“ファッションは少しずつ変わり始めています。今は持続性が重要視されハイファッションのマーケットは縮小傾向にあります”
―セントマで学ぶことの利点とはなんでしょう
O,H-自由ですね。
O-あと、ロンドンはとても競争社会です。良い意味で。
H-ほとんどの生徒はとても静かでシャイな生徒ばかりなんです。
―Steveのようですね
H-そうですね。Gareth(Pugh)もシャイだったし。
―キャットウォークをやりたいとは思わないのですか
H-どっちとも言えませんね。日本のファッションウイークのシステムをまだあまり理解していません。無駄にお金を使いたくないです。自分の老後の為に取っておきたいので(笑)
―10S/Sではインスタレーションをしましたが現時点ではそれがベストな方法だと思いますか
H-インスタレーションは好きですね。以前キャットウォークをしましたがそれはあまり好きではありませんでした。
O-プレゼンテーションは考えていますね。
H-もしキャットウォークをやったらそれを続けなければいけませんよね。やるのを止めたら周りの人は金銭的な問題かなって思いますよね。逆にショーは好きですか?
―好きですね
S-なぜですか
―やっぱりパワーがありますよね。
H-これまで見た中で一番のショーはどれですか
―どれが一番かは決めれませんがパリで見たMartin Margielaの20周年記念ショーとGivenchy Hommeのファーストショーは物凄く印象に残っています
H-私はAlexander McQueenがGivenchyの時にやったBlade Runnerの時のショーです。直接見たわけではないんですがTVで見ました。あとStella McCartneyも凄く好きです。アヴァンギャルドではないですが彼女は女性の体を理解しています。女性が彼女の服に袖を通すととてもよく見えます。彼女は特別でとても力強いです。
―アヴァンギャルドな洋服をやりたいとは思いませんか
H-私が思うにファッションは少しずつ変わり始めています。今は持続性がとても重要視されハイファッションのマーケットは縮小傾向にあります。私達のブランドは買いやすい物と高い物の中間でいたいと思っています。とても高いものではなく安すぎるものでもない。
―アジア以外、ヨーロッパやアメリカなどで売ることは考えていますか
H-今はアジアだけですが多分今後はやると思います。アジアのマーケットで充分だと感じたら。2年後4シーズン後には今までのマーケットとは違うところに挑戦できるようになっていたいですね。でも一番の戦略としては自分達のショップを作ることです。まずはDoodlingをもっとたくさんの人に見てもらうというのが先決だと思います。
―今季からブランドの名前を変えましたがそれはなぜですか
H-新しい方向性でやりたかったからです。あとたくさんのコピー製品が韓国で出回ったからというのもあります。彼らは未だに私達のブランドネームを使って値段の安い商品を作っています。
O-一番大きいのは自分達が何をやっていきたいのかということの再確認です。
―ブランドを変えたことによって変わったことはありますか
O-コンセプトは変わりました。Hall Oharaの時も日本に帰ってきてどんどんやっていくうちにもうちょっとマーケット寄りにしていったのでブランド名を変えてそこまで変わるということは無いですね。
―名前を変えたことに対しての反応はどうでしたか
O-変えたことに対して特に反応は無かったですね。バイヤーの方達はデザインを見てくれているので
―今回原宿のmacaronicにて受注会をやられたそうですがお客さんからの反応はどうでしたか
H-メンズの反応が特に良かったですね。メンズに対しての理解度も深まりましたし。値段設定に関しても知ることが出来ました。メンズの場合はより値段設定が重要な気がします。なぜならレディースに比べよりマーケットが若いからです。
O-やっぱりmacaronicってメンズの方が強くてお客さんも男の子が多いのでその中でもdoodlingのバッグなど男の子でも可愛いテイストが好きな子がいてARPも幾つかオーダーがついたことに対してどういうものが好きなのかなということが分かったので凄い良かったですね。
―プライスは適正だったのでしょうか
O-大体適正だったと思います。
H-ジャージーに関しては少し高めの設定だったかもしれないですがその他は大丈夫だったと思います。
―プロダクションはどこで行われているですか
O-上海の工場です。
―それはより安く提供する為ですか
O-そうですね。
―元々はイギリスだったんですか
O-イギリスの時はそうですね。自分で作っていたものもありますし。
―イラストに関しては大原さんが全てやられているんですか
O-ドリーミーな感じのイラストは私がやって彼はコラージュをやっています。
H-ブランドのロゴは私が作りました。ロゴにはYurika(大原さん)がいます。
―フリルなど女性的なディテールが多いので大原さんよりのブランドなのかなとも感じました
O-6:4、7:3くらいで私によってるかもしれないですね。生地はメンズ含めて全部私が選んでいるんです。
―Stevenもガーリーなテイストが好きなんですか
H-女性が好きです(笑)。コギャルがスキデス(日本語)。ジョークですけど。アシンメトリックなデザインは好きですね。
―10S/Sのコレクションテーマが’Happy Happy Happy’なのにルックブックが全くハッピーな感じがしないのはなぜでしょうか
H-私達はダークなテイストが好きなんです。
O-色んな経験を積んでこれからハッピーになるという意味です。それの過程(In Process)なんです。
―インスタレーションからはハッピーな感じが伝わってきたのですが
O-そうですね。でもあれもぐちゃぐちゃにして過程を表現していたんですけど。
―まだ幸せを見つけてないということですね
O-これから見つけるジャーニーという感じで。
―どうして青い鳥だったのでしょうか
O-結構いつもその時その時感じていることをテーマにしています。日本人て自分達がどれだけ幸せかということを気付いていないじゃないですか。凄い裕福だしこんなに便利な国ないしその辺をもっと伝えたいなと思って。
―もっとハッピーになろうよって
O-そうですね、自分達がハッピーなのに自殺者も多いし、こんなに恵まれている国に生まれ育っているのに人のせいにしている人も多いし。
―毎シーズンムービーを作られていますがあれはコンセプトを伝えて作ってもらっているんですか
O-そうですね。彼女は元々RCA(Royall College of Art)出てロンドンに私がいた時に仲良くしてて彼女とアート的感覚が凄い似ている子なので私達が「今回はこういうコンセプトなんです」ということを伝えてあとは自由に作ってもらって。だからそこまで細かくは指示していないですね。
―洋服も登場していないですよね
O-そうですね。今回は。一応ハンドイラストレーションで少し出てはいますけど。
―コレクションのイメージを伝える上でムービーは重要なんですか
O-コレクションのストーリーを伝えるものとして重要ですね。
続く