毎回趣向を凝らした演出のショーやプレゼンテーションで独自の世界観を見せるBernhard Willhelm。今回はルーブル美術館内のスペースにて、The William Forsythe Companyのダンサー達をフィーチャーしたパフォーマンスアートでコレクションを発表した。
会場に設置されていたのは、ロケットのようにルージュがそびえ立つ岩山、そしてそのすぐ側には幾つかの拡声器。暫くしてダンサー達が登場し、猿のように何かを叫びながら、花で遊んだりロープを巻き付けたりといった自由なパフォーマンスを見せ、最後は中央の岩山に全員が集いフィーナーレを迎えた。
「Longer, Thicker Hair(より長くて太い髪)」と題された今回のベルンハルト劇場で感じさせたのは、人間に潜む動物性や二面性。ダメージ加工のアイテムもパンクというよりはワイルドに映り、同時にMykitaのサングラスのようにサイファイな未来感も組み合わされ、原始的な感覚で自由にファッションの未来を開拓していくBernhardらしさが力強く反映された。
アニマルプリントやカモフラージュ、ダメージデニムなどおなじみのモチーフを混ぜ合わせたコレクションは一見コスチュームのようであり、実際に今回はコスチュームとしても機能しながらも、各アイテムはストリートでこそ映える仕上がりになっている。特にプリーツ技術を駆使してクラッシュ加工を施したポリエステルのアイテム群に注目したい。
Photo:Kotaro Asano Text:Yasuyuki Asano