Jean-Pierre Braganzaは女性らし過ぎない女性像をテーマとしている。彼の世界に存在する女性は、未熟な経験の中でも、自制と衝動、フィーリングと知識を駆使して生き抜いている。そんなタフな女性像が今回のS/S14のコレクションでもうまく表現された。
スケーター的なシルエット、ルーズなスカートにアシンメトリーの裾をあしらったスポーティーな作りで、ガーリーになり過ぎずに遊びを出す。純白で安定感のある表裏一体の服は淡いピンクをアクセントとし、白いレースをあしらったフルスカートで可愛らしさを演出しつつ、ひびの入ったレザーを用いたノースリーブのバイカージャケットを合わせる。黒と白のぼやけた薄いストライプのシルク素材をミックスさせることで、フェミニンさも交えつつクールなスタイルを保つ。またボーイズシェープのパンツにオーバーサイズのトップスを合わせルーズ感を演出しながらも、きちんとした襟を付けることで絶妙なバランスをつくる。
彼は女性にもっと楽に服を着てほしいという願いがあり、それをどう伝えることができるのかを探求し、今回のショーに込めた。彼の理想とする女性像は、人生のダークサイドにも恐れない強くて凛とした女性。クールさを基準としつつ、女性らしさも忘れないデザインを創り出す彼のコレクションは、現代の女性に勇気を与えてくれる。
Photo:Ayano Santanda Text:Yasuyuki Asano