Fashion Show

writtenafterwards

2010年6月12日Tabloidにてwrittenafterwards 10-11 A/W Collectionが披露された。テーマは罪と罰-Teenage crime and punishment-。前々回のごみから前回の神様、そしてもう一歩進んで3シーズンぶりに衣服としての表現方法を選んだ。

今回のコレクションは子供時代から思春期にかけての繊細な青春時代を男の子目線で描いたもの。スカートめくりや覗きなどの子供時代特有の罪をストレートな男の子目線で表現している。ローティーンによるファッションの成熟性と、未熟なまま大人になってしまう現代の若者の現代的な現象のパラドックスをショーで表現。日本のロリータファッションに焦点を当てた究極の成熟したガーリーファッションを提案した。

大人びた未成熟な女の子、「若い子のファッションがおばあちゃんに見える。」とおばあちゃんメイクを施されたモデルはほとんどがローティーン。編んだあとに手でステッチを入れているセーター(20年ほど前に流行った技法で作られたもの)やチューリップのネックレス、モップの靴などファンタジーに溢れている世界観はwrittenafterwardsらしい。フロントのセーラーカラーやタスキがついたようなTシャツはガールスカウトから着想を得たもの。洋服の多くは屋根の付いた家のようなシルエットになっており、良く見ると窓も付いている。アランニットが多いのはおばあちゃん→アランニットから来ている。

ショーの最後は物干しざおにかかった巨大なパンツが登場。デザイナーの「ファッション界から『干されたくない』という駄洒落が込められている。フィナーレに登場した山縣氏の肩には洗濯ばさみがついていた。過去2回『ごみ』そして『神』と時間の無い中でものと向き合った2シーズン。今回は「時間をかけた分自分の中ではしっかりとモノと向き合えた」と語った。

今回のショーは「もっとダイレクトに一般の人に見て世界観を感じてもらいたい」と一般にも有料(+インスタレーション、バックステージを開放、トークショー、主催、運営はTHE ART HOTEL NEST TOKYO)で開放し1階に一般、2階にプレス、関係者に分けられた。500人行けば良いと言われていた中、中目標の800人も上回り最終的な来場人数は1000人をも超えwrittenafterwardsというブランドへの一般消費者からの期待度もうかがえた。衣服での表現を選んだ今シーズン、デザインにおいては賛否両論あったが、一般と作り上げるファッションショー、新しい形の『ファッションショーの提案』という意味では間違いなく貴重な一歩となった。 今後ファッションショーがもっとオープンになってデザイナーがもっと顧客と近い存在、ともに作り上げていくスタイルがどんどん増えていくのではないだろうか。

Photo:Tomohiro Horiuchi, Koji Shimamura Text:Masaki Takida

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