さらにさらに面白いツールを探していた私は、
「iPM革命論序説」
という本にたどり着きました。
著者であり、パタンナーである玉置さんには本当に本当に良くして頂いて。
熱く、強い優しさと、感服するほどの頑固な職人気質を持った人です。
パタンナーさんを尊敬する、というのは、きっと根源は彼から来ているんだろうと思います。
当時、日本から取り寄せた本の中で最も面白く、内容もさることながら彼の文体の印象から、「会ってみたい」と思わせる、そんな本でした。バスに揺られながら、英語の本達に混ざって、一冊だけ日本語の彼の本がバックに入っていたのを思い出します。それからしばらくして、まさか本当に会える事になるとは思ってませんでしたし、なんだかんだその後も色々と世話をかけることになり、頭の下がる想いです。
iPMとは、イラストレーターパターンメーキングシステム。
CADとしての機能、パターンメーキングに特化したイラレのプラグインソフトです。
現在のCADといえば、東レ、旭化成、ユカアンドアルファなどが主流だと思いますが、
環境はいずれもWINDOWDS、そして価格も安くはありません。メンテナンスもあると思います。決してWINDOWDSでも、上記の企業様方の批判でもありませんが、ただ、
環境がMAC,しかもイラストレーターのプラグイン、低予算となると、私には入り口としてどうもマッチする事が多いような気がしました。
デザインの現場ではMACが主流です。だからCADを導入する目的でwinを改めて買うより、デザインしていれば当然のようにイラレは入っているので、操作感もなれているわけです。MACをベースにしたCAD、イラレだから当然イラレとしての機能はそこにある。そこでまるで絵を描くようにパターンを書いている、私にはとても魅力的でした。
詳しくは本を読まないとわからないかと思うのですが。
ただ勘違いして欲しくないのは、ツールというのは出来る事と出来ないことがあります、万能の道具はありません、人間も完璧ではないですし。だからwinベースのCADなら出来る事、iPMなら出来る事、それぞれ「性格」があります。よって自分に適した物を選ぶべきです。データの互換性の問題だってあります。
彼の本では、iPMに関する話と、さらに自身のパターンに対する理論がこれでもかというくらい盛り込まれていました。恐らくその印象も強いのだと思います。新しいツールと共に、自分のパターンに対する考えを我侭すぎるほど書きなぐってました。
私はパタンナーではありません、だから彼の話が100%理解できているとは言えないかもしれません。ただ読み進んで行くうちに、強烈な熱意を感じずにはいられなかった。
今現在、彼は自分の経験と知識を若いパタンナーに伝えるために下記のようなサイトと、講習を行っています。
「玉置の仕事場」
http://tamasan.com/
私がここで説明したかったのは、目の前に差し出された「やり方」が全てではないことと、iPMというソフトや臨機応変なツールの選択の重要性と、それを追求する探究心、さらにパタンナーとしての玉置さんを紹介したかった。
上記のサイトで公開している動画、パタンナーの視点になるようにヘルメットに穴空けてデジカメつけて、そのヘルメットしながらドレーピングしてる玉置さんの姿。泣けます。これ言ってよかったのかな笑
熱意なんだな、どんなときも、と思います。
もう少しこの本に会うのが早かったら、パタンナーになってたかもしれません。
回し者みたいですが、ファンになろうが読むまいが、どっちでも構わないです。
私がこの本に出会って、さらに新しい出会いと知識を取得したのは、
私がそうしたいと願ったからです。
玉置さんはいつも、「パタンナーはデザイナーのカバン持ちだ」と言っていたけど、
「パタンナーがいなければ、デザイナーは裸の王様」だと、私は思ってます。