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SHUN OKUBO

SHUN OKUBO / 大久保 俊

エスモード東京校で学んだ後、2002年パリに渡りステュディオ・ベルソーに入学。同校卒業後ROBERT NORMAND,BALENCIAGA,HAIDER ACKERMANN等のメゾンで経験を重ねる。2007年、ジュエリーブランドSHUN OKUBO&ASSOCIATESを立ち上げる。2009年、株式会社SHUN OKUBO&ASSOCIATESを設立。

Official HP: www.shunokubo.com
Twitter: http://twitter.com/SHUN_OKUBO

音を纏う

photo by Yoshinori Eto

こんばんは。先週の展示会にはたくさんの方々に来て頂きました。ご来場頂いた皆様、ご協力頂いた皆様、激励のご連絡を頂いた皆様、Botan Ave.SHOW ROOMのスタッフのみんな、 すべての方々にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

今回はメンズの初展示、そしてレディースの“音”のジュエリーの展示でした。BLACKとGOLDが基調カラーのメンズも好評で、メンズはまだまだアイテム数が少ないですが、繊細さも一つの特徴で、女性の向けとしても人気でした。

さて、レディースの”komm tanz mit mir”(“私と踊って”)シリーズは、ある意味、今までで一番コンテキストの層が厚いものだったのかもしれません。最初に作ったのは添付の画像のドーナツ型の鈴です。これはもうジュエリーの域をはみ出してしまっていて、楽器や置物の類いです。原型はインドの踊り子が舞いに用いる楽器、いわば民芸品なのですが、そのカタチを元にこのアイテムを作りました。

“komm tanz mit mir”とはドイツ語なのですが、一昨年亡くなったドイツの舞踊家/振付家のPina Bauschの舞台の演目からそのタイトルを拝借しました。踊り子の鈴を身につけることによって“踊り続けること”を忘れない、という意志を表現しました。(例えば、骸骨モチーフのの”メメント・モリ”リングが”死ぬということを忘れない”為に作られたように。)ピナは言います「踊り続けなさい。自分自身を見失わないように。」と。今回のコレクションはSHUN OKUBOによるPinaへのオマージュです。その他にも、今回はインドの民芸品を元にした音の鳴るアイテムを出品し、また、貴石やパールのネックレスには全てインドの踊り子のアイテム由来の小さな鈴が付けられました。展示会にはchange fashionブログにも寄稿されてる蘆田 暢人さんも見に来て下さったんですが、蘆田さんは今回のコレクションを見て、これは「音を纏う」ことだということを仰ってくれました。まさに、僕が言いたかったことを言葉にして下さった気がして、その一言でこのコレクションが補完されたような気がしています。ファッションは人間の五感のうち、視覚、触覚を主に使い感じ、フレグランスなんかも入れると嗅覚も関係してくるでしょう。しかし、聴覚でファッションを感じることはあまりないのではないかと、蘆田さんは仰ってくれました。(ファッションショウでの音楽、というものはありますが、身に着けるものから発せられることはあまりないのではないか?)

今回はビジネスの場での展示でしたが、機会があれば、音とファションについての考察を深めて展示などもできたらと思っているところです。ヴェルサイユ会議は「会議は踊る、されど進まず」なんて揶揄されたそうですが、それがどうした!って感じでファッションももっともっと踊り続けるべきだと僕は思うんです。踊らずして人もファッションも前に進むものかと。

「踊り続けなさい、自分自身を見失わないように。」Pina Bausch

p.s. 明日から3日間所属のBotan Ave.SHOW ROOMにてサンプルセールが行われます。SHUN OKUBOは初めてサンプルセールに参加致します。JEWELRYはうちのブランドだけですが、その他東コレブランドや海外のブランドなど多数参加予定です。詳細はこちらから→ http://www.suzy-m.co.jp/?p=3183

皆様のご来場をお待ちしております。

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