Interview

Kim Songhe ~It is thankful to you from Kim Songhe~ 2/3

私は0からモノを作ることはできません。あるものを利用することは好きなんですけど。私の作品は誰かの上にでしか成り立たないものなんです

―10月にはPASS THE BATONで展示もしましたがキムさんの考え方もPASS THE BATONと通ずる部分があると思います。

あの場所でああいうことがやれたのは凄く良かったです。お店も好きですし、場所もいい所なので、私からお願いしてなんとか開催することができました。

―今回の展示では不要になったおもちゃを集めてもらったそうですがそういうことって普段からやられたりするんですか?

不要になったおもちゃとかはいくらでもほしいのですが多分それだと本当に使えないものが集まってきそうなのでなかなか難しいかなって。

―素材をそのままの状態で使用するとのことでしたがそれはなぜなんですか?

可愛そうですし、そのまま使ってあげたいじゃないですか。

―キムさんの作品をオーダーされる方ってどんな方が多いんですか?

芸能人とかSHOP、あとは子供部屋のために買うとかそういう方が多いです。親が使っていたぬいぐるみで作ってくださいというオーダーを受けることもありますし、どなたでも依頼があれば作ります。先日も一般の方からクリスマスツリーをオーダーしてもらって作りました。

―親が使っていたぬいぐるみでシャンデリア!それこそパスザバトン(PASS THE BATON)ですね。

本当はそういう依頼がもっと増えてほしいんですけど、でもまだまだです。

―現在は2人の子供の母親でもあるキムさんですが子供ができて何か変わった部分ってありますか?

保守的になりました(笑)どうにかしないといけないとは思っています。

―キムさん自身、子供に何か作ったりはしないのですか?

作ってあげたいんですけどまだ実現していません。自分が作ったTシャツは着せていますけど、それぐらいですね。BANDAIさんとかと一緒に何かおもちゃとか作れたら面白いなと思ってたりしますけど。

―「キムソンへの簡単シャンデリアキット」とかいいかもしれないですね。

いいですね。マジックテープとかでぺたぺたくっ付けて作るとか。おもしろそうですね。

―シャンデリアに使うぬいぐるみ自体は作らないのですか?

私は0からモノを作ることはできません。あるものを利用することは好きなんですけど。私の作品は誰かの上にでしか成り立たないものなんです。

―アーティストとしてオーダーのシャンデリアなどを作る一方、量産のプロダクトもすごく完成度が高いと思います。言い方は悪いですがチープで誰でも買える値段に設定されて、尚且つKim Songheの色を出しているというか。

売れてほしいですね。どこかとコラボしたりとかも出来たらって思っているんですけどね(笑)

―売れるものとKimさんがいいと思うものにギャップはありますか?

売れるものというか自分は「キャッチーなもの」を作っています。量産だからとか、一点ものだからとか特に考えて作っていませんし、結局私が作るから一緒だと思っています。
ただその中でも量産のアイテムはシャンデリアが高くて買えない方のために、安く私の作品を手にとってもらえるようにと思って作っています。

―服は作らないのですか?

やらないと思います。今いるデザイナーたちより自分がすごいことをできる気がしないので。
Tシャツは作っていたことはあるのですがもうあまり売れなくなってきたので、コラボレーションとかでやってもらうほうが合理的かなと思っています。

―キムさんが凄いと感じているデザイナーって例えばどのようなデザイナーの方ですか?

NOZOMIさんとか、ギャルソン、アンダーカバーとかですね。
洋服をやってその方たちより私がすごいことを出来る気がしないので、やることはないと思います。

―アニメとかは見るんですか?

日本のものはそれほど好きではないんですけど、ヤンシュヴァンクマイエルは好きです。ぶっ飛びすぎて凄いなと思います。よくあそこまで詰めて作れるなって。私には出来ないので尊敬します。
ティムバートンも凄いなって思いますし、ウォンカーワイ監督にも影響を受けています。特定のアーティストというよりは映画監督に影響を受けることは多いですね。

―ウォンカーワイは少し意外ですね。

そう思うと思われますが実は音楽と写真のような映像とか参考にしています。トニーレオンさんも好きですし。

―色使いも気にしていたりしますか?

していますね。何となく無意識に選んでいると思います。

―そもそもシャンデリアってどうやって作っているのですか?

縫ったり、くっ付けたり、様々です。デザイン画は描かずに最初に材料や素材を大体決めてイメージを固めます。土台をデザインして業者に頼んで、そこから配線を繋いで、ぬいぐるみを装飾して。
実用的なことを考えて溶けては困るので電球の近くには取り付けないようにしています。

―完成してから直したりすることもあるんですか?

それはあまりないです。

―完成はどこで判断されるのですか?

全てが埋まったらです。隙がないというか、埋まったら終わりという感じです。

―同じものを作ることって可能なんですか?

素材があれば大丈夫ですよ。

―キムさんのやられていることってコラージュでもあると思うのですがそれをやるにおいて大変なことってなんですか?

ボリューム感ですね。ギュッと感というか。

―全体像は作る前から見えているのですか?

なんとなく見えています。そうでないと全く作れないので。
文房具や本は作っていて先が見えずに苦労しました。ボリューム感を出すのが大変でした。

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