Interview

CREATIVE DIRECTOR Etsuko Yoneyama 3/5

私はお客さまの為だけにLamp harajukuをやっているわけではありません。アーティストさん達の為にやっているというか。それがアートであれ、ファッションであれ、プロダクトであれ、やりたいことを表現しているアーティスト達の為に

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―ブランドをセレクトする基準はありますか?

そのブランドの世界観とお店の空気感が合うことです。オリジナリティーがあるとか。ランプでやる意味があるのかどうかは必ず考えます。

―ランプでやる意味とはどういうことでしょうか?

他社とか他のお店で大きく取り扱いがあったりするところはランプでやる意味を考えます。まだあまり世に出ていなくてランプがきっかけで発信していったりできたら。そういう役割の店でいたい、そこがやりがい、生き甲斐と思っていますので。
ブランドとともにお店も常に成長してたいと思っています。

―magmaは学生の時から取り扱いをしていたそうですね。そういったアーティストさんやデザイナーはどうやって探すのですか?

とにかく合同展示会とか展覧会とかこまめに足を運びます。扱っているアーティストさんのつながりで紹介してもらったりもします。目当ては違うアーティストさんだったりしても合同でやっていて発見したり、今はほとんどなくなりましたが雑誌を見てとかもありました。

magma 「マグマ・ショー」at Lamp harajku gallery / 2012年6月

―そういった無名のブランドやアーティストさんでも売れる売れないは気にしますか?

それは気にしますね。やっぱり会社はビジネスですし経済的なプレッシャーもありますので。ただそれは結果です。売れるものをやるというよりかは良いものをセレクトしたいと思っています。

―学生や無名の若者達をセレクトすることに対して不安はないんですか?

私の中ではありません。ですが店舗の人達は不安がりますのでウインドウを使ったりしてプロモーションをしたりしています。

―オープンから数年は店頭にも頻繁に立たれていたそうですが。

はい、5年くらい前までは週に1,2回くらいは立っていました。
やっぱり店舗に立つと直接お客さまの反応が見れる。でも私はお客さまの為にオーダーをすることはありません。デザイナーさんやアーティストさんが見せたいものをランプという場所を使って表現させる、してもらう。私がこういうものをやりたいという想いとデザイナーの想いがリンクするものを提案する。一般的に売れる売れないものというよりはそっちの方が重要なんです。勿論売らなければいけませんが世界観は大事。それをスタッフにこれがいいものだと伝えるのが私の仕事です。売れるか売れないかはそこにかかっています。デザイナーの、そのものの背景を伝えます。

―今仰ったことと同じようなことが以前のブログに書かれていました。

“わたしはわたし自身だけの満足やランプのお店が単にたくさんの人に知ってもらう事はやっぱりぜったいにしたいとは思わないむしろ全く興味がない。わたしはこうしたアーティスト達の為にLamp harajukuを存在させたい”
もう少しこのことについて詳しく教えてもらえますか?

お店をやる上でお客さまの為を思って店作りをしていった方がいいと思うんですけど私はお客さまの為だけにLamp harajukuをやっているわけではありません。アーティストさん達の為にやっているというか。それがアートであれ、ファッションであれ、プロダクトであれ、やりたいことを表現しているアーティスト達の為に。
でもこのことが結果、お客さまにとって想像を超えるようなもの、感動とか、驚きとか、「こんなものが存在しているんだ」ということをお客さまに感じていただきたい。そしてそれを身につけたり、部屋に飾ったりした時に幸せな気分になってくれていたらそれはとても嬉しいことです。

―地下をショップスペースではなくギャラリーにしようと思ったのはなぜですか?ショップとはちがい直接的な売り上げには繋がりませんがお店で扱っているアーティストさん達の紹介の場といった意味合いもあったのでしょうか?

元々地下は倉庫だったんですけどまず場所がもったいない。お店として洋服だけでなくもう少し気持ち的に余裕のある空間にしたいと思い2001年にギャラリーとしてオープンしました。最初は取り扱っているデザイナーさんのプロモーションとして今ウインドウでやっているようなことをギャラリーでしていました。それからだんだん完全にアートにしたのはこの4,5年です。今はお店で扱っていないアーティストさんの個展なども行っています。

ファッションってとても身近で、いつも寄り添っていてくれるような存在なのですが、アートっはもうちょっと気持ちがなんとなく未来を感じさせるものな気がします。ですのでお店の中で身近で寄り添ってくれるものだけでなく少し先の未来とかそういう空間を提案する。買って手に入れなくても何かその空間に自分が来ることによって気持ちが高ぶったり、そういう空間をお店の中で表現していきたいです。

―お店とギャラリーのコンセプトは共通しているのですか?

最初はお店で扱っているアーティストさんをギャラリーでやっていましたのでそうだったのですがきちんとこの場所をギャラリーとして存在させようと思った時からそういうものではなく私と(NY在住のキュレーターの)ハンナの二人で自分たちが今表現してもらいたいアーティストさんにここで表現してもらうというコンセプトに変えました。彼女はNYでアメリカを中心にヒッピーライフスタイルを身近に感じている人、私は東京という場所で私が今見せたい人を見せていこうと。洋服のコンセプトとは違ってきています。

ギャラリーがきっかけで男性も来てくれるようになりましたし、年齢にも幅が広がりました。案外アート業界の人も足を運んでくれるようになりましたね。

sina 有本ゆみこ「あまい おんな」展 at Lamp harajuku gallery / 2012年2月

―H.P.FRANCEの会社内にもいくつかギャラリーがありますよね。でも他のギャラリーとランプのそれはまた全然違う印象を受けます。

hpgrp Gallery TOKYOはアート、こっちはもう少しアート感のあるもの。身近なもの。コレクターの為のアートではないもうちょっと気軽なアートです。ここで気軽に見れないのは入店するのに緊張してしまう男子くらいですね!(笑)

―当初から来るお客さんの層は変わってないんですか?

オープン当初から来てくださっている人が3割、20から25くらいだった方達が今30半ばです。層はかわっていないし意識しているところもありますが専門学校生や美大生とか美容師さんが常に来たい、その人達の間で話題に上るお店というのは意識しています。彼らは敏感な方達ですし。
だんだん年齢が上がってくるとだんだん保守的になってきます。でもそっちばかりでは面白みがなくなっていく。新しいものが好きというよりかは面白いものに挑戦してみたいと思える年頃の女の子達。結構幅広いんです。看護婦さんも凄く多いいようです。
30歳を過ぎても可愛い服を着たい人がとても多いですし、お店のスタッフも6人いますけど3人が30代なんです。

―米山さんが好きなものは10年経っても変わらないのでしょうか?

基本的には変わりません。その時々で気になるものは勿論ありますが軸はぶれていません。

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