2011年6月17日~アーティストさとうかよの個展”かみさま”が原宿のLamp Harajuku B1F galleryにて開催されている。
なまえも
かたちも
宇宙の中にあるから
いろいろはいらないのに
みんな
ほんとうのことは目に見えない。
終わりの始まり。始まりの終わり。
階段を降りると真っ先に目に入るのは”かみさま”の姿。多くのキリストの絵画からインスパイアされたその”かみさま”は真っ白な壁をバックに十字架にかかっている。
個展を開く直前に拾ってきた十字架用の木の大きさに合わせて大量に綿を抜かれたその身体は、
抜かれる以前よりも寧ろ生々しく、生命を宿った肉体を手に入れたように見える。
粘土で造られた不揃いの歯、ただ一点を見つめる瞳、手縫いの繋ぎ目、その全てで細胞が働いているような圧倒的な存在感こそ、まさに”かみさま”なのではないかと感じた。
光のベールのような黄緑色のオーガンジーが張られた壁には十字架にかけられたアンティークの
ぬいぐるみの動物たち。彼らはその大きな”かみさま”の分身のように小さな命を宿していた。
ぬいぐるみの人間。
何十年もこの世を見てきたぬいぐるみの動物たち。
生身の人間が作り出したその「おまもり」は、教会の重厚な雰囲気の中とは異なるからこそ、
自分だけの”かみさま”のように感じ、作者の強い思いと人間の信じる力がどこにもない神聖な空間を生み出していた。
さとうかよ”かみさま”展
6/17(fri)~7/31(sun)
@Lamp Harajuku B1F gallery
12:00 – 20:00