Interview

Aquvii 後篇

尊敬する人と何かやりたいってだけですね。面白い物が一緒にできればそれで楽しい

-Aquviiオリジナルブランドのコンセプトについて教えてください

ギフトですね。自分の考えているギフトを表現しているというか。でも店がメインなんですよ。そこで足りない物を作っているというのが滑り出しだったんです。今もそれは変わってないし、他のところに色々置いてたりもするんですけどそれを見た人が最終的にうちのお店に戻ってきたり、来てくれたらいいなって思ってやっていることなんです。アクセサリーとかあるんですけど全部にアドレスが書いてあってそこを見て見つけてくれた人がうちの店があるんだっていうのがわかって。そういう仕掛けを考える方に時間を割いていますね。

-自己表現とは違うのですか

自己表現は店ですね。オリジナルを含めての店ですけど、だから外でやる活動も自己表現なんだけどそれも含めてのお店なので。でもブランドが最近は少し一人歩きしがちなんですけど。

-オリジナルのインスピレーション源というのはどこですか

建築と旅行が大きいのかなと思います。親の職業の影響もあると思います。建築はそっちなので。(父親は)石膏の職人さんなんだけどほぼ大工みたいな感じなんです。手伝ったりもしていたんだけど鳶の人に近い感じなんです。だから建築見るのも好きだし大工仕事も好きだし、その中から発想することもあるし。

-実際に影響を受けたデザイナーやアーティストはいますか

世界遺産を見るのが凄く好きなんだけど実際はそこの途中にあるものとか小さいところの方が好き。だから行く途中で泊まったところとかすれ違った人とかそこの方が影響が大きいですね。アーティストで言うとGaudiが好きなんですよ。

-製作過程について教えてください

それは色々です。まず何を作りたいかありきで作れるところをなんとか探してきて、やったこと無い物を作りたい気持ちが強いんです。アクセサリーに関してはパーツありきでそれを自分で作ってという感じで。でも今アクセサリーブランドみたいな感じになって来ていて、自分はあまのじゃくなのでアクセサリーブランドみたいに思われるのはちょっと嫌なので色々な物を作りたいと思って最近は陶器を作ったりだとか鞄を作ろうと思ってみたりだとかいろいろ探す感じです。この間陶器のお皿を作ったんですけどそれは岐阜まで行って、岐阜の商工会議所に行ってそこで紹介してもらった人のとこにいったり、そういうのが多いですね。アクセサリーは自分で作っちゃうんです。だから形にならなくて没になった物もすごいたくさんあります。

-アクセサリーに関しては一点物ということですか

そんなに一点物にこだわっているわけではないですね。あとパッケージを考えるのが好きで、それもギフトから来ているんですけど。別にラッピングしなくてもそのままあげても嬉しい面白いと思ってもらいたいんです。

-コラボレーションをたくさんされていますがその意味について教えてください
尊敬する人と何かやりたいってだけですね。深く考えたことはないです。面白い物が一緒にできればそれで楽しい。コラボレーションに至る過程もたまたまだったりしますね。

-バンド活動について教えてください

今お休み中です。やめてはいなんですけど同級生でやっててみんないい年なので・・・・。

-バンド活動からデザインに還元されたりはありますか

店とは完全に別物ですね。音楽は好きで何かやれたらいいなとは思うけど自分の中では脳みそが別で音楽は音楽で聞いちゃうしって感じですね。店で流している音楽と自分が聞いてる音楽も違ったりしますし。一緒くたにしたくない、全然2つのものがあっていいじゃんていう考えなんですよ。

-以前されたインタビューで世界中のギャラリーやアーティストと繋がっていきたいとのことだったのですがそれは実現していますか

繋がっていけていますね。ギャラリーとかは難しいけどパリのたまたま見つけた人とかまだ自分自身が見つけれそうな気もしますね。最初に出会うのがビジネスでなく話して仲良くなってっていう人ありきでやっているのでいまだに毎回のエキシビジョンの情報くれるアムスのギャラリーとかもありますし面白い人とはまだまだ知り合いたいですね。本当はこっちも攻めれたらいいんですけど。

