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rooms 23 vivid review part5

今回はまずACCESSORY AREAの中にあった2011Tokyo New Designer Fashion Grand Prixの受賞者のブースからピックアップして紹介する。

Y.M.waltsは09年S/Sよりスタートしたレディースウェアブランド。体に美しく沿う立体感のある仕立てと奥行きのある表情をもつ素材使いが特徴で、日常に少しの幸せを与えてくれる服をコンセプトに日常に存在する事象をテーマにコレクションを行なっている。今期は夏の色の時間で、夕立や日照の強い時間などのときの色を分かりやすく表現した。シルクスクリーンでぼかし染めをし、独特の色合いを出した。プレーンな服も多いがWLで布を摘んでなどのパターンでの幾何学的なデザインが今期の特徴だ。シンプルの中に計算されたディティールが存在し、素材の良さを生かすという想いが作品から伝わってくる。

シャツに特化したレディースブランドuemulo munenoli。展示された作品には中にスカートがついたシャツや、袖ぐりが多きいものなどが並ぶ。アシンメトリーや奇形なパターンを使ったものなどシャツの可能性を拡張させているかのようだった。色は白、黒、グレーとモノトーンなものが基本で、シックでモードなアイテムが白い空間スペースに毅然とした態度で佇んでいた。音楽、カルチャーを含んだその時その時代を組み込んだ新しい造形を目指し、シャツのカテゴリーを超えたコンセプチュアルなコレクションを発表し続けるuemulo munenoliの活躍に注目したい。

ここからはアクセサリーエリアの中で注目のブランドをピックアップする。


今までにないヘアアクセサリーを創造するSeule Sou(スールスー)。
ブランド名に取られた“Seule”とはフランス語で「唯一(ゆいいつ)の/唯一つ(ただひとつ)の」という意味。
デザイナーの三輪澄子氏が手掛けるこのヘアアクセサリーは、リボン状のマテリアルの裏へ特殊なマジックテープが付けられており、そのマジックテープが髪へ絡みつき付着するというもので、髪をまとめたり、ヘアピンを使用しなくても、そしてショートヘアーの方でも、巻くだけで髪へフィットするので手軽にヘアアレンジを楽しめ、頭を締め付けることなくヘアスタイルを一日中キープすることが出来る。
機能性だけではなく、「クラシカルな上品さ」を根底にデザインされたアイテムは、ビーズ、レース、ビジュー、ファー等がバランスよく装飾され、普段着にもパーティー時にも使用出来そうなヘアアクセサリーだ。


230年以上に及ぶビルケンシュトック社の技術と経験が集結されているフットウェアブランドTATAMI。
ビルケンシュトック・フットベッドの快適性をいっさい損なうことなくスタイリッシュなデザインを作り続け、2011S/Sのコレクションでは、スターネットの馬場浩史氏によってディレクションされた、自然の恵みから生まれるクリエイティブワークが取り込まれたフットウェアが展開された。
材料には川の水と塩、菜種油、白なめし革や樹皮、柿渋やざくろで染めた手織り布など、伝統的な手仕事をベースにしたナチュラルな素材が用いられ、大地を踏みしめたような履き心地で仕上げられている。
毎シーズン展開しているコラボレーションアイテムも豊富で“People Tree”“PRE ORGANIC COTTON”“Liberty”、そして自然の中で生きる手引き書「living on the Earth」をつくったマリシア・ベイ=ローレル氏とのコラボレーションアイテムも披露された。


“旅先で出会ったような感動・喜び・驚き”をコンセプトに2011年7月よりデビューしたアクセサリーブランド「ERIN」。
姉妹でいつかブランドを立ち上げたいという想いのもとデビューしたERINは、デザインを妹の絵梨氏、サポートを姉の佳奈氏が行い、今回ブランドをスタートしてから初の展示出展となる。
4つのラインから形成されるERINは、洗練された技術と品質のジュエリー“SIMPLE”、アンティークの良さをモダンに表現された“MODERN DECORATIVE”、ヴィンテージのマテリアルをリメイクし古き良きものを新しく創造した1点物の“VINTAGE REMAKE”、スパンコールやビーズ、メタルパーツで装飾されたエスニックモダンなジュエリーケース“JEWELRY STORAGE”と各ラインによって趣旨、デザインから出来上がるまでのプロセスも異なり、マテリアルを求めて日本はもとより海外、制作もアクセサリーのデザインや品質に寄って国内の様々な工場で制作するという拘りだ。
特に“MODERN DECORATIVE”のラインは、ヴィンテージのレトロ感を出す為にパーツの色の調合や、チェーンの風合い、色の組み合わせまで加味されている。
様々なシチュエーション、TPOによって選ぶ事が出来る豊富なアイテム展開で、デザイナー絵梨氏が「可愛い」と思う感覚を形にし、素材にも拘ったアクセサリーブランドだ。


「どこにもない靴を」との願いより誕生したシューズブランド、TSURU by Mariko Oikawa。
今シーズンのテーマは“夜の海と空”。
キーカラーとなる海と空を連想させる青をトーン違いで使用し、“星”と“雲”からイメージされたデザインモチーフを、シューズをメインにバックやベルト、ヘアアクセサリー等に取り入れ、ポップな物からエレガントな物まで幅広く展開されている。各アイテムに配されたラメやスパンコールは、月夜に煌々と光る海やフィッシュがイメージソースだ。
そして先シーズンから引き続き展開されているラウンドテゥパンプスも披露。今シーズンは、春夏を感じさせするエナメルを用いて作られた。
“女性の脚をより美しく魅せること”を念頭に、トレンドにとらわれず、上質でありながらもキュートなコレクションが並んだ。

次回part6では今回のroomsでの目玉とも言えるアルゼンチンとアフガニスタンのエリアを紹介する。

Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Fumiya Yoshinouchi Kumiko Kobayashi

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