“僕がショーをやることで他のファイナリスト達のショーを全部忘れさせる、ITS#TENを自分のショーにしようと思っていました”
→TAKASHI NISHIYAMA 1/2
―作品に関して昨年よりこだわった部分はどこですか
大きいもの以外はより「コンパクトなコレクション」になるように心がけました。
昨年はレザー等重い素材ばかりを使い、自分で着ようと思ったけど結局切れないモノも多かったんです。だからディテールも含めリアルクローズとして着ることができ、なおかつ自分の強さがある服を作ろうと思いました。
―今回のショーの構成について教えてください
CM的、リアルクローズよりなルックからスタートし、最後に大きいものが登場し、それが最後だと思わせておいて、その後更にでかいものが出てくる。見せることが出来なかったのですが一番大きいのがやりたかったので構成もそれを中心に考えています。
―審査員達の評価はどうだったんですか
「凄く良かった」って色んな人から言ってもらえました。ただ最後のピースが見れなかったのが「とにかく残念だった」とも言われました。
最後のピースを見せることが出来なくてもコレクションは成立するとは思っていたのですが、後からショーの動画を見たらあまり迫力がなく自分の中で少し物足りなさは感じています。
最初にファイナリストがショーをやってから最後に去年の受賞者がショーをやるのですが、僕がショーをやることで他のファイナリスト達のショーを全部忘れさせる、ITS#TENを自分のショーにしようと思っていました。
―前回の受賞者として審査にも加わったと思いますがITS#TENのファイナリスト達は西山君の目にどう映りましたか
今回審査に関わることでわかったことがあったのですがITSは年毎に傾向があるんです。去年は造形的な作品を作った人が多く選ばれ、造形的なものを作った自分がショーを穫った。今年は傾向としてディテールやファブリックに力を入れている、細かいところにオリジナルがある人を選んでいた気がします。
ただ前回の大賞は審査員なのですがショーの準備があるのであまり深く審査には関われませんでした。
―昨年より客観的には見れましたか
そうですね。ただITS#TENという記念すべき年なのに期待したほど盛り上がっていなかった気がします。候補者たちの作品自体のクオリティは高いのですが、クリエイションのレベルは決して高いとは思いませんでした。人の心を動かすような作品はなかったと思います。
―それは昨年造形的な作品で西山君がCollection of the Yearを穫ったことにも関係があるのかもしれないですね
僕は自分みたいなデザイナーが穫ったからこそ、そういう人が出てくるのかなと思っていました。
―今年Collection of the Yearを獲ったShaun Samsonに関してはどう感じましたか
生地の作り方が面白かったのでわかりやすい作品だったので僕も彼が優勝すると思っていました。
―なぜ彼を1位にしなかったんですか
全部同じ服に見えたというのが一つの理由です。もしあれをプロのコレクションとして、30体が全てあの感じで出てきたら見てる側として面白みが足りない。そう考えたらCollection of the Yearではないのかなって思ったんです。
―個人的に面白いと思ったデザイナーはいましたか
個人的に良いと思ったデザイナーはRuth Green(ITS#TENでSkunkfunk vergibt Sustainability-Awardを受賞)です。パターンが面白かったし、コレクション全体のバランスが良いと思いました。
―西山君が受賞したことでここのがっこうを含め日本の学校からの応募もたくさんあったと思いますが今年は日本人が一人もファイナリストに選ばれていませんでした
それは今年の傾向が大きいと思います。ここのがっこうの生徒はファブリックに力を入れている人よりクリエイションに力がある人が多い、今年は正当派の作品が好まれる傾向にあったので選ばれなかったんだと思います。
ここのがっこうではphizの野田涼太さんは面白いクリエイションをしていた。彼がその作品を送っていれば少なくともファイナリストには選ばれていたと思います。
―前回はここのがっこうのアドバンスドクラスの生徒として作品を製作し、先生である山縣さんや坂部さんのサポートもあったと思います。今回はフリーの立場での作品製作となりましたが何か変化はありましたか
ここのがっこうがなかったのは逆にやりやすくも感じました。
昨年は山縣さんや坂部さんの顔色をうかがうような作品を作るような部分もあった。自由にやらせてもらっていたんですけどどこまでがOKラインでどこまでが駄目なのかがわからなかったんです。だから少しずつしかクリエイションを爆発させることが出来なかった気がします。
今回は始める前に「自分でやりたいようにやりたいのでやらせてください」そう伝えました。
―完成した作品を見て2人の意見はどうだったんですか
坂部さんには最終的なモノは見せれていないのですが途中段階で見せた時は「いいじゃん」って、7人で着る服のアイデアも伝えたのですが「良いと思うよ。きっとファンが増えるデザイナーになるよ」って言ってくれました。
山縣さんは2番目に大きい作品が出来た時にそれを送ったんですけど「やばいね。絶対これ出したら日本が盛り上がるから頑張ってよ」って。ショーに関して言えば最後のルックを見せることが出来なかったので想定の範囲内だったのかなと思います(山縣氏は現地で観覧)。レディースの部分は挑戦していたので「良かったんじゃない」って言ってもらえました。
―ここのがっこうを出て既に活躍している方もたくさんいますが彼らの活躍は気になりますか
みんな頑張っているので凄く気になります。特にnusumiguiをやっている山杢君には刺激を受けています。
今回のショーのスタイリングで使ったヘルメットとグローブは山杢君からもらったものです。彼とはここのがっこうのプライマリーの時から作る物は別々だけど興味あるものは似ていてずっと一緒に作業をし、ITSも最初は一緒に出そうとしていたんです。テイストが違いすぎたので結局は別々に出すことになったんですけど。
―今後の予定について教えてください
Mango Fashion Awardsの審査員の方が「作品を出してみないか」と誘ってくれました。期限の問題もあるのでまだやるかどうか迷っていますがそれに向けてやってみたいと思っています。もしやるのであればMangoはレディースのコンペティションですので今回のイメージを踏襲しつつレディースのイメージを更に強めた作品になると思います。
今までのようにアニメ等、日本のものをテーマにしたものではなく、「ファッション」によったテーマにしたいと考えています。
―自身のブランドの立ち上げも期待されていると思いますがそれに関してはどう考えていますか
すぐに自分のブランドを立ち上げるのではなく、「チームとしてどういう風にモノ作りをしていくのか」を学びたい。なのでMangoの結果にかかわらずそれが終わったら海外のビッグメゾンで働きたいと思っています。だから本格的に自分のブランドを立ち上げるとすればその後だと思います。
作りが複雑なモノが多いので作るのに時間がかかってなかなか難しいですが、機会があれば売るものも少しずつ作っていきたいと思っています。
見ていて気持ちがイイコレクションでした。
若さとパワーを感じさせるし、スタイルを感じれたのが良かった。
インタビューでは最後の大きいピースに触れられていますが
僕はショーの最後のピースはなくても良い位だったと思います。
次のコレクション楽しみにしてます。
コレクションすごーーーーーーいo(^O^)o☆!!
着たらどーなるんだろぉ♪