Interview

PEACHOO+KREJBERG

シフォンやサテン、レースといった軽く上品な素材を扱い、ミステリアスなダークエレガンスを感じさせる2013年春夏コレクションを展開したPEACHOO+KREJBERG。Peachoo DatwaniとRoy Krejbergの男女デュオデザイナーが、異なる文化を背景に洗練された美意識から、モードやラグジュアリーな要素をリアルクローズに落とし込むデザインを発表している。

今回最新コレクションと共に来日したデザイナーの1人、Roy Krejberg氏に今シーズンの内容やパリで行われたプレゼンテーションについて伺った。

―ファブリック選びからコレクション作りを始めるそうですが、今季始めに選んだファブリックはどういったものですか?

今回は遠目から見るとレザーに見えるのですが、実際はレザーではない生地を、その次にレースを決めていきました。最終的にはレザーも使用しています。

―素材を決めていく中でイメージはどのように膨らませていくのでしょうか?

トワルの段階でカッティングをシンプルなものにするか、複雑なものにするかを組み合わせて当てはめていきます。

―どのような女性像を思い描いていますか?

女性らしさと男性らしさを持ち合わせ強く、自立しています。そして何かに頼ることなく自分が何をしたいか、どう見られたいかを理解し、実行していけるモダンな女性です。カワイイではなく、格好良くヴィジョンがはっきりしている人ですね。アーティストのビョークや女優のヴァネッサ・パラディ、ティルダ・ウィンストン等が自ら好きで買ってくださっているのですが、彼女たちのような女性は私が着てほしいと思う女性です。

―今回のコレクションを作るにあたってどのようなリサーチをされましたか?

毎回始めに出来たものから進化し、それが全体に集まった時にコレクションとして成立する作り方をしています。そのためテーマを決めてその中で調査し、進めていくことはしていません。

―ハンドメイドクラフトの技術を大切にされているそうですが、今回はどのような取り入れ方をされたのですか?

今回使用しているビーズ刺繍やエンブロイドの刺繍などはすべてハンドメイドで行っています。 ハンドメイドを入れることによって、同じ型であっても1つ1つが異なる特別なものになります。

―モノトーンカラーにこだわりはあるのですか?

いつも黒からスタートしています。黒よりも美しい色彩はこの世には存在しないと考えています。形やシルエットもよく見えますし。もともと白黒写真が好きで白と黒の2つのコントラストがとても美しいと思っています。今回のコレクションでは、中間のグレーという色彩を挟みましたが、常に黒と白黒のコントラストが出発点となっています。

―白黒写真を撮る好きな写真家はいらっしゃるんですか?

特定の誰かというわけではないのですが、ロンドンのギャラリーで購入したとても大きな白黒写真が気に入っています。若者の表情を捉えた写真で、強いインパクトがあるものです。やはり印象に残るのは白黒写真だと思っていますね。

―パリで行われたプレゼンテーションでこだわったことは何ですか?

普段行っているショーとは異なることをやりたかったので、ランウェイショーとエキシビジョンのちょうど間のような見せ方をしたかったのです。普通のショーだと来場者が終了後すぐに外に出て戻ってしまうことも多々ありますが、会場内でショーも開催できて、なおかつ滞在出来る形式にすることでゆっくり洋服を見ることができ、よく見てもらえるようにしました。モデルも出たらすぐ戻らず滞在させ、コレクションの全てが見れるようにしたのも今回の特徴です。

Interview & Text:Tomoka Shimogata

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