Interview

banal chic bizarre 後篇

自分が昔感じたようなどきどきする原宿を取り戻したいなっていう気持ちはありますね

-自分達自身がファッションリーダーとして自分達のブランドを知ってもらうという意識もありますか

お客さんがそういうイメージを持っていたと思いますね。僕もそう思われていると言う意識がありましたがどこかでそれを変えなければいけないと思っています。自分がお客さんのお手本になっている状態と言うのはブランド自体のイメージがお客さんに伝わっていないまま僕のイメージで洋服を買っている状態でブ ランドとしては未熟、あり方としてはリアルで良いと思うんですけど。それは今後お客さんがしてくれればよいことだし自分じゃないなって思っています。なのでショーと言うのはそういところもあってというのもあります。

-でもスナップなどから知ってくれる人は多いですよね

そうですね。そこから知ってくれる人は凄く多いです。実際そこで着ていた服が売れたりもしますし。

-どういう人に着てもらいたいとかありますか

多分すぐに出てこないということはそんなに無いんだと思います。着こなしについてはこだわりがあるので「それはやめて」って思うことはありますけど。前はお店にも立っていたのでお客さんに勧める難しさも感じました。これにはこうあわせて欲しいというのはありますね。

-逆に顧客が求めている服を考えたりしますか

僕は無いですね。自分がいるからあるものだと思っていますので。

-自分自身という感覚に近い物ですか

自分自身ですね。ショーをやるようになってからは自分自身とモデルです。サイズは2つ作らなければいけなくなったのでこれは自分に着てどうなのかな、これはモデルが着てどうなのかなって。ショーをやる前は自分が着てどう見えるかですね。

-東京と言う場所はやりやすいですか

自由にやらせてもらってる方だと思います。

-影響を受けたデザイナーはいますか

いないですね、いっぱいいすぎていないのかもしれないですけど。雑誌もたくさん読みますし色んなところに買い物にも行きますし。

-そういうことがデザインにおいて障害に感じることってないですか

全く無いですね。僕はテーマを考えてコンセプチュアルな物を作りたいタイプの人間ではないので、とにかく等身大を意識していますので。

-インスピレーションはどこから受けていますか

培ってきたものからという感じですね。日常の積み重ねです。だから特定の物(映画や作品だったり)をテーマにするということはないです。一つのテーマに固執して見せるというよりはもっと空気的なところ、雰囲気的なところだと思います。

-一番拘っている部分はどこですか

サイジングですね。フリーサイズなんですけど。自分達の服着れるのって特定の人だけなんです。でもその人にとってスペシャルだったらいいんですよね。

-色んな人に着てもらいたいとは思わないのですか

思わないですね。やっぱりファッションの為に頑張って体系もご飯我慢して痩せてという人の方がそそられますしそういう人に着てもらいたいので着れないなら着てもらわなくて良いと思っています。

-今の東京のファッションの現状についてどう思いますか

僕は原宿のことしかわからないですけど原宿が凄く好きだったんです。でも今は好きだったに近い感覚になってきている。だけどブランドサイドが何かしなければいけない時だと思うし良いチャンスだとも思うんです。自分が昔感じたようなどきどきする原宿を取り戻したいなっていう気持ちはありますね。つまらないけれどそれをつまらないと言ってるだけでは駄目だと思うんです。そのためには自分達が楽しんでいなければいけないと思うので色んな人に会って自分が楽しめること、どきどきできることを探し出せたら良いかなって思っています。

-今後の目標、夢はありますか

自分ひとりでも仕事が来るくらいの人間になりたいですね。プランニングとかデザイン以外の面でも。コレクションも雑誌も僕の方からアプローチした物なので、もうちょっと僕個人を試したいという気持ちです。ブランドとしてはショーや雑誌を続けていき結果として直営店に人が並ぶような状態に出来ればと思っています。

-最後にファッション業界を目指している方々にコメントをお願いします

やりたいことがあるのならそこから今の自分のポジションを逆算して考えることが成功の秘訣だと思うんです。例えばファッションデザイナーになりたいというのがあって今の自分が専門学生だとしたらそこに行くにはどうしたらいいかというのをデザイナーになった自分を妄想してどんどん降りてくるみたいな。自分はそういうやりかたでやってきたのでそれがいいのかなって思っています。

HP – http://www.banalchicbizarre.com/

Interview, Text/Masaki Takida

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