Interview

POTTO “ワイルドスタイルとか恐山” 1/4

2011年6月10日原宿VACANTにてPOTTOによる5年振りのショー “ワイルドスタイルとか恐山”が行われた。モデルが先にいて、一人一人のためにそれぞれに似合う服が一着づつ作られている。植物図鑑を眺める人、メガホンを持って歌う人、パンを切る人、おもちゃの太鼓をたたく人、ハーモニカを吹く人、、、彼らは昔から夢中になっていることや好きなことを自由に表現していた。

→POTTO “ワイルドスタイルとか恐山”
→POTTO “ワイルドスタイルとか恐山”(Backstage)
→POTTO “ワイルドスタイルとか恐山”事前インタビュー

―今回のショーに関してのコーディネートはどこまで山本さんがやられていたんですか

スタイリングも含め全部僕がやっています。基本的に靴は本人のものかこっちからもっていっています。
リリースも僕が手書きで作っています。字が汚なすぎて「あり得ないだろう」ということは言われました。

―DIYすぎますよね

でも頑張ったんですよ。リリースが出来たのは当日、それもショーに間にあうかどうかっていうくらいの時間帯だったんです。

―リリースを見ると全てがこのショーの為に作った新作というわけではないんですね

そうですね。一応トータルで作ってはいるんですがそれが(フィッティングした時に)しっくりくるこないで別に新作ということにこだわらず使っています。

―”ギターを弾く人”、”ハーモニカを吹く人”などそれぞれのモデルが役割を持っていたと思うのですが何をやるかというのは誰が決めているんですか

それは本人です。凄く駄目な時は僕から「それはちょっと」ということもあるんですが基本的には全て本人に任せています。

―モデルが履いている靴はアディダス等のスポーツブランドの靴が多かったのですが何か意味があったんですか

“ワイルドスタイル”ですから。

―”ワイルドスタイル”だからアディダスだったんですか

そうですよ。それにプーマもそう。その2つをリーボックとかで味付けしてという感じで。アディダスは”ワイルドスタイル”なんです。ちなみに”ワイルドスタイル”というのは凄い昔のヒップホップの映画なんです(※1982年に製作)。結局は気持ちの問題なんですけど。昔のヒップホップって今みたいにゆったりしたものではなくシルエットがぴたっとしているんですよね。”ワイルドスタイル”の映画は見た事無いんですけどね。
でも自分の中でなんとなくワイルドスタイルの人とか恐山の人とかっていうのはあったんです。それの中間がオバマ(モデル)だった。彼はどっちもあるっていう。

―ワイルドスタイルな人、恐山の人というのはどういうことですか

ワイルドスタイルと言うのは気持ちがヒップホップな人ということなんです。”ワイルドスタイル”という言葉から感じる何かですよ。ヒップホップもちょっとあるし、ヒップホップじゃない部分もある。
恐山は霊的なものですね。いたこ的な。良く分からないですけど。でも何となく言われて見たらそうだったなというのはわかりますよね

―ちょっとわからないですね

(YESTERDAY BOYの)荒木君とかはワイルドスタイルなんだけどやっていることは恐山なんです。(結果的に)全体は恐山だったなと僕は思っているんです。「いたこが色んなところにいる感じですよね」とも言われました。僕もそうだったなって。

―後付けですか

と言うよりは結果的にそうなったからやっぱり恐山だったなってことなんです。ヌケメは100%ワイルドスタイル、久恒さんは若干恐山、AKINOさんとかも恐山、すしこさんはワイルドスタイル。噂ではすしこさんが恐山であとの全員がワイルドスタイル、そういう解釈もあります。

―ではあの会場にいたモデル達は全員”ワイルドスタイル”か”恐山”に分類されるということだったんですか

「か」ではなく「とか」です。Orとかandじゃないんです。「とか」っていうのがポイントだったんです。「だったりもするよねー」っていう曖昧な感じです。曖昧な感じが良いんです。でも色んなところに(いたこが)降りてきてた感じはしますよね。結果的に恐山っぽくなっていったんじゃないんですかね。

―山本さんはなぜPOTTOの洋服を着ていなかったんですか。自身の洋服もショー用に作れば良かったのにと感じました

僕は自分で作ったRUN-D.M.C.の偽物の洋服を着ていました。Mだけ後で付けて。
自分の洋服は余裕があれば作りたかったですね。でも(ショーの日の服装は)いつもと変わらないからそれはそれで良かったかなと。

―山本さん自身はモデルではなかったんですよね

いや僕も登場していました。リリースには書いてないですけど。

―髪の毛を刈られていましたね

それは完全に予定外です。「そのバリカンええやん」ってことで「刈らせていただきます」ということで。一応全てカルマ(※業・所業)なんです。世の中言葉に出来ないような言葉ばかりだから。言葉にすることはまた別ですよね、カルマに関しては。

―では山本さんは何をやっていたんですか

僕は何もやってないです。僕のカルマをやっていました。何をやるかと言うよりは何かをやってしまうという。そこに意味はないんです。でも結局時間がなくてやろうと思っていたことは出来なかったんですけど。

―山本さんは何をやりたかったんですか

僕はライブをやりたかったですね。あとは服を作ろうとも思っていました。でも結局説明したり挨拶したりで時間がなくなってしまったんです。

―事前にそれぞれのモデルがやることはわかっていたんですか

それはわかっていました。何をやるのかを決まった段階で。僕は「自分のカルマをやってください」とだけ伝えました。カルマという言葉をそんなに真剣に考えなくていいんですけど。

―その人が得意なものだけではなく出来なくてもやっている人もいましたね

それでいいんです。それがカルマなんです。

―みんなそれぞれがやりたいことということですか

やりたいことなんですけどやってしまうことというか。何かやらされるというか。絨毯刈っていた人もいたけど絨毯刈りたいなんてやりたいことじゃないですよね?
「カルマをやってください」とは言ったんですけどモデルの方からは勿論「カルマってなんですか」って。それがちゃんとしたカルマじゃなくてもいいんだけど3時間何かをやるということですよね。椅子もあるし疲れたら休みながら。

―場所は基本的には動かずですよね

そうですね。

―人が多くて暑かったのでモデルさんも大変ですね

暑かったのは何か来てたってことなんじゃないんですかね。

―いたこが来ていたということですか

いたこがくるのではなくて、いたこのところにくるんです。「休みながらでいいんですよ」と言ってたんですけどお客さんが来ていたのもあって結果的に休んでる人はほとんどいなかった。勿論3時間休みっぱなしでは困りますけどね。

続く

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