Interview

Karishma Shahani


Karishma Shahaniはこの夏London College of Fashionを卒業する若きインド人デザイナー。彼女が卒業コレクションにデザインした自身のルーツであるインドの文化、伝統を取り入れたコレクションはショーが行われる以前から既に様々なメディアから注目を集めていた。Karishma Shahaniのコレクションはこのインタビューの後行われたLondon College of Fashionの卒業ショーでFashion Textiles awardを受賞した。

―あなた自身のことについて教えてください

私は現在23歳でLondon College of Fashionの最終学年でウイメンズウェアーを専攻しています。西インドのPUNEという街で生まれ育ちました。LCFで勉強する為にロンドンに移り住む以前は経済学、そしてファッションデザインのショートコースを勉強していました。

―あなたの卒業コレクションについて教えてください

私の卒業コレクション『Yatra』はインド語で『旅』を意味しインドの色鮮やかな様々なレイヤー文化から着想を得ています。色はインドの神々を描いた伝統的なペインティングから選び、自然な染色の方法でりクリエイトしました。そういった要素をマテリアルや機能など全てのステップにおいて詰め込んだこのコレクションはインド人のライフスタイルの再解釈と言えるでしょう。再利用、リサイクル、先祖代々受け継がれてきた財産をクリエイトする。それぞれのガーメントは根底で美しさ、シンプルさ、そして多様性から成り立ちそれが積み重なり個性的で魅力溢れたモノになっています。

デザインは2つの正反対なものの組み合わせです。実験的なものと型にはまらないものからコレクションを作り上げる一方で現代的な機能性を持ち合わせています。

―ファッションに興味を持ったきっかけはなんですか。なぜデザイナーになろうと思ったのですか

私は常にクリエイティブな業界に魅了されていました。その中でも特にファッションは小さなときから大好きでした。少女の絵を描くのが好きで洋服やアクセサリーを着せていました。両親は私が大きくなったらそっちの道に進むのではないかと信じていました。私はまた工作が大好きで他の子供たちや近所の子達と一緒に自分達でオーガナイズしたフェアーのようなところで作ったものを売っていました。常に何かを創りながら育ったのです。

―London College of Fashionでのことについてお聞かせください。そこでの勉強はどのようなものでしたか。またなぜLCFを選んだのですか

London College of Fashionでは色々なことを経験し学びました。個人作業のアプローチの仕方は私がインドでしていたもの、そして学んでいたこととはまったく異なるものでした。LCFは私の抑制を解いてくれ、最後のプロジェクトでやりたかったことをやらせてくれました。教員は常にとても協力的で大学生活最後の年はこれまでの人生の中で一番学べた年でした。
私がLCFを選んだのはLCFは常に最高のファッションの学校の一つして有名だったからです。もうひとつの理由はLCFの校舎がロンドンのまさに中心に位置していたことです(Oxford CircusとBond Street)。ロンドンは豊かな文化と歴史から成り立っている街だと思います、それと共にアートに関連した様々なイベントが常に行われています。世界でも最も国際的な都市はたとえホームシックになろうともインド人である感覚を保ち続ける事が簡単に出来ます。

―あなたのデザインにインド人としてのルーツは感じますか

はい感じます、特に色使い、テクスチャー、技術・・・・。インド人としてのルーツをデザインに反映しながらまたそれとは対照的に持続可能なアプローチも入れて調和させています。

―インドのファッションシーンはどのようなものですか

まだとても若く国際的な競争をするには差があります。しかし確実にその時は来るでしょう。インドの新しいデザイナー達の多くはとても才能があり素晴らしい作品を作り上げています。ここ数年数多くのデザイナーが国際的なファッションウイークにも出展しています。インドにもファッションウイークが幾つかあり中でも大きいのはムンバイとデリーのファッションウイークです。これらはインドのファッションの普及を促進し、観客の中には世界的に有名なバイヤーやプレスの方々もいます。とても大きく、多数の文化が入り混じった国なのでテキスタイルに重点を置いたアート作品や工芸品などのプロモーションもされていくでしょう。

―デザインにおいてのインスピレーション源はなんですか

それは常に私の周りにあるモノ、私が見たモノから来ています。私は文化ということにとても興味がありその全てから引用し構成します。人々、ライフスタイル、アート、工芸、リストを上げればきりがありません。旅行をするのが好きで新しい場所を探検することが好きでそこでの新しい発見や刺激から学びそれを作品に引用するのです。

―あなたの作品に影響を与えたクリエイターやデザイナーはいますか

私が好きなデザイナーはDries Van Noten, Sabyasachi Mukherjee, Issey Miyake, Christian Lacroix, Asha Sarabhai and Manish Aroraなどです。彼らがデザインしているモノからの影響というよりは彼らの確立されたクリエイションのスタイルからより影響を受けています。

―作品を制作するにあたって、もっとも重要な要素は何ですか

リサーチ、開発、そしてプロダクションの手段です。

―他のデザイナーとは違うあなた自身のスタイルとはどのようなものですか

私のスタイルはとてもミニマリスティックなものだと思います。それは対比との調和です。色んなアイデアを混ぜ異なったテクニックを使い折衷的なレイヤーを用いる事です。私の作品はとても力強く鮮やかな色使いとテキスタイルの開発から成り立っています。

―ファッションデザインはあなた自身を表現するモノだと思いますか

そうです。それは人間の体全体を包み込む大きいキャンバスのようなものです。私の表現方法は人々が着るものを選ぶというとても客観的で個性の反映のようなものです。

―将来のヴィジョンについて教えてください

自身のレーベルの成功とテキスタイルから家具まで世界中にある職人に恩恵を授ける事が出来るようなArt & Craft の組織を運営することです。

Interview & Translation:Masaki Takida

コメントは停止中です。