「一人でやっているのであまり偏りが無いように万遍なくきちんとやるように全部を見たい。そこをちゃんと全体的にきちんと客観的に‘見る’ということには力入れていますね」
―3月にはJFW期間中にインスタレーションを発表しました。それはなぜですか
everlastingsproutの村松君と「一緒の時にやったらお互いになにか出来るんじゃないか」と話しをしたからです。単純にそういう発想で村松君はJFWに加入しているからその期間中にやった方が良いことが出来ると思うということでやったんです。それの延長でプレスも一緒にしてお客さんを連動していけるようにしたんです。「JFWに入った方が良い」と言われたので僕はあまり考えた事無かったんですけどじゃ、応募してみようと。結局入れなかったんですけど。物凄く安易です。
―JFWに入りたくなかったんですか
入りたくなかったというわけではないですけど考えたことが無かった。興味がそこにいかなかったんですね。
―でもその期間中にやった方が意味があると考えたんですか
お客さんが来てくれる可能性が増えるだろうなって。それだけです。
せっかくちゃんと見せようと思ってやったので一般のお客さんにもたくさん来て欲しかったんです。人が見てくれる為に作ってるからそこを変にこっちの考えだけでやるのもなんだなというのもあって。
―実際今まで以上にたくさん見てもらえたんですか
そうですね。プレス会社の人と村松君のお客さんがたくさん来てくれたんだと思います。
―逆もありますよね
あるといいですけどね。僕はそんなに力が無いので。
―なぜ2回にわけたんですか
会場のキャパと来る人数の問題で2回にしないとまずいということで2回になったんだと思います。僕はそれこそ何人来るかというのも全くわからなかったので。僕はそんなに人は来ないと思っていたので。
―周りからの意見は気になりますか
気になりますね。だからなるべく良いことも悪いことも聞くようにしています。
―その為に地方で受注会を行っているというのもありますか
それはあまり関係ないですね。受注会自体はお店の企画なので。あまりああいう場所は得意ではないですし。
―でも地方の人ってデザイナーさんが来ることに凄く喜んでくれますよね
そうですね。地方っていいなって思いますね。でも(デザイナーとして別世界の人として接される)それは嫌ですね。そっちの方が良いこともあるんでしょうけどそうされると嫌ですね。そういうのってすぐわかるじゃないですか。最初だけで。ただ人間がやってることなので。卑屈ですけど。
―ohtaのお客さんはどのような人達ですか
色んなお客さんがいると思います。
―自分のブランドの特徴はどうお考えですか
難しいですね。着るのは凄い好きですし、縫製もずっと自分でやっていたのでパターンから縫製までやって、生地も作る、そこを一括して全部自分である程度触れる。そういうくくりでお皿でやっている、そういうのはもしかしたら出ているかもしれないですね。
―自分の作る物は自分が着たい物ですか
基本的にはそうですね。
―レディースに関してはどうですか
レディースに関しては想像ですね。女性像という言葉はよくわからないですけどメンズに関してはは自分が着たい服、レディースはその隣にいたらいいなって思う女性の服を考えているんです。
―自分が女性に着て欲しい服を考えているということですか
それはちょっと違いますね。その人が着たいものを着ればいいですからね。
―一番力を入れている部分はどこですか
一人でやっているのであまり偏りが無いように万遍なくきちんとやるように全部を見たい。作る方もだし、商業もちゃんとやらなきゃいけない。そこをちゃんと全体的にきちんと客観的に‘見る’ということには力入れていますね。
―テーマは重要ですか
重要ですね。ただそれがテーマと言っていいのかすらわからないんですよね。
―「平穏の風景」、「青赤白人」、「安息の場所」と日本語のテーマがずっと続いていますが
日本語好きなんですよね。英語はその環境に住んだことが無いから言葉の持っている意味というのを本当に理解できていないと思うんですけど日本語だとなんとなくわかるじゃないですか。
―イエールに出展された時は英語のテーマでしたよね
それは「英語で出してくれ」と言われた気がします。本当は『静かな人』(英名=Silent Man)というテーマで出したんです。
―テーマは一番最初に決めるんですか
模索中ですね。最初に決める時もあるしそうでない時もあります。作り方をまだ作っている段階なので。
―毎回違うということですか
作る手順は違いますね。過程を変えています。色は最初に決める事が多いんですけど。
―絵は描くんですか
描きますね。
―インスピレーション源はどこですか
ohtaというブランドのコンセプトは特に無くて敢えて言うのであれば日記的なモノだったり、全部が自分が生活している中からです。この前のテーマにしても「自分にはこういうのが必要だな」とか。
―何かを見てというのは少ないんですね
そうですね。ただ絶対それは関わっているんだとは思いますけど。どこで何を見たからこれが気になっているとか、曇りより晴れの方が好きだとか。
―最近はよく図書館に行ってるみたいですが
時間が切羽詰まって無ければ結構行きますね。
―リサーチの為ですか
リサーチというよりはただ興味のある本を読んでいるだけですね。デザインをする為にという感じではないです。最近読んだのはフロイトの精神分析とかスリランカの仏教の偉い人が本を書いているんですがその人の本はよく読んでいますね。
続く