Interview

STORM IN A TEACUP

広大な日本のマーケットと比較すれば、ロンドンではデザイナーヴィンテージを取り扱うショップはまだ決して多いとは言えないが、それでも注目すべき新しいショップがいくつか登場し始めている。
その一つとして挙げられる「STORM IN A TEACUP」は、国際的なモデルであるClaudia Rabaとアーティスト、スタイリスト、セットデザイナーであるJoe Millerのアイデアから生まれたHaggerstonのショップ。店内ではComme des Garcons、Vivienne Westwood、Issey Miyakeといったデザイナーの貴重なヴィンテージやEley Kishimotoのコレクション、更にカラフルなハンドメイドスイーツがエクレクティックにミックスされている。
世界中に埋もれた宝物を探し求めるファッション・パイレーツであるオーナーのJoeにインタビューを行った。

―ショップのコンセプトや美学を教えてください。

ショップのコンセプトは本当にシンプルで、ただ自分たちのパーソナリティを表現した何かを創りたかったのです。ショップの美学はそれをよく反映できていると思っています。ジョージ王朝風のショップを装飾のないありのままの状態に復元してから、改装で再生した木材、樹齢150年のフランスのオークの枕木、オレンジネオンのアクリル樹脂、丈夫なガラスやスチールを用いて自分たちの個性を加味しました。ショップは何年もかけて収集したデザイナーズヴィンテージのコレクションを展示・販売し、またゲストデザイナーを紹介する場として存在しています。現在はEley Kishimotoを取り扱っていて、最終的には自身のレーベルも紹介したいと考えています。全体のコンセプトに楽しさを加えるために、「The Candy Shop」というニックネームと付けた昔ながらのスイーツのカウンターもあります。是非実際のショップを見に来でほしいです。

―お二人のバックグラウンドを教えてください。特にJoeは長い間Vivienne Westwoodで働いていたと聞ききましたが、その期間はどうでしたか?

私はファインアートを勉強しましたが、Simon Perryという仲の良い友人がMario Testinoのアシスタントをしていたお陰で、彼のLatimer Roadのオフィスで少し働くことになりファッションの世界へ偶然足を踏み入れました。それがきっかけでVivienne Westwoodで働くことになり、スタイリングへの見識を養うと共に、パリのショーでのセットデザインにも大きく関わるようになりました。それからフリーランスとしてスタイリングとセットデザインを手がけるようになり、Claudiaと「Storm In A Teacup」をオープンすることに決めたのです。

Claudiaはミュンヘンで演劇と歴史を勉強しながら、ドイツでモデルとしても活動していました。そしてミュンヘンを離れ世界を旅して回ることを決め、それ以来国際的なモデルとして現在まで活動しています。Claudiaは何処にいても隠れた宝物を見つけることができる素晴らしい才能を持っています。

―どうしてデザイナーズヴィンテージに情熱を持つようになり、ショップをオープンするに至ったのですか?

元々二人ともがコレクターなのです!お互い知り合う前から、ファッションだけでなく興味あるものは何でも収集していました。何かスペシャルなものが手に入る機会があれば、いつも飛びつきます。沢山旅行もするので、いつもデザイナーピースだけでなく様々な魅力的なアイテムをピックしています。私たちはファッション・パイレーツで、それらのコレクションは宝物です。その情熱に自己満足以上の目的を与えるために、ショップで体現することが必要になったのです。

―ピースを選ぶときの基準は何かあるのでしょうか?

ただ私たちが大好きであるということです。

―ヴィンテージピースだけでなく、Eley Kishimotoのコレクションも扱っているのはどうしてですか?

Eley Kishimotoだけでなく、最終的には私たち自身のレーベルも紹介しようと計画しており、他のゲストデザイナーをショップに招待することで、私たちのベンチャーの将来を切り開いていくと考えています。Mark Eleyとはパリの並木街路で偶然出会ってから長年ずっと良い友人でもあります。

―毎日どのような服を着ていますか?やはりヴィンテージでしょうか?

毎日違ったものを着る傾向があるのですが、今日着ているのはマルジェラのスニーカーにヴィンテージのレザーパンツ、1940年代のリバーシブルのニット、ノルウェーのハンドメイドカーディガンにラフシモンズの圧縮ウールのオーバーコートです。ヴィンテージとデザイナーズの良いミックスだと思います。


写真左より:Junya Watanabe £950, Thierry Mugler, £380, Issey Miyake £385

―最も気に入っている、スペシャルなピースを教えてください。

沢山あって1つには決められません!ですのですごく難しいですが、Vivienne Westwoodの「タイムマシーン」コレクションのニットウェアピースはとても気に入っていますね。

―夜に見かけることも多いのでパーティ好きだと思うのですが、どの辺りに出かけていますか?

行けるところはどこでも。健全な古風のパブと本物のビールが好きですが、でもだいたいいつもManero’sにいることが多いですね。住んでいるフラットのすぐ隣で、オーナーも昔からの友人なので、、、。

―ショップのニュースを何か教えてもらえますか?よりデザイナーの商品とパーティを増やして行くのではと思いますが?

その通りです。それに今週撮影しているI-Dオンラインのためのビデオは面白いものになると思います。「A Band of Buriers」のトラックで私がパントマイムをしていて、とてもシュールレアリズムなものになると思っています。また私の兄弟のバンド「Son’s of Mischief」ともいつかコラボレートしたいと考えています。

STORM IN A TEACUP
366 Kingsland Road
London
E8 4DA
Tel: +44(0)2081275471
Email: shop@storminateacuplondon.com
Opening Hours: Mon-Tue Appointment Only, Wed-Sat 11-7, Sun 12-6
http://www.storminateacuplondon.com/

Interview, Text & Translation:Yasuyuki Asano Photo:Kazuma Sato

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