Interview

POTTO “ワイルドスタイルとか恐山”

「自由であること、心地よく暮らせること、DIYであること」をコンセプトに独創的な発想で洋服をクリエイショ ンしているファッションブランドPOTTOがおよそ5年振りのショー “ワイルドスタイルとか恐山”を6月10日VACANTにて開催する。
 今回のインタビューはショーに向けて作業中のPOTTO山本氏のアトリエにて5月後半に行った。

―今回のショーのタイトルですが”ワイルドスタイルとか恐山“となっていますがこれはどういう意味ですか

そのままです。DMの写真は僕が中学の時に選手宣誓している時のものです。その時は足が速くて陸上部だったんです。何かの大会だったかと思うんですが。

―写真とタイトルが全然結び付かないのですが・・・

ですよね。でも結び付いているんです。論理的には結びついてないしショーの中で結び付いているかもわからないのですが。

―”ワイルドスタイルとか恐山“がキーワードになっているということでしょうか

キーワードと言うことではないですね。
恐山はずっと行きたくて気になっているんです。いたこの霊がいるところですよね。

―ショーですよね?

「ショーじゃないんじゃないか」と言われるかもしれないのですが僕の中ではショーなんです。”ファッションショー”かどうかはわからないですが。何が”ショー“なのかというのは正直良く分からないです。

―以前東京コレクションに参加していた時はオーソドックスなファッションショーをやられていましたよね

そうですね。以前は洋服自体にコンセプトを持たせていましたがショーはあえてオーソドックスな形でやっていました。

―モデルはどんな方達を使うんですか

プロの方もいますがほとんどは募集して連絡して来てくれた人やこちらからお願いした一般の方を使っています。ただまだ1着も完成していない(5月19日時点)ので心配です。

―でも明確なものはあるんですよね

そうでもないんです。完全に決まっているのはモデルだけです。

―テーマは決まっているのにですか?

”ワイルドスタイルとか恐山“というタイトルはありますがこれに向けて何かやるわけではないんです。勿論いい加減に名前を付けているわけではないのですが。
作業は進む時は進む。でも進まない時は全く進まない。

―やばいですね

だから恐山的な・・・。いたこみたいなものだから。

―自分の心境と言うことですか

そうかもしれないですね。

―テーマ自体はいつ頃決めたんですか

5月初旬です。

―演出とかも演出家をいれず全部自分でやるんですよね

そうですね。演出があるのかどうか・・・・。

―全部DIYでやるんですね

それは毎回そうです。以前東京コレクションに参加していた時も演出家をいれず全てDIYでやっていました。会場の人に散々怒られたりしたんですが。

―ショーですが3時間やっていますが3時間いることも可能なんですか

勿論です。面白いと思ってくれる方は寧ろいて欲しいですね。

―3時間新しいということでしょうか

それはわからないです。何かあるかもしれませんが何もないかもしれない。エンターティメントではないです。ただ繰り返しているだけなのかもしれないですがそれは全く同じものではない。ライブもありますがそれをイベントとして捉えてほしくはないです。ライブ自体がショーの音楽なんです。

―音楽も3時間やり続けると言うことですよね

やったりやらなかったりです。僕自身まだ正直わからない。当日まで確かなことはなにも決まらない気がします。

―丁度一年前に半年後(2010年秋)にショーをやると言っていたのですが随分延期しましたね。その時とやろうと思ったことは変わってるんですか

変わっていますね。100%ではないんですが。震災の影響は多少あるかもしれないですがほとんど無いと思います。震災があったから変わったということではないですね。

―なぜそもそもそんなに延期したんですか

分からないですね。出来なかったからかもしれないですね。ただやるつもりはありました。

―では今回このタイミングでショーをやることに決めたのはなぜですか

それは場所と日にちがそこで決まったからです。

―4年半もショーをやらなかったのになぜショーをやろうと思ったのですか。ショーをやらなかった期間はメインストリームでの活動もほとんどされてなかったですよね。ワークショップやライブはされていましたが

そうですね。何かやりたくなかったんです。決めたのは結構急ですね。

―以前インタビューした時は「やりたい気持ちはあるが、今はそのタイミングではない」と言っていました

前はよくやっていましたね。JFWに登録してやっていたのでシーズン毎に発表していました。演出家がいないことで怒られてばかりでしたが。

―今回披露するコレクションにはシーズンが書かれていません。11 A/Wや12S/Sなどシーズンを決めたモノですか

どちらでもないです。そういうのはもういいかなって思うんです。シーズン毎に発表するのは洗脳だと思うんです。だから今はその洗脳から溶けたというか。

―ショーを終えた後ショーで見せたものは即売されるんですよね

その予定ですが季節に合わないものは少し寝かせようかなとも思っています。
洋服はショー用にモデルに合わせて作られているのですが逆にその方が良いと思っています。勿論それによって合う人、合わない人出てくるのですがそれで良いんです。古着とかってそうですよね。新品なんですがそういう感覚。

―会場にVACANTを選んだのはなぜですか

それはあの会場が良いと思っていたので紹介してもらいました。あそこも色んなイベントを自分達でやっている、その感覚がいいなって。

―どんな人を招待するんですか

誰でもです。来たい人が自由に来てくれれば嬉しいです。バイヤーやプレスの方じゃなくて一般の方でも。来て欲しいから来やすい時間にしています。DMも送るつもりですが送る時間があるかどうかわからない。でも送ってないから来ないというわけではなく来て欲しいんです。そういうのが本当に苦手で・・・・。

―ブログで先日行われたRocketの展示がショーに関係してくると書かれていました。どういう意味だったのでしょうか

全部関係あるんですよね。作って出すみたいな感じが。それだなって。お店もそうですよね。アトリエの隣にお店がある。僕はその生活が良いと思っている。みんなそうすれば良いと思うんです。みんなアトリエは持っているわけだからそこをお店にすれば良い。それだけじゃなくて勿論卸も重要なんですが自分で売った方が良いのになって。”服を売る“という行為がどういうことか考えるようになる。自分で作って売ることで色々な事を考えるようになるんです。

Interview & Text:Masaki Takida

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