Interview

motonari ono 4/5


“好きなことって共感できる人が一人いないとつまらない。そういう人がいて一緒に話し合えるのが凄い楽しいんです”

‐一番影響を受けた漫画はなんですか

年代毎に違うんですけど小学校の頃はドラゴンボールとかスラムダンクとかみんなが知っているようなところは大好きでしたね。ジョジョとかもそうですけどマ ンが好きの友達と話すと「あの時のあの一コマ感動したよな」ってなるんですよ。

‐今は何に一番はまっているんですか

嘘喰いというヤングジャンプでやっている漫画にはまっていますね。

‐漫画だけですか

アニソンも好きで、アニソンばかり聞きながら仕事していますね。

‐アイドルも好きなんですか

アイドル系はそんなに興味はないんです。踊る系は全然わからないですね。

‐正直そういう踊りもイベントに行ってしているのかなと思っていました

それはないですね。

‐メイドカフェは好きなんですよね

そうですね。頻繁に行ったりというわけではないんですけど秋葉原に行けば必ず行きますね。

‐一人で行かれるんですか

そっち系の友達と行きますね。一人で行ってもなかなか楽しめないじゃないですか。でもガチな人は一人でも行きますからね。

‐何が楽しいのでしょう、会話ですか

会話はそんなにしないですね。友達と行って楽しんでるだけなんです。店員の子も凄く自由なんですよ。普通ならちゃんと接客しなきゃいけないんだけど一人一 人に個性があって。ため口な子もいるし、設定がされていて面白いし、最近はお酒も出るようになって。

‐漫画などのオタクカルチャーが実際どのような点で洋服に影響しているのですか

特にこのキャラクターがとかはないんですけど前回(09A/W)のショーは嘘喰いという漫画を読んでいてそこのキャラクターで凄いリーゼントの髪型が出て きて。そのキャラクターが好きでこの髪型とヨーロッパの子供が雑誌で金髪のリーゼントみたいにしている髪型がバシッと僕の中ではまってそういうところから インスピレーション受けたりしましたね。

‐小野さん自身もリーゼントにしてましたね

そうなんですよ。

‐洋服でいうとどのような点で影響を受けていますか

最初のシーズンはメイドから影響を受けていて。「ランジェリー」とか「子供服」とか裏テーマ的な感じで。

‐オタクカルチャーの魅力ってなんですか

なんでもそうなんですけど好きなことって共感できる人が一人いないとつまらないじゃないですか。だからそういう人がいて一緒にそういうことを話し合えるの が凄い楽しいんですよ。自分だけ読んでいても楽しくないんですよ。もう一人友達がいてどんな漫画にも熱く語り合えるその瞬間が凄く面白いんですよ。

‐ファッションは語り合わないんですか

ファッションはファッションで語りますよ。でも僕古着とかあまりわからないんで。

‐僕も全然わからないです

何年のディテールとか。ああいう人も同じだと思うんですよ。わかりあえる人とそこに行くのが面白いっていう。

‐漫画を描きたいとは思わないのですか

描きたいんですけど凄く時間がかかるんですよ。漫画家の人の苦労みたいな漫画があってそういうのを読んでいると凄い大変そうで。

‐motonari onoの女性像を教えてください

洋服なのであまり日本人を意識した服は作っていなくて。モデルも外人を使っているのはオーディションで日本人も呼ぶんですけど、今回赤いかつらをつけてみ て娼婦っぽくしたんですけど日本人だとコスプレっぽくなってしまうんです。やっぱりそのアンバランスさって凄くコスプレになってしまうので外国のセレブの 女性とかの特別な時に一回だけ着てもらえるような服を作りたいんです。

‐ディウェアーとして意識して作ってはいないということですか

勿論意識はしていますけどオートクチュール的なものをやりたいのでそれをどこまでプレタに落とし込めるかという感じですね。

‐自分の好みの女性像とmotonari onoの女性像は合致しますか

一緒ですね。自分では着れないし理想ですね。こういう体型の人がいてこういう服着ていたら凄い格好良いだろうなという妄想をしながら作っていますね。

‐イラストレーションで描く女性像もそうですか

自分で描くときは何も考えないで結構ごちゃごちゃにしてどこまでまとめられるか描いたりして。服も同じで最後のボタン一つで表情って変わるし、つけ足せば ごちゃごちゃするけど一個ひくだけで凄いまとまりになったりしますよね。そういうバランスを考えながら描いていますね。

‐洋服を作る時にデザイン画は描かれますか

デザイン画は描かないですね。パターンから入っちゃうので。でも理想は頭の中に入っているので。

‐毎回のテーマはどのように決めるんですか

「次こうしよう」というのが(前シーズンの)最後の頃には出ていますね。ストーリーが段々出来てきて。最初は「デザインこういう風にしよう」とかある程度 決めて画像とか資料とかリサーチして作り始めて5ヶ月くらい長いスパン掛けて作るんですよ。服からパターンから全部自分でやっているので。でも作り続けて いくんですけどのっていくまでに凄い時間がかかるんですよ。色々な積み重ねでのってくるんですけど2ヶ月くらいになると時間もなくなり焦りもあって段々 のってきて、そういう時になると初期の頃のデザインが良くなく見えてきて作ってる途中でもうちょっとストーリーが広がってきてという感じで出来あがってき ますね。

‐テーマは重要ですか

ここ3シーズンは歴史的な要素からアプローチしてきたので最初は中世の将校とかChildishの時は昔の子供服のディテールから取ったり画像の資料を見 るところから始まるのでかなりリサーチは重要視していますね。自分の頭の中の世界観だけで表現しても限界がありますので。どこか別の要素を入れて消化して という感じですね。

‐インスピレーション源はどこですか

テーマ決めて資料見ながらイメージが出来てくるので資料は重要ですね。まずテーマを決めてどういう方向性に行くかっていう時に資料を見ている最中が一番浮かんできますね。「あ、こういうのいいじゃん」みたいな。

‐無意識にというよりは何か考えている時にデザインが浮かんでくるということですね

そうですね。パターン引きながら思わぬ発見もありますけど。「このパターン良かったな」みたいな感じで技術も積み重なってくるので。じゃー次はもう少しこ れを応用しようとなってそうしたらその最中に「こうしたらもっと良くなるじゃん」みたいな発見も凄くあるので。

続く

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