2008S/S London Fashion Week期間中にSuper Super主催の合同ショーにてキャットウォークデビューをしたKOMAKINO。ブランド名はKomakinoというJoy Divisionの曲名からきているもので、日本語訳するとKoma=コマ Kino=劇場(ドイツ語)新宿にあるコマ劇場という意味。イタリア人男性と韓国人女性のカカップルによる注目のデザイナーデュオKOMAKINOに話をうかがった。
—まず今回の2009S/Sのコレクションについてお聞かせください
今回のコレクションはヨーロッパのソルジャーやアーミーなどの’Feeling of Loss”(感覚、価値を失った兵隊達?)というのが基になっています。「全てがなくなり全ての道が閉ざされたときに何が残るんだろう」そういったことを考え ながらデザインしました。オーバーサイズTシャツのプリントになってるFeeling of whats left when everything is gone and shatteredWhat Ends When The Symbols Shatterというのは今回のコレクションを象徴するものでこれはDeath In Juneのアルバム(1992年発売)のタイトルから来ています。他にプリントされているのは(古代スウェーデンの文字である)ルーン文字から来ています。色はKomakinoスタイルである黒と白のみで形成されています。
—今までの(難解な)コレクションと比べ着易いアイテムが揃っているような気がしますがその辺は意識したのですか
今回は(Komakinoらしさを維持しながら)今まで以上にマーケットというものを意識してデザインしてみました。今まではKomakinoらしいT シャツばかりしか作ってこなかったけど今回が初めて本当にベーシックなTシャツを作ったといえます。勿論ベーシックなだけでなくKomakinoらしい ボックスシルエット、オーバーサイズのものや袖が2重になっているものなどもデザインしたが。素材はコットンを中心にキャンバス、レザー、デニムなど。レ ザーはディテールなど細かい部分に,キャンバスは後染めしたものを使用しました。コットンジャージーは何種類か使用して少し軽めなものなど素材を使い分けて います。プリントもののアイテムは今までにも何個かありましたがこんなにたくさんのプリントものを作ったのは今回が初めてです。
—ジャーナリストやバイヤーたちの評価はどうでしたか
ジャーナリストの評価はとても良かったといえるでしょう。正直もっと悪いことを予想していましたがバイヤーからも同様に高評価だったと思います。でも今はファッションにとって良い時期とはいえません。聞いた話だけど大きなブランドでさえクライアント(商品を扱うお店)を多数失ってるそうです。ただ自分達のブランドは今のところセールスもうまくいっています。コマーシャルピース(売りやすい、着やすいアイテム)は少し増えたけど僕らの世界観を表現してく れるお店だけに扱って欲しいと思っています。ただ売りたいがためにお店を増やしたり、売りやすいアイテムをつけてくれるお店だけを探したりということは絶対にしません。名古屋のお店とコンタクトはとったものの正直自分的にはおきたくなかったんだ。ミッドウエストは自分たちにとって完璧なチョイスのお店と言えるでしょう。他のブランドともフィットするしね。Candyはアンダーグランドの関係性が強いですし。
—日本以外での展開はどうですか
難しいですね。香港やパリ、NYの有名なお店からコンタクトはありましたがどのお店も時間が合わなかったりロンドンまで来れなかったりで・・・だから(次回は)パリには2日間くらいそういった人たちのために行くつもりです。
—次のシーズンについて聞かせて下さい
(今までの)ダークなイメージを保ちつつ、(16世紀のアーティストの)Hans Holbeinの‘Dance of Death’から着想を得たコレクションになるつもりです。今はイメージをビルドアップしている段階だからまだ深くは言えないんですが。
—以前Super Superのコレクションでキャットウォークを披露したんですが近いうちにショーを行う予定はありますか
うーん・・(ショーをやれるかどうかは)スポンサー次第です。僕らはここまで3シーズンうまくやっています。(あせってショーをするよりも)それを続けら れればいいと思っています。うまくやっている分だけまた次のシーズンに投資も出来るわけですし。勿論ショーを行いたいとは思っていますが。
—London Fashion Weekについてどう考えていますか
ごめんなさい。あまりわかりません。正直その期間中は自分たちのブランドのことで精一杯でそれどころじゃないです。他からの情報もいれたくないし、時にはファッションウイークから逃げ出したいって思うときもあるんです。
ただLondonは若手デザイナーたちにも可能性があってそういった雰囲気はミラノやパリのファッションウイークとは大きく違うところです。NYはあまりにもビジネスよりだからちょっと僕らの考えるファッションとは違いますし。
今はロンドンにはビッグデザイナーがいないからそこにはスペースがあるんです。だからそのスペースに新たなデザイナーが入れるチャンスがあるんじゃないかと思います。もちろんそれが僕らだと言ってるわけではないですが。
—世界的経済不況ですが影響は受けていますか?
今の世の中は簡単に注意を引くことは出来るけどバイヤーに買ってもらうのはなかなか難しいと思っています。最近のLondon Fashion Weekがいい例ですね。バイヤーたちなんて誰も来ませんでした。(ロンドンにいる)有名なデザイナーたちもそうだけど僕らみたいな小さな規模でやってるデザイナーたちにとってはもっと大きな打撃だと思っています。もしかしたらパリがなにかを表現する場所としては最適な場所かもしれないとも思います。
—Komakino Customerとはどういった人たちでしょう
それぞれのコレクションは音楽だとかバンドとかからものすごく影響を受けているんだけどそういうものやカルチャー,そしてなにより洋服自体が凄く好きな人たちが今は僕たちのお客さんだと言えます。だからそういう人たちがもっと増えればいいと思っています。
では最後に日本人のファンに一言お願いします
(Komakinoは)日本人の顧客たちに支えられていてとても感謝しています。日本のカルチャーが凄く好きだしすぐに戻りたいと思っています。新しいコレクションを披露出来る場としてもいい場所だと思っています。
—東京コレクションということですか
多分ね(笑)。可能性は否定しません。
日本人の消費者たちはデザインだけでなくそのデザインの背景まで見てくれるんです。日本人のファッションの理解力は驚くほどでヨーロッパのそれとは全然違います。もちろんアメリカよりよっぽど。日本人は平等に評価してくれるし、僕らだけでなくデザイナーたちそしてアートにかかわる人たちすべては日本人のそ ういった意識の高さに感謝するべきだと思います。
HP – http://www.komakinodesign.com/
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