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AKIRA NAKA

AKIRA NAKA

アメリカ在住時にテイラーに出会いデザインを始める。アントワープ王立芸術学院在学中にイェール国際モードフェスティバルに参加。その後アントワープにおいてニットデザイナーに師事。21_21DESIGN SIGHT, ROCKET GALLERY等でプレゼンテーションを行う。08年JFWにおいてコレクションを行う。
→ AKIRA NAKA

Bianchiに乗って


ロードに乗って出かけた。
中央アルプスを見ながら、田園風景の中を走る。
風邪は少し強めだが、のどかな景色は気持ちをなごませてくれる。

昔はロードに明け暮れていた頃があった。
ツールを中学の時にテレビで見たのがきっかけだった。
あの頃のツールはまだインデュラインがデルガドのアシストを
していた。ジャンフランソワベルナールやフィニヨンの時代。
ブーニョがジロの完全制覇をしたのもあの頃だ。
そしてレモンの奇跡の逆転に感動していた。

あの頃の自分が考えていたのはレースで勝つ事ではなかった。

そもそもテレビで観ていた欧州のロードレースはチーム競技なので自分が勝つ必要はない。
自分の役割を果たせばそれでよく、その中で中継などで
取り上げられる事(ウェアに記載されたスポンサー名の露出と
自分のアピール)が重要とされていた。

レースに勝つ事ではなく、自分のレースをする事。

誰よりも速くゴールにたどり着く事、それも素晴らしい。
しかし他にも賞賛に値するものはたくさんある。
ゴールで活躍する選手がいるのど同じ様にそこまでの過程で
ギャラリーを魅せるレーサー達がいる。
日本では1番になる事が勝利だと考えられているが
欧州ではそれぞれにそれぞれの勝算があり、その数だけの
勝利がある。

それはスポーツだけでなく、デザインやファッションそのものにも
あてはまると感じる。

大切なのは誰よりも速いことではなく、自分のレースを走る事だ。

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