Interview

「Zayan」 Zayan Ghandour ~ドバイファッションの現状~

ZayanはZayan Ghandour氏が手がけるドバイ発のレディースファッションブランド。日本人が想像するドバイのイメージとは異なりキャラクターなどを駆使し、ポップなデザインが特徴のブランド。今年開催されたrooms24ではZayan氏がディレクションを手がけ、Zayan氏がオーナーを務める若手アラブデザイナーのためのショールーム「TWO SCOOPS」から日本初上陸となる4つのブランド「SugarVintage」、「Mar Mar」、「OMG by OTT」、「GhadaEss.entials」を一堂に会しドバイブースとして出展。多くの来場者の注目を集めた。今回はそのディレクションを手がけたZayan氏のブランド「Zayan」について、またドバイのファッションについて伺った。

―ブランドコンセプトを教えてください。

可愛らしくって、楽しくってとてもハッピーをコンセプトに掲げています。私の双子の姉妹がいるのですが、その二人からインスピレーションをもらうことが多いです。彼女たちはいつも楽しそうで、見ていてとてもハッピーになります。そういうところからコンセプトを得ています。ブランド自体が重要視することは、服自体の着やすさもそうですし、色やデザインで子供達のように、ハッピーでファンな洋服を表現することを心がけています。

―2012 S/SとA/Wのテーマは何ですか?

S/Sは「リボン」で、A/Wが「薔薇」です。それぞれ「リボン」モチーフと「薔薇」モチーフのオリジナルプリントのアイコンがあり、それぞれのシーズンに入っています。アイコンのドローイングは私達オリジナルで、デザインは私を含めた3人で担当しています。

―Zayanは現在どの国で取り扱われているのですか?

展開は世界中です。アジアでしたら、中国や香港、他にもイタリア、カタールなど世界11SHOPで取り扱われています。パリ、NY、東京ではセカンドコレクションも展開されています。

―ドバイのファッション事情を教えて下さい。ドバイの気候はとても暑いという印象がありますが、それはデザインなどに影響しているのでしょうか。

ご想像の通り、ドバイの気候はとても暑く、特に4月から10月は日差しがとても強いために、インドア派が主流になります。ですが、室内はとてもクーラーが効いているので、寒いぐらいになっています。さすがにウールなどの素材は使いませんが、さほど特別な素材や変わった素材を使用することはありません。テキスタイルは、今シーズンに限って言えば、シルクは中国。コットンは日本。他にもパリから仕入れることもあり、世界中から優れたものを使うようにしています。
もう一つ、ドバイでは宗教上、公共の場では民族衣装を着なければいけません。特に女性は肌を見せてはいけないという厳しいものなのですが、民族衣装の下に日本の皆さんと変わらない好きなもの着て、ファッションを楽しんでいます。あと、ドバイは8割が海外の方なので、その方々は自由な服装を楽しんでいます。

―日本のファッションについてはどう思いますか。

日本のファッションは大好きです。日本に来る度に渋谷や原宿で買い物をします。例えば、原宿で買ったアクセサリーをドバイでのショーで使ったりしています。日本のブランドは一見とてもシンプルに見えて、ディティールがとても細かく、特に可愛いルックと呼ばれるものにはとても影響を受けています。

―Zayanとドバイファッションの今後をどう考えていらっしゃいますか。

私自身のブランドZayanについては、世界11の店舗で取り扱ってもらっています。今後は取り扱い店舗数をどんどん増やしていきたいと思っています。あと、これまでZayan自体のショップが無かったのですが、まずはドバイでZayanの旗艦店を2014年に立てる予定です。のちのちには東京にも建てたいと思っています。
ドバイのファッションはマーケットも当然ながら、あらゆる面で著しい成長をしています。先程も言ったように、宗教上外での自由な服装は限られていますが、女性達はドレスアップの楽しみを知り、民族衣装の下にお洒落をすることが普通になっています。男性服のデザイナーやブランドも増えてきており、こちらも普段は民族衣装を着ていますけど、西洋風のジャケットなどのデザインも盛んです。
全体としては、ドバイは世界的な国際都市だからシャネルなどのビッグブランドは当然昔からありますが、他では見られない、ドバイオリジナルなブランドが出てきているように感じます。成長を肌で感じる事ができるので、今後の発展を私もとても楽しみにしています。

HP:zayan.com/

Interview & Text:Fumiya Yoshinouchi, Yoshiaki Miyahara

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