ロードに乗って出かけた。
中央アルプスを見ながら、田園風景の中を走る。
風邪は少し強めだが、のどかな景色は気持ちをなごませてくれる。
昔はロードに明け暮れていた頃があった。
ツールを中学の時にテレビで見たのがきっかけだった。
あの頃のツールはまだインデュラインがデルガドのアシストを
していた。ジャンフランソワベルナールやフィニヨンの時代。
ブーニョがジロの完全制覇をしたのもあの頃だ。
そしてレモンの奇跡の逆転に感動していた。
あの頃の自分が考えていたのはレースで勝つ事ではなかった。
そもそもテレビで観ていた欧州のロードレースはチーム競技なので自分が勝つ必要はない。
自分の役割を果たせばそれでよく、その中で中継などで
取り上げられる事(ウェアに記載されたスポンサー名の露出と
自分のアピール)が重要とされていた。
レースに勝つ事ではなく、自分のレースをする事。
誰よりも速くゴールにたどり着く事、それも素晴らしい。
しかし他にも賞賛に値するものはたくさんある。
ゴールで活躍する選手がいるのど同じ様にそこまでの過程で
ギャラリーを魅せるレーサー達がいる。
日本では1番になる事が勝利だと考えられているが
欧州ではそれぞれにそれぞれの勝算があり、その数だけの
勝利がある。
それはスポーツだけでなく、デザインやファッションそのものにも
あてはまると感じる。
大切なのは誰よりも速いことではなく、自分のレースを走る事だ。