ベルギーの国籍を持つアルゼンチン出身のデザイナーJuan Hernades Daelsは2009年アントワープのロイヤルアカデミーを卒業しビジネスパートナーであるダニエルと自身の名前を冠したブランドJuan Hernadez Daelsを立ち上げた。
―まずはあなた自身のこと、そしてブランドのことについて少しお聞かせください
デザイナーのJuan Hernandez Daelsはアントワープロイヤルアカデミーのファッションデザイン科を卒業しました。ブエノスアイレスで生まれ育ち、そこでは工業デザインを学びました。23歳の時にカリフォルニアへと移住しアントワープへ移住する前の2年間写真を学びました。アントワープでの卒業コレクションはサイケデリックポップなイメージのデヴィッドボウイ、そしてイギーポップからインスパイアされそれにブレードランナーやアールデコの要素を組み合わせたものです。コレクションは有機的なものと幾何学的なシルエットに分けられ偽者と人間という相反するものを表現しました。在学中にはドリスヴァンノッテン、ラフシモンズ、ストリップデニムでデザインの経験をしました。また彼のビジネスパートナーでもあり、テイラーの技術を持っているDaniel Janssensの指導のもとにテーラーの世界へ足を踏み入れました。
私のデザインした洋服はサンフランシスコのThe Arts of FashionやIFF Perfume Awardのファイナリストに選ばれました。
―ブランドを設立するまでの経緯を教えてください
ブランドは2009年に卒業してからすぐスタートしました。その頃ダニエルと一緒に仕事をしていたのですが私たちはとてもうまくやっていけることに気付いたのです。どういうわけか二人でやることがとても良いバランスを生むのです。
―ファッションに触れたきっかけはなんですか、なぜデザイナーになりたいと思ったのですか
私は常にデザイン一般に興味がありまず初めにインダストリアルデザインの勉強をしました。しかしそれはあまり融通の利かないものだと感じたのです。私にとってファッションデザインは正しい選択だと思います。なぜなら(ファッションデザインは)デザインという枠組みの中で自由があるからです。
―なぜアントワープで勉強することを選んだのですか
アントワープは私にとって明確なチョイスでした。それは私の母親がアントワープ出身というだけでなく学校自体がアーティスティックなアプローチをするところというのも大きな理由です。
―アントワープでの生活について教えてください、そこで勉強するのはどのようなものだったのでしょうか
アカデミーは素晴らしい場所でした。そこにはたくさんの自由がありました。彼らはまるで何も教えていないかのように感じますが、自分自身で学び、そして探究するというところへ自然に導いてくれるのです。生徒に挑戦をさせもし100%のモチベーションで向き合ってないと感じた時には面倒を見てくれません。
―あなたのデザイン哲学について教えてください
私たちのデザイン哲学は人類の形、そしてボディーの曲線への追及です。その結果完成度の高いコレクションが生まれます。コレクションの裏側にはフューチャリズムへの欲望とは対照的にハンドクラフトによるテーラリング技術や完璧なカッティング、そして伝統的なパターン技術が用いられています。その結果洗練され、機能的で、力強く良質なクチュールが出来上がるのです。
―あなたのデザインにアルゼンチン人であることのルーツは感じますか
今のところそれは無いと思います。私はまだアントワープを拠点にしておりそこにはたくさんのインスピレーションソースがあります。なのでそれはその時が来たら入れると思います。
―あなたにとってのデザインアイコンは誰ですか
デヴィッドボウイ、イヴサンローラン、それにピエールカルダンです。
―ファッションデザインにおいてのインスピレーション源はなんですか
常に音楽やSF映画からインスパイアされています。
―あなたの顧客はどのような方々ですか
強い意志を持ち自分のことを良く理解している女性にこの個性の強いクチュールブランドのアイテムを着こなして欲しいと思っています。完璧なカッティング、高給でピュアで機能的にもとても快適なアイテムを着る事により、より完璧で力強い女性になることが出来るのです。
―デザインの過程は常に同じですか
そうですね。はじめに様々な種類のイメージを並べてブレインストーミングすることから始めます。それからイメージボードを創りそれをドローイングテーブルの前におきます。それからデザインの過程が始まります。
―あなたのキャリアにおいて強い影響を与えたアーティストやデザイナーはいますか
私が思うにキャリアのそれぞれの段階においてその時その時様々なデザイナーが影響を与えてきていると思います。なかでも指導者としてのウォルターは自分に一番影響を与えている一人だと思います。
―今後数年どのようにブランドを成長させていくおつもりですか
私たちは常に新しいテクニックを開発し、ハイクオリティを維持しながらゆっくりと慎重に成長させていきたいと思っています。
これまでに私たちはパリで2度展示会を行いました。来期はロンドンでショーを行い、ニューヨークでも展示を行う予定です。近い将来東京でもそういうことが出来たらと思っています。