” 僕は究極の衣服が何なのかはわかりませんが、現状での衣服の持つ根源的で隠された(忘れかけている)力を引き出す事が今回の課題でした”
→writtenafterwards collection #07 THE SEVEN GODS -clothes from chaos- 1/2
―今回アダムは究極の衣服を求め、ファッションデザイナーとなったとされていますが、物語を通してアダムは自身を投影した存在ということでしょうか?
僕がディレクションを行なっているという意味では、少しばかりは投影していると言えるかもしれませんが、あくまで僕が想像したキャラクターです。
―今回のコレクションでははwrittenafterwardsにとっての“究極の衣服”が登場するということでしょうか?
僕は究極の衣服が何なのかはわかりませんが、現状での衣服の持つ根源的で隠された(忘れかけている)力を引き出す事が今回の課題でした。
―会場は宮下公園ですが屋外での演出ということにはこだわりはあったのですか?
現実の世界における精神的な機能性を感じてもらいたいと思い、日常と非日常の接点を作り、躍動感を引き出したいという思いから、野外での発表を決めました。
―「THE SEVEN GODS -clothes from chaos-」というタイトルですが、コレクションにあたりリサーチしたものはどういったものですか?
世界の伝統衣装、日本の伝統文化、世界の宗教、お金の歴史、フリーマーケット、子供玩具等です。
―衣服ということで素材選びをされたと思いますが、物語を進めてきた上で素材に対するアプローチにも変化があるのでしょうか?
一つの素材に対して、とても時間をかけて生地から作りました。時間をかけて作った分、その反動として、時間をかけず日常の中でのありふれた素材も使いたくなりました。
―今回のショーではどんなところに注目してみてもらいたいですか?またこれまでのショーと比べて何か変わった点などはありますか?
まず僕自身の精神的な感覚が変わりました。2年前のショーの後、自分がこれからどう進めば良いかわからなくなってしまい、ある種のスランプ状態になったのですが、その時期、ふと勉強しようと思い立ち、本を読むようになりました。また幸運な事にファッション以外の様々な研究をしている方と出あう機会が増え、沢山の事を学ばさせてもらいました。遅ればせながら本当の意味での学ぶ事の重要性に気づいたのも最近です。
見てもらいたいところは、様々なファッションの視点、レイヤーを入れ込みました。答えを見つけるのではなく、
すべては価値あるのもであると同時に、“無”価値でもあるという事です。特に今回表現したいのはファッションの瞬間性と永続性の同居です。
Interview & Text:Masaki Takida
writtenafterwards collection #07
THE SEVEN GODS
-clothes from chaos-
ADAM URASHIMA
2013 $$ collection “Bye Buy”
究極の衣服を求め、いつしかファションデザイナーとなった、アダム浦島。
しかしながら、究極の衣服が作れず苦悩の日々を送っていた。
アダムが作ったおびただしい衣服は、人々には到底理解されず、
作品はいっさい売れることはなかった。
日々の過労により、アダムは衰弱しつつも、力を振り絞り渾身の18体を制作。
ついにアダムは人生初のファッションショーを披露することとなる。
※THE SEVEN GODSは、昨年の東京オペラシティギャラリーでの展示から始まる物語の最終章となります。
DATE:2012.10.20 ( Sat. )
TIME:21:00 start ( 20:30 door open )
PLACE:SHIBUYA FASHION FESTIVAL at MIYASHITA PARK
※一般の方もご来場頂けますが、会場の広さには制限があり、見えづらくなってしまう事もあります
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