2003年作り手の頭の中だけで妄想が始まり2006年に大阪を拠点に本格的始動したブランドmacromauro。頭の中にある『秩序あるスラム街』を具現化しバッグや小物など様々なアイテムを作り出すデザイナーに様々な話を聞いた
‐ブランドを始めたのは2003年ですか
2003年に妄想が始まったんです
‐実際に作っていたわけではないんですか
作ってないです。2003年に大学卒業してフリーターなんですけど時間がいっぱいあるじゃないですか。暇だからスケッチブックに「とりあえずブランドでも 作るか」ってなったんです。「じゃーブランド名考えなあかん」ていうことで作って。だから絵の中だけなんですよね。物はないです。
‐その前は何をやられていたんですか
嵯峨美卒業してフリーターやりながら絵を描いて。完全に趣味なんですけど。嵯峨美の時はコンクリートばっかりで立体物を作っていました。でもそれがあるか らファッションとかアートとか意識はしないですね。
‐もともとファッションをやりたかったわけではないんですか
全く。「なんでも表現出来たらいい」って感じですね。
‐アートの道に進まなかったのはなぜですか
単純に興味が薄れて。アートというかインスタレーション的なものが多かったから結局(終わった後に)ごみになるんですよ。後に残らないし「これなんやろ う、なにしてんやろう」と思ってやめました。「意味わからんなー」と思って。
‐で、妄想が始まったわけですがなぜバッグだったんでしょう
なんでバッグいったんかなー・・・最初はミシンが家に一台だけあったんですよ。家庭用ミシンが。それで一番簡単に作れるのが袋ですよね。で、袋作ったんで す。そこから面白くなって何個か作っていって。(カバン作りを)学んだのは会社に就職して職人さんと会う機会があるから、でもデザイナーだから作ることは しないんですよ。絵を描くだけで職人さんに渡して。それが物足りなくなってきて。で、自分でミシン買って作り出してですよね。
‐それが2006年ですね
2005年に作り始めて2006年にスタートさせたんです。
‐それまでに妄想していたものを形にしようという感じですか
そうです。欲しいものがなかったし、面白いと思うものが無かったからそれが一番のきっかけで自分の欲しいものを作るという。
‐小物もそうなんですか
小物も遊んでいたんですよね。素材を使って。そうしたらこんなん出来たとか。
‐今も妄想は続いているんですか
続きまくりですね。
‐日々スケッチしているんですか
日々ではないんです。考えようと思って考える時もあるし、枕元にスケッチブックを置いている時もあるし。あとお風呂入ってる時に考えたりもしますね。
‐何かに影響を受けているわけではないんですね
影響・・・・無意識の中では何か影響を受けているっていうのはあるかもしれないけど意識してというのはないですね。妄想するのが楽しいんですよ。
‐妄想がだんだん色んなものに広がっていったという感じですね
まだどんどん広がるなと。
‐なぜ美大に行こうと思ったのですか
ちょっと絵に興味があったのと決定的なのは勉強が出来なかったということ。学科がどうあがいても受からないんですよ。だからデッサンだけで受かる学校を推 薦枠で選んだんです。だからそんなに「俺、めっちゃ絵描きたい」とかはなかったですね。
‐美大に行きたかったというよりは美大にしかいけなかったと
「俺美大しか行けない」みたいな。
‐その後のビジョンは考えられていたんですか
全く考えていなかったですね。
‐洋服が好きだったわけでもなく
人並みには好きだったんですけどそんなに突起して好きなわけではなかったですね。
‐どんな洋服が好きだったんですか
その頃は古着ばかりですね。今も好きですけど。
‐デザイナーズを好きというのは無かったですか
全くなかったですね。古着だけです。
‐ブランドは順調に進んでいると思いますか
目標が去年の(5店舗から)倍にするということだったので順調だとは思いますね。1店舗ずつ自分の足で営業に行っているので長い付き合いをしたい。限られ た数にして。
‐これ以上お店を増やしたいという思いはあまりないということですか
そうですね。限界だと思っています。
‐お店はどうやって探したのですか
置きたいところに行って、人と喋ってどうゆう人かどうゆう店か確かめてですね。
‐どういうお店を探したんでしょう
感覚ですよね。ウェブで情報見たりしてお店に行く前にその土地をまず周るんですよ。全身鞄みたいになっていて歩いていて急に「あ、ここいいな」っていうの もあるし。そんな中でも地域ごとに一店舗だけですからどの一店舗にしようかなってのは凄く考えますね。
‐自分からアプローチしたお店の方が多いんですか
ほぼそうですね。最近はメールもらうことが多いんですけど大半断ってしまうことになるんですよね。
‐それはなぜですか
地域でバッティングしたり(ブランドのテイストに)合わないと思うお店だったり。
‐そうやって自分の足で探したお店ならバイヤーさんとの関係も濃いものが築けそうですね
実際行って見ないと納得いかないというか、気持ち悪いから。
‐お店を見てそこに合うような商品を作るということもあるのですか
今はほとんどないですね。ケースバイケースですけど欲しいものを作る時もあるし言葉からおろしてくる時もあるし色んなパターンですね。
続く