11月25日~11月27日の3日間に渡り韓国第2の都市釜山のBEXCOを会場にPret-a-Porter BUSANの2011年春夏コレクションが行われた。
Pret-a-Porter BUSANはソウルビジネスエージェンシー、デホングコミュニケーションズと共に、韓国のファション産業を発展させるため、ソウルにあるコンセプチャルなセレクトショップDaily Projectsが携わり、数年にわたり開催。インターナショナルデザイナーやファッション産業におけるスポークスマン(バイヤー・プレス)を中心に、韓国のファッション産業を活性化していこうという取り組みを目的とし、毎シーズン選りすぐりのデザイナーを国内、そして海外から招待している。
今シーズンは海外からHermione de Paula (London)、ODRADEK (Tokyo)、MIKIO SAKABE、Chi Zhang (Beijing)、L’ECLISSE(NY)などのブランドが参加した。海外から参加しているブランドは既に国際的な地位を確立しているブランドではなく新進系のブランドが中心だ。これはインディペンデントなブランドを好んで扱っているDaily Projectsの意向が強いのかもしれない。
一方韓国のブランドに関しては釜山市がセレクトしている為、力のある若手というよりは地元釜山で活躍しているデザイナーを中心にセレクトしている印象が強かった。地元のデザイナーには実力関係無く立ち見が出るほどの盛況だった一方、イベントの底上げをしている海外のデザイナー達のショーにはあまり客が集まらず残念だった。過去にはパリコレに参加しているLie Sang Bongやロンドンでもショーを行っていたSteve J & Yoni Pなどもショーを行っている。
会場隣にはDaily Projectsのポップアップショップがオープンしていた。Daily Projectsは2007年にオープン。今最も新しく、注目されているブランドを中心に構成されたショップは、韓国の若者からセレブリティーまで幅広い層の顧客から愛されている。ポップアップショップではDailyの主要ブランドであるWalter Van Beirendonck, Ann-Sofie Back, Bless, Jeremy Scottなどのアイテムを扱っていた。
ショーの合間には今回のイベントに参加しているLee Young Hee, Park Chul Hongの2つのブランドのショップツアーにも参加した。Lee Young Heeはブランドを既に20年以上続けておりファクトリーも持っているブランド。一方でPark Chul Hongは釜山の海雲台地区に小さなショップを構える若いブランドだ。このショップツアーではデザイナー自らがショーで披露したばかりの作品をバイヤーに説明するというもの。釜山は韓国第二の都市ではあるがいわゆるセレクトショップのようなものはほとんど無いらしい。
セレクトショップの代わりにこの街のお洒落な人達が集うのが釜山の国際市場。市場には様々な古着屋があり雑誌等にも載るような有名店舗も何軒も集まっている。ただ現地で有名と言われるお店は日本から古着を輸入している店も多いようだ。なんでも揃うと言われる市場には古着屋だけではなく食べ物屋や眼鏡屋、お土産屋、日曜品、電気屋なども店を構える。
Pret-a-Porter BUSAN のイベント自体はまだまだこれからかなと思う部分も多かったがイベントをオーガナイズしているDaily Projectsのメンバーのファッションに対する熱い思い、ホスピタリティーの高さを感じた4日間だった。2011-12 A/W CollectionからはSeoul Fashion WeekもDaily Projectsが中心となり海外のブランドやバイヤーを招聘するようなので韓国最大のファッションウイークとして、今以上の活性化が見込まれそうだ。「東京とソウルももっと協力して何かをやりたい」と語ったDaily Projects Directorのチャンミン氏、アジアファッションの中心として東京、そしてソウルの交流にも期待したい。