インターナショナル・ウールマーク・プライズ2013/14 ヨーロッパ地区審査会がミラノで行われ、ジョー・ベイツ(Joe Bates)、シド・ブライヤン(Sid Bryan)、コゼット・ミククエリー(Cozette McCreery) によるロンドンを拠点とするブランド「シブリング(Sibling)」の優勝が発表された。
フランカ・ソッツァーニ、アンジェラ・ミッソーニ、ゴドフリー・ディーニ、ティム・ブランクス、スザンヌ・ボッシェンら審査員により勝者が決定された。
優勝者の発表を行ったアンジェラ・ミッソーニは、優勝の決定要因に関して次のようにコメントしている。
「候補者はみんなハイレベルで、その中で優勝者を決めるのは簡単な作業ではありませんでした。最終的に、ブランドの完成度や成熟度の高さを証明したこと、そしてウールやニット・ウェアに対する知識の深さを伴った創造的研究が決め手となってシブリングの優勝を決定しました。」
ティム・ブランクスは「今年の候補者の才能のレベルの高さは驚くべきもので、私たち審査員は本当に悩みました。その中でシブリングが優勝したのは、彼らが見事なテクニック、驚異的なクリエイティビティー、そしてウールの無限の可能性に対する鋭い審美眼を用いて最高の作品を創り出したからです」と述べている。
シブリングのデザイナー、ジョー・ベイツ、シド・ブライヤン、コゼット・マクリーリーは受賞について、驚いたと同時に名高い審査員たちから受賞できたことは光栄なことだと喜びを表現した。
「優勝賞金だけでなく、ウールマークと関係しているという名声を得られたことを嬉しく思います。そして、ファイナル審査会は2014 年2 月にミラノ・ファッション・ウィーク期間中に開催されるということなので、イタリア市場へアプローチする機会や、世界から注目されるチャンスもあると思います。インターナショナル・ウールマーク・プライズのヨーロッパ審査会で優勝できたということは、自分たちのメリノ・ウールに対する情熱が正式に認められたということです。」
シブリングは、楽しい(Fun)、若い(young)、楽観的(optimistic) というブランドのDNA を完璧に表現し、創造性と技術を結集したニットのボディー・スーツとジャケットで構成されたウール作品で受賞した。
ヨーロッパ全域から集まった10 組の有望なデザイナーの中から選ばれたシブリングは、50,000 豪ドル(約450万円) の補助金と2014 年2 月にミラノで行われるファイナル審査会への出場権を獲得、今後6 カ月の間にメリノ・ウールを主な素材とするカプセル・コレクションを制作することになります。完成したコレクションは世界中から選ばれた5 組のファイナリストにより繰り広げられるファイナル審査会で発表される。
ファイナル審査会は、100,000 豪ドル(約900 万円) の優勝賞金と、ロンドンのハーベイ・ニコルズ、ニューヨークのサックス・フィフス・アベニュー、ミラノの10・コルソ・コモ、中国のジョイス、シドニーのディビッド・ジョーンズなど世界有数の小売店や、ドイツのファッション・オンラインストアマイテレサでの販売の機会をめぐって競われる。
ザ・ウールマーク・カンパニー最高マーケティング責任者のロブ・ラングトリーは、「インターナショナル・ウールマーク・プライズは、次世代のファッション産業のリーダーにウールの持つ驚くべき可能性を伝えるという私たちの責任です。ウールの持つ固有の性質が若いデザイナーの想像力を掻き立て、彼らのコレクションに内因、外因両方から革新をもたらして欲しいと思っています。今年この審査会に参加してくれたデザイナーの方々全員の成功を祈ると同時に、未来のファッション産業のリーダーである皆さんとこれからパートナーシップを築いていくことを楽しみにしています」とコメントしている。
ヨーロッパ地区審査員
ティム・ブランクス– Syle.com 編集特別委員
スザンヌ・ボッシェン– マイテレサ創設者、ディレクター
ゴドフリー・ディーニ– フィガロ編集特別委員
アンジェラ・ミッソーニ– ミッソーニクリエイティブ・ディレクター
フランカ・ソッツァーニ– ヴォーグイタリア版、ルオモヴォーグ、ヴォーグ・イタリア・オンライン編集長、コンデ
ナスト・イタリア論説員、「ファッション・フォー・デベロップメント」国連親善大使
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