最新アルバム『LUX』のリリースを記念し、ブライアン・イーノと<WARP>は、2012年11月17日に【DAY OF LIGHT】と題したスペシャルな試聴企画を実施した。
「【DAY OF LIGHT】の企画は、私の新しいアルバム『LUX』のリリースするにあたって思いついたもの。もともと考えていたタイトルの一つでもある【Play of Light(光の戯れ)】というテーマで、皆さんに写真を送ってもらい、アルバムをストリーミング中に、合わせて公開しました。これは、何かが起こるためのスペースを与えた状態で、実際にどのようなことが起こるか、というコラボレーティブかつ生成的な作品を作ろうというアイディアから生まれたものです。」とイーノは説明する。
ストリーミングは、(UK時間の)日の出、日中、夕暮れ、夜という異なる陽の光に合わせて4度行われ、【Play of Light(光の戯れ)】というテーマのもと投稿された写真が、イーノ本人と制作チームによって、リアルタイムでキュレートされた。今回公開された4分間の映像は、6000を越える投稿写真から、ブライアン・イーノのお気に入りをアーカイヴしたものである。
「6000以上の写真が投稿されたという反響の大きさには驚かされました! しかし、もっと驚いたのは写真のクオリティの高さです。ストリーミングする画像の選択作業は実に難しかったし、時間がなくすべてを公開することは叶いませんでした。これだけ多くの人たちが反応してくれたこと、そしてそれぞれの作品をシェアしてくれたことにとても感動しました。またこの企画の実現に尽力してくれたカラム・モートン率いるWarpチームにも感謝します。」
『LUX』はブライアン・イーノにとって、2005年当時28年ぶりに発表されたヴォーカル・アルバム『Another Day On Earth』以来、そして〈Warp〉からは初となる完全なソロ作品である。本作では、イーノがアンビエント・ミュージックを追求し始めた『Music for Films』『Music for Airports』『Apollo : Atmospheres and Soundtracks』にも見られるテーマと音のテクスチャーの中で、さらなる可能性を追求しているのがわかる。また、イーノ自身も今作を、『Discreet Music』(75年)『Neroli』(93年)を含む《Music for Thinking》シリーズの最新プロジェクトとして位置づけている。
75分の作品は12のパートで構成され、もともとは現在イタリアのトリノで行われているサウンド・インスタレーション展【Music for the Great Gallery of the Palace of Venaria】用に制作された音楽から発展したものである。<Warp>からの作品としては、ジョン・ホプキンスとレオ・アブラハムスと共に制作された『Small Craft on a Milk Sea』、詩人リック・ホランドと制作した『Drums Between The Bells』に続く第三弾作品であり、ブライアン・イーノにとって21世紀初となる世界が待望したアンビエント・アルバムである。なお、国内盤は初回限定生産のSHM-CD仕様と通常盤CDの2フォーマットでリリースされている。