2012年3月21日〜27日まで開催されたGINZA FASHION WEEKに合わせ、松屋銀座内でNYのデニムブランド「JEAN SHOP」がフェアを開催した。
「JEAN SHOP」は2003年、‘ラルフローレン’や‘GAP’で活躍したエリック・ゴールドスタインに、’ラッキー・ブランド’の設立者でもあるジーン・モンテサノとバリー・パールマンの2人を加えた計3人によって設立された。彼らのモノ作りの特徴は、すべての作業を自らが1つ1つ手作業にて行うことで、1つ1つの商品に全く同じ物はないことである。
その実績は歴然としており、NYマガジンは05年、07年とベストデニムストアに挙げている。NYのミートパッキングエリアにショップを構える他、米国をはじめ日本、イタリア、香港、フランスなどに店舗を抱え、世界中から絶大な支持を得ている。
今回GINZA FASHION WEEKの企画に賛同し、来日を果たした「JEAN SHOP」のデザイナー、エリック・ゴールドスタイン氏。豊富な知識と経験を土台に、クラシカルかつ長年にわたって愛用できる、世界屈指のデニムを作ることを目的とするブランドについて、近年のデニム市場について話を伺った。
―まず銀座ファッションウイークに参加しての感想を教えて頂けますか
想像していた以上に大きなイベントでしたのでそれに参加できてよかったです。色んなジャンルの方たちが参加していたのでファッション産業にとってとても良いことだと思います。ファッションショーで自分のプロダクトを見るのは興奮しますね。
―今回のイベントの為に新しくウォッシュデニムを10型作ったそうですがそれに関して教えて頂けますか
様々な種類の物を持ってきました。タイダイのモノやディストレストデニム、カラーデニムに、ストレッチデニムも持ってきましたし、レザーにも力を入れていますのでそれの1点モノも持ってきています。それにタイダイのレザージャケットというのも今回特別に作りました。
―ここ最近ではジーンズのウォッシュの仕方でもエコなものが流行っていますがJean Shopでは環境に配慮した製造工程を取っているのでしょうか
ケミカルウォッシュもしていますがハードケミカルは使用しておらず全てスーパーでも買えるような安全なものばかりです。ウォッシュも店の裏で手作業でしています。サンドブラストは環境に良くないのでそういったことはしていません。私たちのプロダクトは全てNYで生産していますのでエコフレンドリーと言うことはとても重要で全てのプロダクトがとてもエコフレンドリーなものになっています。
それに加え例えばレザーの端切れでブレスレットを作ったりだとか、デニムの端切れで作ったりだとかごみを出さないことも常に考えています。
―ここ数年日本ではデニム不況が騒がれていますがNYではどうなのでしょうか
NYではほとんど変わっておらず需要は安定してあると思います。
実際に日本での需要が落ちているということを聞いて私はとても悲しく思いますし、とても驚きでした。日本のデニム産業はとても優れていますし、職人に対して尊敬の念も抱いていますし、日本に来るたびに日本のデニムに触れるということをとても楽しみにしています。今回は残念ながら時間がなくてあまり見れていませんが。
―JEAN SHOPはあまりトレンドとは違うところで勝負しているブランドだと思いますがどんなものが売れているのでしょうか
クリーンなジーンズ、それにカラーデニムが今は凄く売れています。
―プレミアムデニムと言われるものはプリントデニムが主流になっていると思いますがそれに関してはどう思いますか
プリントデニムに関しては全く良いとは思いません。市場には溢れているとは思いますがそういうことを自分のブランドではやるつもりはありません。
それにプレミアムデニムブームはありましたが“プレミアム”と謳ってるブランドが果たして本当にプレミアムなのかどうかはわかりません。
―生地は全て岡山のセルビッチデニムに拘っているそうですがそれはなぜですか
インディゴ染めの歴史に関しても凄く長いですし個人的に岡山産のデニムが世界で一番素晴らしいと思っているからです。使っているデニムは全てセルビッチですが100年前と同じクラシックな方法で作られています。
近年では機能素材等も騒がれていると思いますが私自身はモダンなテクノロジーには興味がなくクラシックで古いやり方のみに興味があります。テクノロジーではなくライトオンスを使ったりシャンブレーを使ったり、幅広いオンスの生地を使用することにより暑い季節、また寒い季節にも対応しています。
―今まではデニムのイメージが凄く強かったですが最近ではレザーや小物などにも力を入れている印象を受けます
デニムだけではなくバッグなど小物も含めてライフスタイルでJEAN SHOPを提案出来ていけたらと思っています。