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京都精華大学・ポピュラーカルチャー学部 客員教授に世界的に著名なファッションデザイナー、ナイジェル・ケーボン氏が着任

京都精華大は、2013年4月に開設した「ポピュラーカルチャー学部」の客員教授に、ナイジェル・ケーボン氏の就任が決定した。

ケーボン氏は、独自の手法を用いるファッションデザイナー。たとえば、イギリスを中心に生産される「オーセンティックライン」と日本を中心に生産される「メインライン」の2つを持ち、いずれもケーボン氏がすべてを手がけ、素材や生産工程を考える。多くのブランドは、短いスパンで大量生産を可能にするため業務分担を行うが、ケーボン氏は自身ブランドの服づくりに関わる工程をすべて把握し、コントロールしている。

また、ビンテージ服のコレクターという側面から自身のコレクションのアイデアを想起させる点もユニーク。自分の好きなものを徹底的に追求しながらも、それが着る人にとって最もよいものとして多くのユーザーに支持されている。ファッションデザイナーとして理想の仕事、生き方。ナイジェル・ケーボン氏の経験やものづくりにおける哲学や生き方そのものが、新しいファッションのあり方を模索し、創造する学生たちにとってよい刺激となることが期待されている。今年度は1回、特別授業が行われる予定。

■教員プロフィール
Nigel Cabourn(ナイジェル・ケーボン)
ファッションデザイナー
1949年、イギリス生まれ。自身のブランド「Nigel Cabourn」を手がける。1971年、大学生時代に自身のブランドを旗揚げ。ビンテージミリタリー、ワークウェア、アウトドアウェアの世界的に有名なコレクターでもあり、4,000点を越えるコレクションからインスパイアされたデザインが特徴である。店舗は、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、アメリカ、カナダ、香港、韓国、台湾、日本など20カ国以上で展開。また、1980年代以降、デザインコンサルタントとしてBarbourやALPHA INDUSTRIESなど数多くのブランドにデザインを提供してきた経歴も持つ。
公式サイト http://www.cabourn.com
日本公式サイト http://www.cabourn.jp

就任コメント:
ファッションデザイナーとしての哲学を、これからファッションの世界に入るみなさんに伝えたいと思います。私のデザインへのアプローチのしかたは、実際の新聞記事、過去の歴史からインスピレーションを得るというものです。たとえば、人類のエベレスト初登頂は1953年ですが、1920年代にジョージ・マロリーというエベレスト登頂を目指した登山家がいました。彼は頂上付近で行方
不明になってしまい、彼が登頂を果たしていたかどうかはいまだ謎のままです。その人物の人生や、当時の文化についての文献や資料をひも解き、当時着ていたであろう服装や装備の機能性にイマジネーションを働かせることから、私のシーズンのコレクションテーマは生まれます。これは、若者たちが得意とするインターネットからは得ることのできないインスピレーションです。授業では、実際に私のコレクションの仕事を紹介し、アイデアやデザインがどのように生まれ、構成されているか、といった流れを解説しながら、底辺に一貫して流れるデザイナーとしての考えを伝えたいと考えています。

京都精華大学:
1968年に「自由自治」を教育理念とし、短期大学として開学。1979年に4年制大学として美術学部を開設、2006年には日本で初めてマンガ学部を設立するなど、『表現の大学』として先進的に歩んできました。現在は、芸術学部、デザイン学部、マンガ学部、ポピュラーカルチャー学部、人文学部の5学部、芸術研究科、デザイン研究科、マンガ研究科、人文学研究科の4研究科のあわせて約4千人の学生が、自由で自然豊かな環境のなか、世界に向けて発信する『表現』を追求しています。

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