Interview

CEMENT Store / Showroom 4/7

“僕たちの世代の子達って服で身を滅ぼす人たちが多かったじゃない。食費削って、四畳半にフェラーリみたいな”

―イタリアにもストリートシーンとかってあるんですか

なんかこのコの周りにはすごくある。洋服に限らず、音楽だとか、カルチャーよりのもの、グラフィックシーンもしっかりあったり。

―ミラノコレクション行っても結局ファッションウィークしか回れないからそういうのってわからないんですよね

あんまりそういうの感じられないですよね。ホワイトとかは確かに面白いとは思いますけど。僕もまだね、実際ミラノ行ってないから。一回行く機会があれば彼に会いにいきたくて。

―でも高いんじゃないんですか

高いっていうのは値段が?

―はい

ものによるんじゃないかな、彼とかは(coney)全然安いんだけど。

―ミラノって全然探せない

あとはね田舎のほうにいったりとか、地方都市に

―イタリアだとレザー系は多いですけど

レザーはね。割と掘り当てたらめっけもんかなって思って。そういうところに行きたくて。後は一時期面白そうだなって思ったのはアテネとか。

―あぁ、アテネも面白いって聞きますね

アーネムの学校の分校がアムスにあって、そこの出身のANGELO BRATISってデザイナーがいて、最初ANGELOのディストリビューションしようと思っていて、アンジェロはソフィアココサラキをもっとエレガントにした感じ。

―ソフィアココサラキよりエレガントなんですか

プリーツがそんなにないだけなんだけど、すごいきれいな服を作っていて、値段もそこそこするんだけど。アンジェロはアテネの出身で。アンジェロに色々聞いて、アテネも面白そうだなって思ってアテネも色々調べたんだけど、アテネは行かずじまい。

―売るのは難しそうな感じですね

売れない。笑 
そうなっちゃうとまた方向性わからなくなっちゃうから。ただ新しくやるMark Fast物凄く高いんだけど・・・。これは個人的趣味のセレクト。笑

―でもセカンドラインですよね。だったらいいんじゃないんですか

そうセカンドと、あとドレスが一型と、ルックで載ってた普通に着れるかなっていうスカート、とトップス。あとはレギンス、下着とかだから、混ぜてはいるんだけど、いくらぐらいするのかなって。

―Mark Fastってあれだけロンドンでは有名になったけど、日本では知ってる人なんてほとんどいないですもんね

ほとんどいない。僕のお店とVISIT FORさんではやってますけど。

―VISIT FORってそういうところを拾ってくる感じのお店なんですか

VISIT FORのオーナーのあつしさんは友達で、一緒にパリを回ったりする仲でその時は
僕がMARKのコレクションの事を教えてやる事になって。
彼も面白い交友関係を持ってて、BLESSのモデルをこなし、TSUNAMI ADDICTIONのオーナーのグロリアとか。お店はBlessとか、Gaspard Yurkievichとか、Henrik Vibskofなんかを取り扱いつつ、ZINEやCDなんかも加えた感じ。 彼も音楽が好きな人なので面白いお店だと思います。

―HachiくんのBALMUNGとかもやってるんですよね

ね、不思議。だから好きなもの集めてる感じ。大阪だと昔から知ってるH100が凄くて。
当時、東京がVASARAだったら大阪はH100っていうぐらい面白かった。
まだ日本に入ってきてなかったAS FOURとか、Jeremy Scottとかそういうのを足で探してきて。だから東京には絶対にこない。

―代理店があっても代理店通さないお店とかたまにありますよね

ある。たまーにある。

―でお互い犬猿の仲みたいな

ケースバイケースだけどそう、よくわからないネットショップで販売されていたりとか。直接やるのもいいんだけどさ~、って思って。

―ああいうのってなんなんですかね

いやぁ謎…。

―そこまで(契約を)厳しくやってないんですかね

完全に代理店契約するときってある程度シーズンごとにバジェットが取れて、それがペイ出来ているかっていうのも一つだし。
だから他がどうやってるかわからないけど、そこそこ売り上げがとれてる場合と、あとは完全に契約の中でそういう風にもっていってるだけだと思うから、まぁ契約違反だったら、もう辞めます。とかそれぐらいの話だと思うんだけど。
まぁいわゆる並行輸入というか。代理店とか、うちらみたいな人からしたらいい話ではないんだろうけど。要するに自分たちで値段高くつけて売りたいから、それとあとは海外からやってます。っていうプライオリティというか。

―でも直接代理店から通さなければ、安くも出来ますよね

でも結局シッピングがかかるから、あんまり変わらないっていうのはある。

―あんまり変わらないんですか

変わらない。凄くいっぱいやってる人だったら変わると思うけど、ちょびっとしかやらない人達だったら、逆に代理店さん通したほうが、代理店さんが基本的にシッピングも込みで取っちゃうわけだから、お金はかからないっていうところ。まぁそこは多分意識の違いだと思うんだけど。日本人って海外のをやってるっていうのにすごい弱いと思うし。

―CANDYって代理店がないブランドが多いのですが彼らがやってる海外のブランドって凄いなーって思いますね

あんなにお店の力があって、いわゆる僕たちの時代に良くあった、適当に接客しててもお店の名前にカリスマ性があったりとかして、それで買っちゃうような時代でもないんだけど、CANDYのセレクトってそこに近く感じる。ちょっと5,6年ぐらい前の感じ。でもそれは逆に僕はいいなぁとは思うんだけど。それ続ければ必ず身になるから。だけどそれにしても今の状況って厳しいな、って。

―中でもMoon Spoon Saloonは良くやれたなって思いました

僕は現地でショーは見れなくて、フライヤーをもらってたのね、Moon Spoon Saloonの。なんかえらいブランドだね、って。うちのりえちゃんがちょっと気になるかも、やりたいなー。なんて言ってたんだけど。Candyのセレクトを見てあれ凄いなって。でもあれをやれちゃうお店が凄いなって思って。あのテンションで、世界中探しても今やれるお店ってなかなかないと思うし。ほんと、売れる売れないは別として。

―デザイナー物はなかなか難しいですからね

難しい。今はそんなに買えないし。昔の人たち、僕たちの世代の子達って友達が日記に書いてたりして印象的だったんだけど服で身を滅ぼす人たちが多かったじゃない。

―僕もそうでしたね

でしょ?服で身を滅ぼす人たちって、まぁ良くはないんだけど、でもそれだけ好きだからやってて、で実際今洋服の仕事についてたりするかはわからないけど。

―ものすごく食費削って、お金ためて、家賃も払って、ギリみたいな

そうそう、いわゆる東京の若いファッションを好きな子達の現象というか、カルチャーの一つだったかと思っていて。食費削って、四畳半にフェラーリみたいな。前オランダにいったときに、たまたま仲良くなった友達のお母さんが「日本ってまだあれなの?四畳半にフェラーリなの?」って言われて。「四畳半なんだけどフェラーリ頑張って乗っちゃう?」みたいな。そういうのって他にあんまりないから、いい意味で。だから早く今のこういうファストファッションが終わって、うまく流れが変わってくれればな、と。

続く

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