LondonのShoredichを基点に活動しSuper Super MagazineやLondon Fashion Weekのバックステージフォトなどでも有名なフォトグラファーBilla Baldwin。彼が写真家になった経緯そして彼が影響を受けたフォトグラファーとは。
-あなたの簡単なバックグラウンドについて教えてください
元々はウェールズ出身ですがロンドンに移ってきてから11年が経ちます。ショーディッチには2000年から住んでいます。
―写真家になった経緯について教えてください
12歳の頃から父親のカメラでよく遊んでいたことが最初のきっかけです。農場の動物たちの暮らす景色をきれいに撮ろうと思い、フィルターや二重露光を使用しました。
正式な写真家となったのは、ファッションデザイナーとしての自分はひどいと認識してからです。自分で絵も描くことができなかったので、当時読んでいたすべ てのファッション雑誌から影響を受けていました。(その頃は、少なくとも週に12時間は地元のWHスミスでの立ち読みに費やしていました。)
もっと本格的に写真を始めたのは、当時Aレベルだった生物学や物理学の傍ら、GCSEの写真コースを受講し始めてからです。それからすぐに写真を撮ること が自分にとって重要なことになるだろうと気付いたので、写真のコースに集中するため、Aレベルだった教科をあきらめ、BTEC(Business and Technical Education Council)やHND(大学では取得できない学位の一種)へと進みました。
アシスタントの仕事も数回しましたが、その経験が仕事につながることはありませんでしたし、現在自分が働いている分野への知識を深めてくれるようなことも ありませんでした。私が名前を知られるようになったのは、写真家になって後半になってからのことですが、今では私のビジョンを乱しかねないので、どんな ファッション雑誌も目を通すことも買うこともありません。
パーティー写真を始めたのは、2000年に初めてショーディッチに移り住んだときのことです。当時はフィルムとコンパクトカメラを使い、ガールフレンドの バンドを撮ったりしていました。その前にはgobsusageやcoseyのクラブ写真を撮っていました。大きな変化は、デジタルコンパクトカメラを自身 で購入し、友人でアートディレクターであるChadのアドバイスで’flickr’に写真をアップし始めたときです。それから評判になり、200万を超え る件数の閲覧がありました。女性の胸の写真についてflickrの管理者から苦情がありましたが、あのようなことは今はしていません。
それらのパーティー写真のおかげで、スーパースーパーマガジンと仕事をすることになりました。編集者が私がクラブで撮影した写真を見て、雑誌で私の写真を 使った記事を組まないかと言ってくれました。私は喜んで承諾し、それから音楽やファッションとの仕事へと拡がっていき、最近では4度目となる表紙カバーを 撮り、何ページかのファッションの記事を担当しました。
―あなたの写真のスタイルについて教えてください。時を経てどのように変化しましたか
私はとても素早いと、過去8年間の中でほぼどのモデルも言っています。過去に以前のガールフレンドとテストショットを繰り返してきた中で、彼女に怒られながら、素早いほうがいいのだということを学びました
―過去数年間で、あなたの写真のスタイルに影響を与えた人は誰かいますか
お酒とドラッグ以外は何もありません。
―どのようなカメラを使っていますか?ライティングは?
主にソニーのセミプロコンパクトデジタルカメラ、それからワイヤレスのニコンのカメラを使用しています。雑誌の撮影にはたまにニコンのd200を使うときもありますが、大抵のことにおいてソニーの品質が気に入っています。
―最近撮影しているもの、また、将来撮りたいと思うものは何ですか
スーパースーパーマガジンで4度目となる表紙カバーと、前号では8ページ分の撮影をしたところです。アートディレクターのSteveも素晴らしいですし、 Namaleeは私が一緒に仕事をした中でも最高のスタイリストの一人ですから、本当に何の苦労もなく、いい状態で一緒に仕事ができています。
英国ファッション教会(British Fashion Council)では今でもバックステージを担当しています。Londnon fashion weekのメイン会場の外で、20フィート延長された自分の作品を見るのは、いつでも感動的です。
―あなたが見る人へ期待する、あなたの写真を見ての印象というのは何ですか
クラブ写真であれば、私がいた場所はパーティーなんだなと感じてくれればいいだけです。
―あなたが撮った最高のショットと最悪のショットについて教えてください。
これまでで一番好きだった最高のショットは、スーパースーパーの撮影で取ったソーホーのパンククラブでのショットです。わずかな時間しかない中でモデルや バンド、スタイリストのNamalee、そして私がそれぞれの仕事をしました。私は一時間遅刻し、編集者のSteveは怒りながらも私に始められるか?と尋ね、私は椅子につまずきながら大丈夫だ、と答えました。それからMimmiが衣装室から現れ、その勢いでテンポ良く撮影が始まったのですが、それがとて もいい写真で、それが表紙に使われ、中にも8ページ分使われることになりました。
最悪のショットは、私が状況を最大限に生かせなかったときで、おそらく私の友人の結婚式だと思います。あのときはまったく熱中できませんでした。
―あなたが影響を受ける、尊敬する写真家というのはいますか
Nick KnightとGuy Bourdinです。不思議なことに二人ともとても緻密に計算する写真家です。Nick Knightはi-dで80′sの写真を撮ったことがあり、それが私がカメラへ転向するターニングポイントとなりました。Guy Bourdinは見るだけで楽しませてくれますし、それから、Helmut Newtonも好きです。
―最近お気に入りのものを5つ挙げてください。
ひとつは、10年前にキングスクロスのscalaシネマで酔っ払いながら観た映画が、DVDになっているのを発見したことです。トランスとしても知られている、’der fan’という映画です。
2つめは、その映画のサントラをアメリカから手に入れたことです。
3つめは、私の家のマルタンマルジェラのブレスレットが、googleでもなかなか見つけにくく、かなりのお金がかかっていることです。
4つめは、私のiphoneがビジネス取引に使えて、JAZZにも便利ということです。
5つめは、ドクターマーチンブーツを半年履き続けていますが、未だに新品に見えて、本当に気に入っています。
―最近気に入っているパーティーは何ですか。ロンドンで行くべきお勧めの場所はありますか
くだらないので家にいるか、ベルリンに行った方がいいです。でも、ハックニーにあるnuke em allはいいですね。ロンドンでいい場所だったら、ye olde axeでストリッパーを見てください。