Interview

D-due 2/2

根底にクリエイションがあるかどうか、コンセプトがあるかどうかというのはブランドとして最も大事なことです。クリエイションというのは日々その人が人として成長していく間に無意識に培っていくものだと思いますので、日々の生活を豊かにしていくのは大事だと思います

→D-due Interview 1/2

―ガリシアという小さな町がクリエイションにどのような影響を与えているのでしょうか?

ガリシアという町は凄く雨が多くて観光地としてもすごく栄えているような町ではありません。気候の問題で町が栄えない。逆に言うと地元にこだわり、つながりが強くなる。そのような独特の文化がある町、ファミリー気質が強い町です。勿論私たちのブランドも家業を継いでいますのでそれに当てはまります。
例えば東京のような大都市で「何か作りたい」と思ったら、東京を飛び越えて他の都市や海外だったり、全然違う場所まで飛躍してクリエイションを作れる可能性を探る感覚があると思います。しかしD-dueの場合は内向的な面もあるのですが、何かを作りたいと思ったら隣の家のおばちゃんだとか、何件か先のペンキ屋さんにお願いしたりする。そういった地元や身内の信頼のおける仲間や友人、知人と好きなものをこだわって作り上げるという感覚で仲間探しをします。比喩的なたとえで感覚的なものですが、このガリシア独特のローカル気質は、ブランドの特性としてあるような気がします。

―ガリシアという町はとても小さい街ですがクリエイションにおいてあまり不便は感じないんですか?

もの作りをする上で完成させたプロダクトを発信していくという意味では外とのつながりも凄く大事になってきます。価値を認めてくれる外の人がいない限り私たちの作っているものに価値はつきません。そういう作業は勿論必要だと思っています。ガリシアの文化と背景が繋がってクリエイションが出来上がったという価値があるからこそ外の人が価値として認めてくれるというのはあると思います。ですので不便さを感じないというよりかはそういう考え方で動いています。

―デザイン学校で教鞭もとられています。ファッション、デザインを目指す学生にどのような指導、言葉をかけているんですか?

地元ガリシアにある芸術大学のファッション学科の1年生と最終学年の授業を受け持っています。学生にはエネルギッシュで大胆で、怖いもの知らずでパワーがある。社会に出ていくにあたり、それがどういった方向でどういう道にのせればその才能が良い形で開花するのか、そういうのを気にしてケアしてあげたいなと思っています。その子の個性や良さ、魅力を見つけてあげて誘導してあげる、良さを一番良い形で探してあげる、そういった作業を大事にしています。

D-due LAB 2014 S/S Collection:オリジナルの絵本を作成し、それをインスパイアの原点とするシリーズ。もの作りで影響をうけるコンセプト自体を創造してしまうという実験的なアプローチで作成するコレクション

―デザイナーになる為に必要な要素は何だと思いますか?

クリエイティブであること、血の中にクリエイションがあることです。勿論商売、ブランドとして成功するには東京やパリ、そういった物事が盛んに動いている場所に行き、そこで何が求められているか、発表されているかというのを知るという努力はとても大事です。ですが根底にクリエイションがあるかどうか、コンセプトがあるかどうかというのはブランドとして最も大事なことです。クリエイションというのは日々その人が人として成長していく間に無意識に培っていくものだと思いますので、日々の生活を豊かにしていくのは大事だと思います。

―D-dueブランドは今や本国だけでなく日本を含め、世界中のブティックで取り扱いがありますがブランドの強みはどこにあると思いますか?

私たちのブランドが成功しているのは凄く成熟した都市であるというのが特徴だと思っています。ファッションにおいていろんなものが入ってきて、感性が肥えてきて成熟してくると他にないものを求めたくなる。そういった他にないものを探している要求が強い都市の方々に私たちのブランドは選ばれているなというのを漠然とですが感じています。非常に洗練されたお客さんに選ばれているというのが自分たちのブランドの特徴だと思っています。

―今後やりたいことなどブランドとしての将来のビジョンがあったら教えて下さい。

私たちがやりたいと思うことをやり続けられるように成長したいと思っています。その為にはよりグローバルな企業として成長、成功する必要があると感じています。ローカルで有り続けるためにもグローバルでないとならないと思っています。

―まだまだやりたいことがあるんですね!

その通りです。私たちは例えるならば、インターナショナルハイジだと思っています。(アルプスの少女)ハイジと同じように、住んでいる場所も小さい村で森に囲まれてとても田舎ですがグローバルに活躍するハイジのイメージです。グローバルにお友達がいないと駄目ですし、フェイスブックもやっているハイジです。(フェイスブックをはじめ)進化するものと関係を持ち続けるということは重要なことだと思っています。

日本も友達がいるのですが日本に来るときにその友人に「日本に住んでないのになんで自分より日本のことについて詳しいんだ!」って言われたのですが自分たちがいる場所は意外と自分たちの方がわからないことが多かったりします。そういうリサーチをすることは小さい場所にいるからこそ欲がわいてきます。ただそういうことはお互いにあると思います。都市に住んでいる方はゆったりすみたいということで誰もいないところに憧れる。逆に私たちのように静かな町に住んでいると都会を求めたり、ないものねだりはどこにいってもあると思います。

Interview & Text:Masaki Takida

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