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Think of Fashion 003 「語られない1970年代のコム・デ・ギャルソン」

ファッションのつくり手であるデザイナーに焦点をあてて、人々の装いについての文化や社会現象などを考えていく。

第3回目は「語られない1970年代のコム・デ・ギャルソン」を文化ファッション研究機構共同研究員をされている工藤雅人氏と近日刊行される「相対性コム・デ・ギャルソン論」(フィルムアート社)の編集を務めた西谷真理子氏を特別ゲストとして招き、モデレーターを務める高城梨理世とともに考えていく。
 
コム・デ・ギャルソンの歴史は、その多くが1981年のパリコレデビューを始点として、「黒の衝撃」などキーワードとともに語られてきた。しかしながら、よく知られているようにブランドの創設は1969年である。奇妙なことに、1970年代のコム・デ・ギャルソンは語られないのだ。このことはコム・デ・ギャルソン特集をしている雑誌をいつくか手に取りパラパラめくるだけで簡単に確認出来る。

当日は、まず『an・an』など1970年代のコム・デ・ギャルソンが掲載された雑誌を見ながら、当時のコム・デ・ギャルソンと「黒の衝撃」以降との落差、私たちが現在知るようなコム・デ・ギャルソンになっていく過程を確認し、さらに、1970年代が語られない理由を「歴史」をキーワードに試論的に考察する。

日時:12月9日(日)18時00分~19時30分 

会場:カフェ&ギャラリー「ブロックハウス」(blockhouse)
東京都渋谷区神宮前6-12ー9
(原宿交差点を渋谷方面へ。Audiの裏辺りです。)
TEL: 03-6318-2003  

http://blockhouse.jp/ 

会費 2,000円 ワンドリンク付 

定員 25名

勉強会後 アフタートークを予定しております。
ワンドリンク、フードつきで、1,500円です。
(フードはブロックハウスの人気メニューをお出しします。)

お申し込み先 
「Think of Fashion ファッションを考える」実行委員会
palette.produce@gmail.com まで。

※003『語られない1970年代のコム・デ・ギャルソン』参加の旨を明記してお申し込みお願いします。
002『keisuke kanda-「ガーリー」の突然変異』と混同しないためです。
よろしくお願いします。

また、アフタートーク参加希望の方はあわせてお知らせ下さい。

講師プロフィール

工藤雅人氏
1981年山形県米沢市生まれ。
東京大学大学院学際情報学府博士課程在籍、文化ファッション研究機構共同研究員、武蔵大学社会学部非常勤講師。専門は文化社会学、メディア史、ファッション論。
論文 に「回帰と更新の果てにANREALAGEが見た景色」(『A REAL UN REAL AGE』パルコ出版、2012)、
「COMME des GARCONS以前のコム・デ・ギャルソン――1970年代が可能にしたCOMME
des GARCONS」(西谷真理子編『相対性コム・デ・ギャルソン論』フィルムアート社,2012)、
「洋服から身体を引き剥がす――ANREALAGEの示す『かたち』」(西谷真理子編『ファッションは語りはじめた』 フィルムアート社、2011)、
「『服飾雑誌』の歴史的成立――1950~60年代の『装苑』の誌面構成と読者の変容に焦点を当てて」(『マス・コミュニ ケーション研究』76号、2010)

特別ゲストプロフィール
西谷真理子氏
1950年生まれ。東京都立大学卒業後、文化出版局に入社。
1980-82年パリ支局勤務。「装苑」「ハイファッション」他に在籍し、2011年3月定年で退職。
以後2012年6月までハイファッション・オンラインのチーフエディター。
現在はフリー。
2011年秋に東京オペラシティで開催された『感じる服、考える服 東京ファッションの現在形』展共同キュレーターを務め、カタログ(以文社&PRESTEL社刊)を編集。
2010年から2011年にかけては、後藤繁雄主宰のSuper School「ファッションを記述する」で講師も。
編著に『ファッションは語りはじめた』『相対的コム デ ギャルソン論』(2012年12月刊)(ともにフィルムアート社)。
『A REAL UN REAL AGE』(パルコ出版 2012年12月刊)に「問い続ける人、森永邦彦 アンリアレイジを森永の言葉から読み解く試み」を寄稿、
世田谷ものづくり学校発行のIID PAPERにコラム「女子の強気」を連載中。
2013年4月より、京都精華大学ポピュラーカルチャー学部ファッションコースの特任教授に就任予定。

モデレータープロフィール
高城梨理世
1984年鹿児島生まれ。
母親の影響で幼少時からファッションに興味を持つ。国際基督教大学への進学を機に上京、西洋美術史を専攻。
「COLORS ファッションと色彩:VIKTOR & ROLF & KCI」展がきっかけで、ファッションを研究、記述することに関心を持ち、以後修士課程修了まで、ファッションを研究テーマとする。
興味の対象はファッションとオリエンタリズムや、前衛性、身体性の問題など。好きなブランドはヨウジヤマモト。
東京大学大学院表象文化論コース修士課程修了。

※書籍紹介
『相対性コム デ ギャルソン論-なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか』
コム・デ・ギャルソンをめぐって、
研究者(成実弘至、井上雅人、井伊あかり、菊田琢也、平芳裕子、小澤京子、工藤雅人)、
建築家(五十嵐太郎、浅子佳英、坂牛卓、松田達、入江徹、藤原徹平)、
哲学者(千葉雅也、本間直樹)、
アートキュレーター(長谷川祐子、木ノ下智恵子)など、
ファッション業界のいわば外野22人が、それぞれの視点から、自由に書き、発言した評論集。
国内で発行されているコム・デ・ギャルソン本の多くがブランドの協力のもと作られていることを考えると、異色の本と言えるかもしれない。
そのため、コレクション写真などブランドから提供される写真素材は掲載していない。
グラビアはフルーツ、チューン、ストリートに掲載されたコム・デ・ギャルソンを着たストリートスナップでまとめた。
ブックデザインは、前田晃伸。四六判、約350ページ。
価格は未定。フィルムアート社から12月中旬刊行予定。

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