ロンドンカレッジオブファッションのBA(学士課程)Fashion Design & Technologyの卒業ショーが6月7日に開催され、メンズウェア、ウィメンズウェア、テキスタイルなどの各専攻から選ばれた合計25人のデザイナーがランウェイにてコレクションを発表した。
Collection of the Yearを受賞したのは中国出身のデザイナーWun Wun Nova Chiu。シャングリラでの生活をコンセプトに、鈴やウッドビーズによる装飾とフローラルやアニマルプリントを用いて現代化したカラフルな中国の民族衣装を表現した。
同じく中国の伝統文化、特にチベットの文化にインスピレーションを受けたYingzhi Luo – Chi Chiも、編み込まれた幾つものコードとサイケデリックなカラーリングが印象的であった。
また、チェック、カモフラージュ、ゼブラ柄など鮮やかなパターンを組み合わせ、自身のルーツであるアフリカの民族兵士と70年代のパンクスの融合を試みたBrett de Jagerや、多様な刺繍が組み合わされた表情豊かなテキスタイルによるエスニックなドレスによりBest use of Trimmings を受賞したCharlotte Lucy Barryなど、アフリカンなエスニックを取り入れたデザイナーも多く登場した。
実験的な素材の組み合わせも多くみられ、Stine Riisはウール、シルク、パテントレザー、ファーなどラグジュアリーな素材使いの組み合わせによりInnovative Use of Fabricsを受賞し、またAngela Brandys は様々な素材を用いて色鮮やかな未来のパンクスを表現し、ショーのトリとしての存在感を放っていた。
更に、よりストリートを感じさせるコレクションも幾つか登場。
グレーを基調としたエアリーなヒップホップスタイルをベースに、ドレスのディティールやヒールなどによるフェミニンな要素と着物のシルエットなど日本の伝統的な要素を組み合わせ、エレガントでフェミニニティあふれるBガールを表現したNano Aoshimaや、少年時代を象徴する昆虫のパッチやスケーターのエッセンスに、着物のシルエットを組み合わせウェアラブルでクリーンなストリートスタイルを見せたSean McGirr、またNadir Tejaniは現代の監視社会からパーソナリティを覆い隠すというアイディアのもと、変形オーバーサイズのトップスやPRIMITIVE LONDONとコラボレートしたヘッドピースなどによりダークなコレクションを展開した。