-アートに対する思い入れとかは東京出身ということで小さいころから身近にあったというのも大きいのでしょうか

そんなに小難しく考えていないですね。答えは出ていないけどアートってわかりやすければいいって言う人もいるしわかりにくければいいって言う人もいる。どっちも本当だとは思うんだけどどちらにしろ間口は広くなければいけないと思っていて、だからその間口の一個になりたいんです。それは小さい頃から父親がそういう仕事をしていたし、美術館とかも良く連れて行かれたりしたし、だから(アートに対して)難しく考えて欲しくないんです。たとえば絵を一個買うにしてもそんなに大変だと思って欲しくない。日本人てファッション好きですよね。世界的に見ても。そこだけを見るんじゃなくてアートとしてファッションをやってる人もいるしファッションじゃないアートもいっぱいあるしそこをクローズアップしていきたいですね。



-日本のブランドをセレクトする基準について教えてください

人と話して考える場合が多いですね。海外のもそうですけど。その人が面白かったら絶対に面白い物作るし。たとえば今置いてない子でも気になっている子はいるし、いつか絶対面白い物作るんだろうなって子は友達になっていくしセレクトする基準は人ですね。結構ビジネスで最初話すより別で知り合って友達になってそこからビジネスになる方が好きなんです。だからまず人に興味を持ってから進めたいというのがあります。逆に凄い気になってるブランドがあって「いきなり仕入れさせてください」と連絡するよりもどうしたらこの人と友達になれるんだろうってところから始まっちゃうんですよね。別にすぐ連絡して「仕入れさせてください」って言えばいいんですけどそういうことはしないですね。

-お店のターゲットってありますか

ないですね。知って来てくれたらそれでいいです。70歳くらいの人が来てくれたりそうかと思えば高校生が来てくれたり、店はそういうのが面白いですね。普段会わない人と会えるということが。

-Coletteでの取り扱いが決まったそうですね

突然Sarahからメールが来て、最初は迷惑メールかも知れないと思ったんですけどびっくりしてパリまで行っちゃいました。でも実際に置いてあるのを見たら全然ここからだなって。連絡来ただけで舞い上がって喜んでたけど、置いてあるのを見てこれ売れなかったらどうしようもないことだって。ちょっと悔しかったりもしましたね。もっと出来るんじゃないかって思ったりもしていたので。

-将来的な展望はありますか

今のお店ののりで続けられてもっと色んな人に知ってもらいたいというのが根本にあります。日本だけじゃなくて海外もお店やった当初から狙ってたというか海外の人にもっと見てもらいたいですね。

-それは自分の作った物ですか

作った物でもお店でも。Coletteが決まる前に秋くらいにロンドン、パリは行こうと思っていたんです。それは営業で置いてもらう店を探しに、そういう動きをしたいんです。折角東京でやっているので。英語も得意じゃないし送料とか税金とかも面倒くさいんだけど昔から外に出たいって言う想いが強いんですよ。外貨を獲得したい、日本の景気を良くしたい(笑)だからColetteはそういう意味でも凄く嬉しかったんですよね。見つけてくれたというか。

-どういうところで扱ってもらいたいとかありますか

ないですね。どんなところでもはまる自信があるし、どんなところでも馴染むように作っているし、ピックアップで一種類だけ置いてもらってもいいし。買った先の人が喜んでくれればいいですね。

-自分自身がお店に立つ理由ってなんですか

立ってたいんですよねー。それが一番やりたいことでもあるし。自分で選んで自分で売ってと言うのが凄く自然な気がするしそれがなくなるとバランス崩れてわからなくなっちゃうんじゃないかという不安もありますし。元々お店やりたかったのは自分がお店に立ってやりたかったので週1になっても週2 になってもお店には絶対立つと思います。

-最後に川辺さんにとってAquviiという場所はなんですか

自分にとってのGiftです。

HP – http://www.aquvii.com/

Interview, Text/Masaki Takida, Photography/Takahito Sasaki

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