Interview

Yoshihiko Teshima 後篇

“ファッションに限らず、グラフィックや立体などの色々な表現につきものなのがコミュニケーションだと思います”

-東京のコレクションを見に行ったりしますか

友人に連れて行ってもらったり、前の学校で行ったり何度か見る機会もありました。

-その感想を教えてください

(コレクションは)簡単に出せるし、全然知らないんだけど、知らない人から見てもビジネスと関係してるのが見えていて、その人がやりたくてやってるとかじゃなくて促されてやってるという感じがします。

-今の若い世代に対してはどう思いますか

自分を持っていない人が目立つように感じます。彼らは社会に踊らされており、情報をインプット、アウトプット出来ていないように思います。

-それはファッションに対しても同様に考えていますか

ファッションのモードを追うしかなく、自分のファッションとしてファッションを着れていない。服として見れていないということだと思います。

-以前原宿GAP前でゲリラショーを行ったそうですがそのことについて教えてください

(Candy)伊藤が「こんなことやらない?」というのが最初で、(彼の本心はわからないんですけど)日本のファッションがつまらない、周りに流されてやっているのが嫌だから同世代に向けて激しいことしようよということでゲリラライブをやることが決まって、洋服を作って人を集めてGAP前でラジカセもってギターとか壊してショーをやりました。

-ショーをやって反応はどうでしたか

知り合い以外あまり来なかったんですが「面白かったよ」と言われて。自己満足ではあるんですけど。

-どのように宣伝したんですか

(杉野の)学校の壁に貼って、山野(美容)とかで(びらを)配ったりもしました。

-過去の自分の作品から影響を受けたりしますか

自分の軌跡を見直すようには絶えずしています。積み重ねを大切だと考えているので変化からインスパイアーされるものはおおいにあります。今回Candyで展示した作品も自分の中で多角的な視点でとらえなおしている最中です。

-好きなデザイナーはいますか

好きにカテゴライズされるデザイナーは特にはいません、しかし、気になっているデザイナーは高校時代はIssey Miyakeでしたし今は沢山います。というのは直接の会話を通して気になることが多いからです。自分がファッションをやるようになり、ファッションに限らずデザインをコミュニケーションとしてとらえるようになり、ファッションを媒体としての間接的なコミュニケーションよりは面と向かったコミュニケーション、つまりはその人と会話をするほうが伝わり方が全然違うと考えられるからです。

-ファッションのコミュニケーションとは何ですか

ファッションに限らず、グラフィックや立体などの色々な表現にはつきものなのがコミュニケーションだと思います。能動的、受動的関係なくそこには何かしらのものが送られ送っています。そのコミュニケーションは色々な環境によって変化すると考えます。だから一概には言えなく、しかし何かしらの信号は送信しています。

-自身が考えるファッションとは何ですか

自分視点で見るとファッションは駄目な部分を補う物で、つまりはコンプレックスを隠すものだと思います。もっと俯瞰した視点で見ると、着てもらう人達のことを考える。気遣いが出来ている服作りだと思います。

-日本のファッションに対する不満などはありますか

メディアが過激な宣伝とかで消費者をだましていると思います。広告やグラフィックなどの宣伝を充実させすぎて洋服の基本的なことをおろそかにして偽って作っていると感じます。

-6月からCandyで発売された洋服はどのようなコンセプトで作られたのですか

綺麗に作るのはデッドライン的な物で、それだけでは自分でというのが分かりづらく、ただの綺麗な服になってしまうので+αが欲しいという自分の常にある考えに従い、自分の作る毎回のパターンを3Dにして体験出来るようにしました。またコミュニケーションのことも考え「いいでしょ、これ実はね」といった次に繋がるコミュニケーションと視覚的効果の期待、つまりは立体感や生物的なことが今回のコンセプトの中心となっています。

-今回のCandyでの展示は成功でしたか

それがわかるのはこれからであると思います。この一回の展示がそのまますぐ次に繋がるということはないと思いますが、世間が注目する場で見てもらうことには今の自分にとっておおいに意味があることでした。また表現していこうと思う機会になったことは確かです。

-今後どのような作品を作りたいですか

学校で色んな素材に触れて(今までは)シルクスクリーンしかわからなかったんですけど、ろうけつ染めとか絞り染めとか様々な染め方も学んだし、ニットもあるし織りもあるので色々やってきた中でそれを整理して作ろうと思っている最中です。格好つけないでシーズンを決めずやりたい時にやるというのが一番良いと思っ ています。
作品としてはプラスαの驚きの部分は必須でもっと自分らしさを出そうと思います、今素材の勉強やテキスタイルを研究しているのでテクスチャーを考えた素材も作品として見せれたらいいと思います。

Interview & Text:Masaki Takida

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