オランダ出身のデザイナーHellen van Rees。彼女は、パリ、ベルリン、ロンドンでコレクションを披露してきており、エキシビションはローマ、オランダ、日本でも開催した経験をもつ。さらに、Lady GagaやShingai Shoninaのような有名人からも親しまれているレーベルである。
“Fuzzlayerglossbox”という今回のコレクションテーマには、ノスタルジックエレガンスと未来派芸術を合わせた、前途有望な意が込められている。彼女のシグネチャーである手織りツイードに、ラストシーズンに見られたオーガニックシルクとコットンとを組み合わせた新しい素材を革新的に紹介。デジタルプリントはオランダの彼女のスタジオで、織りの上に巧妙に組み込まれており、独創性のある仕上がりとなっている。一見グラフィックプリントかと思えるほどの繊細な手織りツイードは、まさに彼女にしか編み出すことのできない素材感を見せる。所々にガムテープのように見える異素材をプラスすることにより、あえて少し奇妙なデザインへと変化させながらも、ドレスのネック部分をフォルター式にすることで、全体的には奇妙の中にも女性らしさを強調するデザインとなっている。どのデザインにも潜んでいる手織りツイードは、アクセントになると同時に、メインにもなり得る。また今回の靴も全て、白または黒ベースの手織りツイードのデザインでまとめられた。
Photo:Ayano Santanda Text:Yasuyuki Asano