グラフィックデザイナーやアニメーションデザイナーなどとして活躍する傍ら個人名義で手掛ける様々な紙を使ったコラージュワークが話題となっているアーティストPETER CLARKにインタビューした
―あなた自身と作品の経歴について教えてください
イギリスのマンチェスターの芸術大学で学んだ後、テレビのグラフィックデザイナーやアニメーションデザイナーとして、マンチェスター、ロンドン、そしてロ サンゼルスで仕事をしました。こうした仕事が次第に私の専門分野となり、ヨーロッパでのイラストレーションの仕事や、アメリカでの広告や出版業、様々なア ニメーションの企画へと繋がっていきました。そうしてこれらが最終的にギャラリーの仕事へと変わっていきました。
―秋に出版される本について、また、12月に行われるショーについて教えてください。
‘Paperwork’というタイトルの本がBlack Dog出版社から出版されます。176ページあるハードカバーの本で、ここ数年の私の仕事について書かれています。大まかに言えば、私の個人的コラージュ スタイルの多様性と発展を示すものになります。
本の中でMatthew Sturgisによる章があり、その中のQ&Aでは、マシューと私が私の影響やインスピレーション、そしてコラージュアートへのアプローチについ て語っています。
ショーはロンドン西部にあるRebecca Hossack Galleryで、12月2日から行われます。タイトルは‘Showing Off’(誇示)で、新しいアートと、動物、服そしてその他の誇示するものたちのミックスを表現しています。それから私の本の発売も行います。
―ご自身のクリエイティビティについてはどう考えていますか
それはすべて、いろいろなものを見て感じ、物事を常に新たな視点で見続けることに尽きると思います。
自然、人間、色などに呼応しながらそのときのテーマに臨機応変に対応し、素材を吟味し、直感に任せるようにしています。
永遠に変化し続け素材に対して革新的であり続けたいと思っています。
―他とは違うあなた独自のスタイルとはどういうものですか
紙を使って‘ペイント’すること、異なる紙や素材を色やコンテントでお互いにつなげながら、分からないくらい自然に合体させることを心がけています。
できればユーモアやウィットを織り込みながら、さまざまなポイントを際立たせるために素材を折り曲げたりちぎったりしながら、作品を立体的にしています。
こうすることによって、シャープなカッティングとは対照的に、自由や流動感を全体的に感じさせることができます。
―あなたのキャリアに強く影響を与えたアーティストやクリエイターはいますか
Bob Dylan, モータウンミュージック、Robert Rauschenberg, Raoul Dufy, Karen Nicol, Vivienne Westwood, Lucinda Williams, Pedro Almodvar, Louise Bourgeois, Felix Topolski, リストは途切れることなく永遠に続きますし、時には一時的な場合もあります。
―あなたのデザインにおけるアイデンティティを教えてください
コラージュ。感情とスタイルのミックス。強烈なイメージです。
―どのようにして、また、なぜペーパーワークのデザインを始めることになったのですか?
それは、私がコラージュへと導かれることとなったイラストレーションの仕事からの論理的な発展でした。
―あなたにとってデザインとは
視覚的に楽しませるもの、そして機能的なものです。
―周りにあるデザインの存在をもっとも感じるのはどんなときですか
それは、夜の空から木の葉、花から空を飛ぶ鳥、砂浜に打ち寄せる波から高速を走る車まで、周りにある全てのものです。
―あなたのデザインにおいて、インスピレーションの源となるものは何ですか
様々なものがありますが、日常にあるもの、自然、人々とそのファッション、ときには言語やフレーズ、そして色や、それらが互いに影響しあう様子などです。
私はデザインショーだけでなく、たくさんのアートギャラリーやアートフェスを訪れます。特にフリーマーケットやカッティングエッジファッション/デザイン の店に行くのが好きです。
―次に紙を使って作りたいものはありますか
今はショーに向けて豹を作り始めていますが、そのパワーと美しいシルエットのためスケールはとても大きく、最高の題材です。
今は、全体のイメージに合う斑点の型をどのようなものにするか考えています。
近々ある視察で、意外な詳細を明らかにします。
―デザインにおいて最も難しい部分は何ですか
思うようにならないとき、一日が嫌になります。
―デザインが行われる過程は常に同じですか、ペーパーワークを製作するプロセスについて教えてください。
大きな差はありませんが、常に同じというわけではありません。
ですがいつも変わらないのは、まずアイデアがあり、ドローイング、それから素材の決定、作業、修正、そして辛抱強く頑張ることです。
―これまでの仕事の経験の中で、一番幸せだった瞬間はいつですか
物事が順調に進んでいるときは、本能も理性もお互いが幸せに機能します。
また、Rebecca Hossackから初めての単独ショーのオファーを受けたときは、とても嬉しかったです。誰かに認められるということは、いつでも素晴らしいことです。
―将来のビジョンについて教えてください。
今は、コラージュのすばらしい可能性を探し始めたばかりだと感じています。私は常に新しいことを捜し求め、常に新しいインスピレーションを感じています。
コラージュによるペイントの更なる使い道を探索したいですし、とても大きなスケールでの作品をやるかもしれません。
それから、東京でのショーをしてみたいと何度か語っているのですが、まだ実現していません。是非、私の作品を日本でお見せしたいです。