Interview

sina 1/4


スウェーデン語の「オーロラ」を意味するブランドsinaは寒い地域にいつ現れるかわからない神秘的な気象現象 オーロラのように刺繍という方法で世の中の移り変わりやすい価値観を表現する。2009年に本格的にスタートしコレクションブランドとのコラボレーション やワークショップ、個展など活動の幅を広げる刺繍アーティスト有本優美子氏に話を聞いた

‐刺繍はいつから始めたんですか

いつからですかね・・・でも大学1年生の時の課題でスカート作りというのがあったんですけどそれを作った時に「普通のスカートじゃやだな」って思って刺繍 を入れたのが最初ですかね。

‐その時が初めてだったんですか

ちゃんとしたものを作ったのはその時が初めてだったと思います。

‐で、そんなになっちゃったんですか

そんなになっちゃいましたね。なんででしょう。でもそれまで絵を描くのが好きでグラデーションを作るのが凄く好きだったんです。それが刺繍になっただけかもしれません。

‐何かにのめり込むとひたすらやるタイプだったんですね

そうですね。

‐京都造形芸術大学では何を学ばれていたんですか

ファッションデザインを学んでいたんですけどその中でパターンやブランドの運営の方法など一通り学びました。

‐在学中に刺繍にのめり込んだんですよね

のめり込みすぎちゃって卒業制作はブランドを立ち上げるというのがテーマだったんですけど「そんなのしないで、刺繍がしたい」ということを言って怒られました。結局考えてる風に見せて刺繍をやったんですけど。

‐造形大学に行こうと思ったのはなぜなんですか

芸大を目指した時に入れそうなところですね。洋画コースとファッションコースを受けて受かったのがファッションだったんです。

‐絵を描き始めたのはいつですか

絵は小学校の頃からお絵かき教室に通っていたので。兄が習っていたので一緒に習っていた感じですね。

‐その後、ひたすら絵を描いていたんですか

ひたすらでもないです。部活をやりつつですね。

‐何をやられていたんですか

中学の時は陸上で・・・

‐陸上ですか・・・

一番遅かったんですよ。

‐じゃあなんで入ったんですか

なんででしょう。痩せたかったからだと思います。

‐太っていたんですか!!

太っていましたね。今より10キロとか。で、痩せたかったんですけど逆に筋肉付いちゃってそんなに痩せなかったですね。肌も黒かったですし。

‐でいつ痩せられたんですか

高校生の時です。高校は剣道部でした。でも一番弱かったんです。

‐じゃーなんで入ったんですか

痩せたかったので・・・・あとは兄の影響もあります。臭いし、しんどいし、暑いし、大変でした。

‐でも痩せられたと

剣道では痩せなかったですね。痩せたのは画塾に通い始めてからですね。受験で画塾に通いながら一日中デッサンしていたんですけどその時は全然動かないので お腹も空かないので自然に痩せて行きましたね。

‐動かなくてもお腹は減りますよね、刺繍をやっている時もお腹減らないんですか

空かないですね。

‐絵を描いていて何を目指していたんですか

なんでだろう。わからないです。でも誰かの影響です・・・。

‐少女漫画好きなんですよね

少女漫画大好きなんです。

‐すいません、僕あまりわからないです。はちくろ(はちみつとクローバー)なら少しはわかるんですけど・・・

はちくろは影響受けましたね。世界観に。

‐sinaは東京だとPotto Shop等で取り扱っているんですね

鞄を扱ってもらっています。以前働いていた職場の息抜きでPotto Shopに行くのが楽しみだったんです。仕事で怒られた時も癒やされにPotto Shopに行くみたいな感じでした。

‐初めてsinaを置いてもらったのもそこなんですよね

そうです。あそこに置いてもらう為に刺繍を作品にしました。それまではずっと息抜きかストレス解消、趣味でやっていて仕事にしようとはあまり思っていなかったんですけどPottoに置きたいと思ってカバン作ったのが商品として置いてもらったのは初めてです。

‐それはいつ頃だったんですか

2009年に入ってからですね。

‐Potto Shopに置きたいと思ったのはなぜですか

あの緩やかな雰囲気が面白いし、変なものばかり置いていてそんなにお客様にも媚びていないじゃないですか。「好きな人だけ見て」みたいな感じが凄く好きで。

‐大学を卒業して上京してからもしばらくは刺繍をメインでやられていたわけではないんですね

そうですね。最初は東コレブランドでアシスタントをしていたんです。

‐そこでは刺繍はしていなかったんですか

少しだけやらせてもらっていました。小物とかはデザインさせてもらっていたんですけど。でもやっぱり自分にとっては凄い量産で大きすぎるお金が動いていて予測がつかなくなってしまいました。

続く

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