるのであれば多分UK以外のどこかということになると思います。日本かもしれないし自分が好きなLAかもしれないし。oki-niは昔ショップがあったのですがその時はロンドンをベースにしたブランドを多数扱っていて今とはちょっと違うスタイルのお店でした。今やるのであれば東京やLA,アントワープそれにヨーロッパのどこかの都市がいいのかなと思います。今は以前と違ってインターナショナルなブランドをメインに扱っているし。今現在売り上げの80%は海外からのものでUK内よりUK外での売り上げが大きいというのもありますね。だからUKだけに焦点を絞るというよりはもっとグローバルな視点で捉えています。
—どういった人達をターゲットにしていますか
正直なところターゲットというのはないんです。一部の人を相手にしたり、一部のマーケットを相手にするようなことはしていません。自分達が買い物をする時にこういうものがあればというものを選んでいます。だからそれを選んで買ってくれる人であれば誰でも構いません。
—若いデザイナーたちと新しいプロジェクトを始めようと思ったきっかけはなんですか
多数の才能あるデザイナーたちが誰からも支援されることなくブランドをやっていて。ほんの僅かな人達がそういったデザイナーたちに支援をしてはいるものの実際にそういった新人たちの作品が買える場所というのがなかったので自分達が才能あると感じたデザイナー達の作品を仕入れてそういったデザイナーたちに作品を売る場所を提供してあげたいと思ったことがきっかけですね。
—そういったデザイナー達は全てUKの人達ですか
UKのものもあるしスウェーデン出身の人達もいます。今はないですが日本のブランドも加えたいと思っています。UKの若い才能という枠だけでなく若い才能を支援するという意味合いで幅広い視点で支援しようと思っています。
—London Fashion Weekについてどう思われますか
メンズに関してはあまり良い印象はないですね。レディースの方が影響力は強いと思います。ロンドンはミラノやパリなどよりももっとファッショナブルな都市であるのにメンズが弱いのは残念です。
—東京のファッションについてどうお考えですか
ファンタスティックですね。日本人がロンドンに対して抱くように私達も東京に対してミステリアスなイメージがあります。日本人は英語を喋れないし私達も日本語を喋れません。日本のマーケットやブランドについてもわからないことはたくさんあるので日本のブランドをストックしたいという考えは強いですがまだまだミステリアスな部分はありますね。日本の雑誌はロンドンでスナップを撮ったりしていますが、ストリートスタイルという点でいえば東京は世界で最も面白い場所のひとつだと思います。
—これから音楽にも力を入れるようですが
自分達にはファッションと同じように音楽も存在していてだから音楽を始めるというのは凄く自然な流れだったのです。oki-niの音楽ページでは世界中で高く評価されているレーベルやアーティストやDJとのコラボレーション商品をoki-niだけで独占販売します。その他にもウェブサイトに参加するアーティストはブログのようなスペースがありそこでインタビューを掲載したりDJMIXやビデオなど様々なメディアを自由に載せることが出来ます。音楽とファッションはお互いにリンクしているのでその2つを並べることは重要だと思っています。ただまだどこもその2つをうまく共存させているところはないのでそれをうまく私達のサイトで実現できたらと思っています。
—ファッションと音楽だけでなくライフスタイル全般についての提案になっていくということですか
そうですね。確実に。
—東京コレクションに興味はありますか
今回が2回目の来日なのでまだコレクションに来たことはありません。今まではあまり日本ブランドを扱うということも少なかったのですがこれから少しずつリスクを冒して新しいブランドを取り入れていこうかと思っています。なのでもしかしたら近いうちに東京コレクションを見に東京を再び訪れることもあるかもしれません。