2012年8月8日、株式会社パルコが主宰する、生活者参加型のマイクロファンド『FIGHT FASHION FUND by PARCO』のキックオフイベントが開催された。
1口3万円で日本を拠点とする若手ファッションデザイナーの事業成長を応援する、日本初の仕組み「 FIGHT FASHION FUND by PARCO」。資金、ファンや協業先、販売機会やPR機会が十分でない彼らをマイクロファンド(少額出資)を通じ、”みんな”で応援していく。ファンドはミュージックセキュリティーズ(東京、小松真実代表)が運営するマイクロ投資プラットフォーム「セキュリテ」を活用している。
日本初の試みにも関わらず、当初の6ヶ月の募集期間に対し3ヶ月で満額となるなど人々の関心の高さが伺える。ファンド成立から運用開始に伴い、今回のキックオフイベントは出資先デザイナーと出資者による交流イベントであり、出資者とデザイナーにゆる商品開発会議や、今後の計画発表を実施。
常に次世代のインキュベーションを思考してきたパルコ。一方的な物作りではなく、消費者と共にムーブメントを起こす時代に沿った提案をしていく。
1号出資先ブランドに選出されたのは「JUN OKAMOTO」「my panda」の2ブランド。
出資金は「JUN OKAMOTO」は2013年春夏の東京コレクションでの初のショー、渋谷パルコ Part1の1Fには10月11日よりポップアップショップをオープンする。2013年春夏、秋冬の商品開発、生産、販売活動に充てられる。
「my panda」は渋谷パルコ Part1のB1Fに初の直営店を10月5日オープン。2012年秋冬の商品開発にファンドを活用する。
出資者との個別交流会では、「JUN OKAMOTO」ではデザイナーの岡本順氏にインタビュー形式でのトークイベントを行った。経歴を振り返りながら、これまでのインスタレーションの様子や、クリエイション源となるショートストーリーが連なるデザイナーのブログ紹介などブランドについて、より理解を深めることで服への興味が増すような内容となった。
一方「my panda」は「自分の2色=my panda」というコンセプトからOHPを使用したプレゼンテーションを実施し、出資者が選んだ2色の組み合わせをTシャツに転写。ブランドらしくコミュニケーションが生まれる服作りを体現出来る場となった。
初めて何かに取り組むというパワー溢れる中に身を置きたい、という想いから応募したという岡本氏。ブランドとして知名度を高め、今後も持続的な関わりを持っていきたいとクリエイションへの意気込みを語った。
my pandaのデザイナー、中村裕子氏はレディースのみで展開する予定だったが出資者に男性が多かったことから、メンズでの提案も考慮するきっかけとなったという。「 FIGHT FASHION FUND by PARCO」に参加し、途中段階で意見がもらえたということの影響が大きいと語った。
2号ファンド募集も計画されており、第1号となった2ブランドの今後の展開に期待したい。
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