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SHUN OKUBO

SHUN OKUBO / 大久保 俊

エスモード東京校で学んだ後、2002年パリに渡りステュディオ・ベルソーに入学。同校卒業後ROBERT NORMAND,BALENCIAGA,HAIDER ACKERMANN等のメゾンで経験を重ねる。2007年、ジュエリーブランドSHUN OKUBO&ASSOCIATESを立ち上げる。2009年、株式会社SHUN OKUBO&ASSOCIATESを設立。

Official HP: www.shunokubo.com
Twitter: http://twitter.com/SHUN_OKUBO

はなればなれに

ゴダールの初期の映画に『はなればなれに』(1964)(原題”BANDE A PART”)という作品がある。映画監督のタランティーノもこの映画のファンで、彼の会社の名前を”BANDE A PART”にしたのはよく知られている。
若きアンナ・カリーナ、サミー・フレイそしてクロード・ブラッスールの3 人が、パリの街を駆け抜けつつ、成りゆきから大金を目当てに強盗を行う、というのがさっぞくりとしたストーリーである。オディール(アン ナ・カリー ナ)の一目惚れや、3人のマジ ソンダンスや、ルーブル美術館での疾走、地下鉄でのカリーナの神懸かり的に美しい歌(歌の途中で地下鉄の”LIBERTE”という駅名が映される、これは小さな奇跡 だ。真の映画というのは小さな奇跡、奇跡のカットが必要である)。それらがパリの街と、この映画を眩いばかりに輝かせる。

思えば、僕もパリで数えきれないほど多くの人々に出会った。友人、師匠のような存在の人たち、デザイナーやアーティスト。日本に帰ってきて、東京でも頻繁に会 うパリ時代の友達がいるが、実際に映画のオディール達のようにたくさんの人達とはなればなれになった。そして、山本耀司さんの言葉を引用すれば、クリエーションをするという行為は一人で砂漠を歩くような、しばしば非常に孤独な作業かもしれない。

このCHANGE FASHIONのブログに投稿している方々も、もしかしたらそんな”はなればなれ”を何度も繰り返して、いまの場所にたどり着いたに違いない。ただ、このようなWeb上の人が集まる場所で、別れてしまった人々やこれから出会うであろう人達、または僕の作品を好きになってくれた人々とコミュニケートすることができるかもしれない。何かを作りだすときの孤独が解消されるわけではないけれど、色々な人達とユニゾンできるかもしれない。そんな漠然とした期待が、今、ある。この場を借りて、ブログに誘ってくれたディレクターの滝田君に深く感謝するとともに、第1回目の投稿とさせて頂こうと思う。

次回からの投稿は今日のゴダールの映画のように、ファッションのこと以外のことも書いていきます(そしてもう少しだけ緩めに)。たまに更新するので、もしよかったら覗いてみてくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。

One Response to “はなればなれに”

  1. Masaki Takida より:

    ファッションだけじゃなくて色んな話楽しみにしています。